血のついたエッグ・コージィ (文春文庫 275-86)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167275860

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  • 時は1930年。伯爵家の田舎屋敷で盗難と殺人が相次いで起こる。
    お互い素性の知れない上流社会の面々。
    田舎警察の警部は真犯人にたどり着けるのか?

    前半、冗長とも思えるほど登場人物の日常生活の描写が続き、事件はなかなか起こらない。
    交渉、社交、趣味が描かれ、「失敗したかなあ…」と思い始めた頃ようやく盗難と殺人が起こり話が動き始める。
    が、あいも変わらずだらりだらりと捜査が続くのみ。
    古い訳文のせいもあって、読み難い上事件そのものに興味がもてなくなってくる。
    あと半分、あと1/4…。
    残り100ページを切り、トリックが暴かれると、これがなんとも苦笑もので、「ああやっぱり失敗だった…」と思ったところで真犯人が判明するのだけど…。
    犯人が動機を語り始めるや、勢い話が面白くなる。
    これまでの400ページ余りが、この残りわずか50ページ弱のために書かれたことがようやく理解できるのだ。
    すべて腑に落ちるエピソード。
    なにひとつ見逃してはいけなかった。
    すべてはここへと繋がっていたのだから。
    そして事件後の未来へと。

    いや、見事にしてやられた。

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