新装版 パリ仕込みお料理ノート (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 245
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167307011

作品紹介・あらすじ

三十年前、歌手としてデビューしたパリで、食いしん坊に開眼した著者が綴った、料理とシャンソンのエッセイ集。読んだらきっと食べたくなり、作ってみたくなる料理でいっぱい。

感想・レビュー・書評

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  • いろいろな国の料理の話が出てくるので、読んでいて旅行しているような素敵な気分になりました。
    食べてみたいと思うものや作ってみたいと思うものもちらほら。

    最後の方はシャンソン歌手の話が出てきます。
    今まで聴いたことが無く初めて知る名前が多いですが、人柄がエピソードと共に書かれていて、興味を持ちました。

    「来日タレントとその食欲」という章の最後に"なんでも味わえる私は、幸せな人物だと思う。"という一文がありますが、歳をとるにつれて同じことを思います。
    幼い頃の好き嫌いは誰にでもあるものですが、大きくなってもそれがなおらないと結局は食べられるものが減り、損だなあと。
    食べ慣れていない味=嫌いという人も多いけれど、石井さんの言うとおり、"しかし、そのおいしさがわかれば、しあわせがふえる。"

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「そのおいしさがわかれば」良い言葉です。これも読みたくなってきました!

      実は先日、水森亜土との共著「料理の絵本 完全版」を買ったばかり。
      「そのおいしさがわかれば」良い言葉です。これも読みたくなってきました!

      実は先日、水森亜土との共著「料理の絵本 完全版」を買ったばかり。
      2012/04/05
    • A(仮)さん
      >nyancomaruさん

      水森亜土さんと本出されてるんですね!
      絵本というのがまた面白そうです。
      >nyancomaruさん

      水森亜土さんと本出されてるんですね!
      絵本というのがまた面白そうです。
      2012/04/12
  • 自分が生まれる前の本で、今では日本でも簡単に食べられる料理も、真新しいものとして描かれているところが新鮮で、読んでいて面白かったです。しかし、後半のシャンソン歌手としての人物紹介はまったくよく分からず…。

  • 読書録「パリ仕込みお料理ノート」2

    著者 石井好子
    出版 文藝春秋

    p95より引用
    “最近売り出された蜜入りのりんごは、甘く
    ておいしいという人もいるが、私は気味が悪
    くていやだ。蜜を注射している光景が目に浮
    かんで、ぞっとしてしまう。”

    目次から抜粋引用
    “その目ざめは遅くとも
     二日酔いの鯛
     お酒のはなし
     料理好きのタレント
     シャンソン・ド・パリ”

     シャンソン歌手である著者による、シャン
    ソンの本場フランスのパリで食べた食事と、
    それにまつわる人物とのエピソードを描いた
    エッセイ集。
     フランスパンから歌手たちの食欲について
    まで、しっとりと歌いあげるように書かれて
    います。

     上記の引用は、果物について書かれた項で
    の一節。
    リンゴの蜜は、光合成によって出来た糖分が、
    細胞に入りきらなくなるほど出来て、細胞の
    間にたまり、そこに水分が集まって蜜に見え
    る。とのことです。
    「りんご 蜜入り」で検索したら、すぐに出
    てきました。
    種の周りに集まるのは、
    寒さによる凍結を防ぐために、集まっている
    のではないでしょうか。
    どれ程必死にたべものを作っても、食べる側
    の人の、その時代の流行り廃れに左右される
    のは大変なものですね。
    戦中戦後を生きた著者なのに、食べ物につい
    て厳しいようです。過ごしたからこそ、かも
    しれませんが。
     ほんの少しでいいので、食べ物の挿絵があ
    ると、また雰囲気が違って読めたのではない
    かなと思います。

    ーーーーー

  • ずいぶん昔の本なんだなぁという感じで、現代日本では、既に知ってる人は知ってるようなことが、著者としては、始めて日本に紹介するくらいのスタンスで書いてある。昭和45とかの刊行らしいので、そんなもんかな?でも、大阪万博の年だよな、とか。そういうことで、フランス語に対して現代のカタカナ語とは違うカナを振ってたりして、いろいろ楽しいですよ。あと、「生パン」に反応する胃腸弱いクラスタは冒頭必読(え?)。

  • 昭和45年初版の本を改題し、昭和58年に文庫化。

    前半はタイトル通り、料理や食べ物にまつわるエッセイ。後半は料理というよりも、著者の出会った人々についての思い出話が主となっている。

    ジョセフィン・ベーカー(歌手・女優)、映像で見たことはあったがその後のことについてはよく知らなかった。日本とも深いつながりがあったのね。

  • 面白かった!
    『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』もとーってもよかったけど、これもよい! 作ってみたいレシピ色々。
    パリにおけるシャンソン界交流話もおもしろい。

    スペイン風オムレツは白身を泡立てるんだね。
    ニース風サラダも作りたい。
    40年たっても欧州料理って案外浸透してないよなぁって。カリッと焼いたちっちゃなチーズトーストひとつとっても参考になる。

