一ダースなら怖くなる (文春文庫 (278‐4))

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著者 : 阿刀田高
  • 文藝春秋 (1983年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167278045

一ダースなら怖くなる (文春文庫 (278‐4))の感想・レビュー・書評

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  • 久々に読み返したら全く内容を覚えてなかったのにちょっとビックリ。
    何度も読み返した本なのに、こんなにキレイサッパリ忘れているとは・・・。
    こういう事がある度に、読書って何だろう?ってふと思ってしまいます。

    再読しての印象は個人的に、「この頃、作者は女性関係で何か苦い思いをしたのかな~」という事。
    いくつかの話にちょこちょこ厭世的な女性観、辛辣な女性観がかいま見えました。
    筋金入りのフェミニストが見たら青筋立てて怒りそうな一文も・・・。
    まあ、私なんかは「そういう見方もあるよね」という感覚で読めたけど・・・。

    タイトル通り、12話のブラック味な話が収録された短編集です。
    最初の「幼虫」はある日、偶然プラスチックを食べる虫を発見した幸運な男の話。
    男はその虫を企業にリースで貸し出して儲けようと思い立つ。
    男には大金が欲しい理由があった。
    最近、知り合った美しいホステスの女性を恋人にするため、金が必要だったのだ。

    この話、こうなるんじゃない?と勝手に予想して読んでいたら全く違う結末だった。
    プラスチックを食べる虫と美女が意外にも結びついてしまう皮肉な話。

    「友を裏切るなかれ」
    男は友人と買った宝くじで1000万円が当選している事に気づく。
    もし当たっていたら友人と折半するという約束だったが、それが惜しくなった男は友人に当選した事を黙ったままで、姉に換金を頼んだ。
    もし友人に宝くじの事を聞かれたら失くしたと言い訳し、第三者が勝手に換金したと言いつくろうために・・・。
    しかし、その後友人から電話がかかってきて、宝くじの事だと思った男は友人を殺害する計画を立てる。
    そのため、事前に友人が女性に恨まれているという事を演出するために友人宅に電話をする。

    500万円惜しさに殺人か・・・。
    と思ってしまう。

    あぶく銭だし、500万円も入れば万々歳じゃないかって。
    でもそれは実際に当たってないからそう思うのかな?
    それにしても、この当時の1000万円って今でいうといくらくらいの価値だろう?なんてふと思ってしまいました。
    最近、阿刀田高さんの本を読み返していて思うのは、この人の本は宝くじを題材にした話が多いって事。
    宝くじ関連の話はワクワクして好きです。

    「進化論ブルース」
    男には秘密があった。
    実は男の一族は男性にだけ現れる特徴がある。
    それは生まれた時は猿だという事。
    そして、段々と進化していき、やがては人間になる。
    男は結婚をする事となった女性にその事を打ち明ける事を決意する。

    これは読んでいる途中でオチが分かってしまいました。
    ただ、最後の一行は皮肉です。
    オチが分かったからといって面白さが激減するという話ではないです。

    「結婚嫌い」
    男は汽車で偶然出会った人の好さそうな男に好感をもち、その男性にあるアドバイスをする。
    それが皮肉な結果に-。

    この話が一番好きです。
    いらぬお節介はするもんじゃないってシニカルな話。

    「閉じた窓」
    魅力的な女性と不倫関係にある男は思い余って妻を殺してしまう。
    完全犯罪を成し遂げたと思った男だったが-。

    これは情景が映像となって浮かぶちょっと恐い話。
    最後の一行がかなり皮肉。

    「女難」
    女性に関して全くいい思いのない男性。
    その極めつけは妻だった。
    男は人生をはかなみ、ビルから飛び降り自殺をしようとする。

    これはブラックジョークですね。
    タイトルがきいてる話でこの話も面白いと思います。

    1ダースの話の中からいくつか取り上げてみました。
    ちなみにこのタイトルはアメリカのホーム・コメディ映画「一ダースなら安くなる」のもじりだそうです。

  • 痛快ブラック・ユーモア作品です。
    女の人はあまり読まないほうが
    よさそうな作品たちです。
    作品によっては女性の書かれたかは
    ものすごくひどいですからね。

    この本の中には
    徹底的に救われない作品があります。
    それが「女難」と言う作品で、
    女性が徹底的に醜く描かれている作品でもあります。
    そして男は…本当にかわいそう以外の何物でもないです。

    とにかく暗い作品ばかりです。
    これでもかっ、ていうぐらいに。

  • アイディアは面白いものが多い。
    いくつかは後々まで印象に残りそう。
    おじさん向け、かな。

  • 読後感がたまらない はなしがひっくり返って読者は置き去りな感じが良い

  • セレンディピティ(serendipity)という言葉をこの本(初版1980年)で知ったが、現在、一般に流通している意味と異なるので、なかなか修正できなかった。なのでかどうか、この本に書かれている「あきらめたころに見つけ出す性質」という意味の方が好きだし、『スリランカ気質』という話もなんとなく好き。

  • 短編でよみやすいです
    読み終わって、ふとした瞬間に思い出して
    ぞうっとするような、そんな話がおおいです。

  • 短編集。ブラックジョークとちょっぴり怖い要素が満載。全12話。

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