きんぎょの夢 (文春文庫 む 1-14)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167277147

作品紹介・あらすじ

おでん屋を経営する砂子には、結婚してもいいと思っている男がいる。ある日、店に見知らぬ女がやってきて-婚期を逸した女のはかない夢を描いた表題作の他、結婚をめぐっての親と子の心の行き違いをテーマにした「母の贈物」と、子のない老夫婦の哀歓を優しく見つめた「毛糸の指輪」の計三篇を収録。向田ドラマの小説化第4弾。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。「きんぎょの夢」「母の贈り物」「毛糸の指輪」の三篇。向田さんの描く女性は、うっすらと不幸そうで、どんどん不幸になりそうで、なのに最後のきわきわで踏ん張って前を向く。それに元気づけられるというよりも、きっと誰だってそういうものなんだろうなあと、納得させられてしまう。

  • 婚期を逃した女の話、結婚を控えた親子の話、子供のいない夫婦の話。
    読者それぞれの今によって好きな話が違ってくるかもしれない。
    どれも脚本家の作らしくいかにもテレビドラマを見ているような作品で読後感もさらりとした小品でした。

  • 3篇とも泣いてしまいました。もう堪りません

  • 久しぶりに向田さんの本を読んだ。現在の感覚では理解しづらい言葉や行動もある。でも、登場人物の何気ない仕草や発言は人間にはそういうずるさや後ろめたさや負の側面があることを見せてくれて、人の根幹はいつの世も変わらないのだと感じさせる。向田さんの人間を見る眼差しはどこまでも鋭くて優しい。

    (20230606)

  • 気まずい瞬間、家族の浮気や不倫、結婚...人生の中のおかしみに溢れた短編集

  • いつ読んでも、向田邦子さんの作品は面白い。昭和の雰囲気が懐かしく感じられる。

  • 「きんぎょの夢」「母の贈物」「毛糸の指輪」の3つの短編が収録。

  • どの話も面白く読めた。向田さんの作品は悲しいだけじゃなく、楽しいだけでもない。悲しみの中にもクスッとできる何かがつまっていて、そういうところがリアルな感じがする。

  • 短編集。きんぎょの夢、母の贈り物、毛糸の指輪の3遍、どの作品も秀逸である。
    言葉ひとつで場面をガラッと変える、人間関係の感情の隠れている部分を垣間見えてくるすごさは、凄い。

  • 人が生きていく中で「親子」や「夫婦」など、近くて憎い関係はいくつかありますが、本来、人と人の関わりにそんなカテゴリーなんて必要ないよねってことを、語りかけるエピソードが3つ短編になっています。

    向田邦子さんの小説は、これまでいくつか読みましたが、この「きんぎょの夢」が一番好きな作品になりました。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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