南へ (文春文庫―新・放浪記 2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167269111

感想・レビュー・書評

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  • もともと1冊の文芸書を分冊したものだが、文庫版『新・放浪記〈1〉』と比べると、直近の出来事を綴っているため、これまでの紀行・エッセイに近い印象を受けた。特に後半は鹿児島をベースに生活しており、あまり放浪感がない。犬ガクがその息子のテツと暮らし、著者と旅をしている様子が微笑ましい。文庫本のためのあとがきでは、徳島に暮らすようになったと書かれていた。著者の終の棲家となったんだな~。

  • 「野田知佑」のアウトドアエッセイ集『南へ―新・放浪記 2』を読みました。
    「星野道夫」作品に続いて、アウトドア生活を中心としたエッセイです。

    -----story-------------
    熊本、鹿児島、沖永良部、そして豪州、フィージーへ。
    南へ惹かれるこの衝動はいったい何か? 
    円熟期に達した著者の心象風景を綴る
    -----------------------

    1992年から1995年にかけて『本の雑誌』に掲載されたエッセイをまとめた作品、、、

    エッセイというよりは、放浪記と言った方がしっくりくる感じの作品です。


    東京を飛び出し、地元熊本ではなく、自然が多く残っている鹿児島を拠点として、、、

    国内外の川を中心としたアウトドア(放浪)生活と、河川開発(自然破壊)をストップさせるための社会活動について、持論が語られています。

    川をカヌーで下るだけではなく、釣りをしたり、潜って魚を獲った経験から、自然が失われつつある様子がレポートされているので、説得力がありますよね。

    自分勝手とも思える行動や、豪放で大胆な意見が率直に語られていることから、著者のことを快く感じていない人たちは少なくないでしょうが、豊かな日本の自然を残したいという気持ちには強く共感しました。


    読んでいると、テントを持って野外に出かけたくなりましたねぇ。


    本書に収録されている『アラスカの日本人』の中では、アラスカに行き「星野道夫」の結婚披露宴に出席したことが紹介してありました。

    「星野道夫」とも交流があったんですねぇ。

  • 野田さん1992~1995年頃のエッセイ。
    定番のユーコンやNZのお話はもちろん、当時住居があった鹿児島の日記が魅力的だった。
    山スノボはできなくなるけど鹿児島はあこがれの地でいつか住んでみたい!
    最高の温泉に海、温暖で焼酎が美味しい、屋久島をはじめとする島々も魅力すぎる!
    人生半ばになってしまったけど、いろいろわくわくを与えてくれたエッセイでした。

  • 2000年9月読了。

  • すばらしいアホですね。大好きです。

  • 仕事をやめたくなる

      ::

    彼には文才があり、カヌーで川をくだり、キャンプする生活が許される。
    僕にはその才能がなく許されない。

      ::

    日本の川が壊滅的だということを彼の他の著書でも何度も読んだ。
    この本ではそのことについてはあまり多くは語られず日本を含め
    よいことが多く書かれているので気が滅入らずにすむ。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。在学中、ボート部で活躍。卒業後ヨーロッパを放浪。帰国後、高校の英語教師、旅行雑誌の記者を経て、エッセイストに。傍ら、カヌーによる川旅に打ち込む。これまでに日本の一、二級河川約200を漕破。さらに北米、ニュージーランド、ヨーロッパにまで活動範囲を広げている。長良川河口堰問題や川辺川ダム建設反対運動、吉野川可動堰問題などにかかわり、講演などを行う。

「2008年 『イギリスを泳ぎまくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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