  •  石井さんは3冊目。

     上品な語り口調も好きだし、

     食べたり作ったりしている品々に愛情が感じられて、しかもとてもおいしそうなのです。


     最近お亡くなりになったことを知りました。

     ご冥福をお祈りいたします。

  • 結構前のエッセイにしては、今の感覚で読めてしまった。シャンソン歌手として活躍されてた著者なだけに、昔の著名な方のことも記されていて、それもすごく新鮮。料理のこともシャンソンのこともパリのことも、面白いなぁと思える一冊でした。

  • 2011 8/26読了。Amazonで購入。
    非常勤で担当している授業の受講生の方におすすめの本を聞いたら挙げられた本。
    最近、とある本をきっかけに石井好子さんの料理エッセイを読み始めていたところでもあり、偶然もあるものだなあ・・・と思いつつ読んだ。
    大部分は料理の話で、後半一部はシャンソンの話。
    料理の話の美味しそうなこと、美味しそうなこと・・・あー、美味しいものが好きな方なんだなあ、と痛感する。そしてお腹が空く。

  • 美味しそうな本、とあったので図書館で借りてみました。
    83年ってそれほど古くないんじゃない?と思ったけれどももう30年近く前のことなんですね~ 今では普通に香辛料もワインも手に入りますが30年前、自分が子供のころは全然状況は違ったよなあなんて思いながら読みました。

    料理の話よりもシャンソン歌手のお話の方が印象に残りました。自分が名前や記録でしか知らないような有名な歌手と直接会っていたとか時代が違うよなあ、としみじみ思いました。特に最後のジョセフィン・ベーカーの話は心が痛みました。大分昔ですが彼女の生涯を映像化した作品があり、それを見たことがあったので老いて後の苦労は辛かったろうなあとしんみりしてしまいました。

  • 今まで読んできた中で、一番美味しい小説。美味しいご飯が食べたくなります。

  • 前回レビューと同作者。

    なんとこの方、加藤登紀子さんをシャンソン歌手として育てたすごい人でした!ポルコロッソ~!

    『巴里の空の下~』にくらべると料理のレシピが少なく、後半はシャンソン時代の話をわーっと書いている。
    おなじ日本人とは思えない行動力と決断力でなかなかにたくましい。
    私はたくましい女性が大好きなので、おいしく読みました◎
    シャンソン時代の流れるような出会いと成功過程は読んでいて清々しい。
    栄光時代を知る人の盛りをすぎた話、がすごく痛々しく深く胸にきた。
    パリ熱あがるわー。

  • 行きつけの本屋さんで平積みされていました。先日お亡くなりになった、シャンソン歌手・石井好子さんのお料理にまつわるエッセイ。上品で綺麗な装丁で、思わず手に。

    紹介されるお料理やお菓子は、フランスのものだけでなく、日本のもの、シャンソン仲間のお国のものと多彩。今では現地名が日本でそのまま通じるものも多いけれど、石井さんが渡仏された時代が時代だけに、「エスカルゴ」も「エスキャルゴ」と、クラシカルな表記。「ミルフォイユ」も「エクレール」も、今よりもっとこっくりしたお味なのだろうと想像してしまいます。

    筆致は淡々として、技巧的に凝ったところも何もないように見えるのに、遠い異国の料理を紹介しながら、それを身近な思い出につなげてお書きになるのが巧みで、しかも重くならないように思います。「悲しいときにもおいしいスープ」などは、楽に泣きに持っていけるように思うのに、いつのまにやら美味なスープ数品のレシピに(笑)。「その目ざめは遅くとも」は、「米がなくても生きていけるんじゃないか?」とちょっと思っている食生活の私には、もうたまりません!

    ステージやマネジメントでお付き合いのあったかたがたの思い出も、興味深く読みました。コクトーに「歌う狂人」と評されたジャック・トルネの浅ましさは、「これが才能と残りのすべてを引きかえるということか」と、驚くほどに不愉快な人柄が克明に描かれ(ただし、悪口一辺倒ではなく)ますし、ジョセフィン・ベーカーとの交流を描いた一篇では、ぶ厚い伝記を読まなくても、彼女の輝きと影をコンパクトに知ることができます。

    豪奢でなくてもおいしい食事と、そこに交錯する人の人生を重ねて見せるワザがシャンソンそのものだな…と思った本でした。うー、あとがきにちょろっと出てきた、シャリアピンステーキも食べたいー。

  • 日常の楽しみである料理と、生涯をかけた仕事であるシャンソンを通じて出会った人々について語ったエッセイ集。紹介されているレシピは少ないですが、料理にまつわる思い出話や関わった人達とのエピソードなどが面白くて、今読んでも古さを感じさせません。石井さんが出会った音楽家達の意外な素顔を知ることも出来ます。

  • 料理も食べたくなるし、シャンソン歌手のエピソードもおもしろいです。
    ヴィシソワーズを作ったら、すごく美味しかった!

  • シャンソン歌手石井好子さんによるお料理エッセイ。『巴里の空のしたオムレツのにおいは流れる』の,更にポイントをしぼられたバージョンという印象。故淡谷のり子さんが楽屋に持いってこられていたお母様特製お弁当に入っていたという「いり卵とハムのみじんぎりの混ぜられたご飯のおにぎり」,思いつきそうで思いつかない。なかなかおいしそうですね。

  •  美味しい物を食べるのが好きな人は幸せだと思う。美味しい物を作る人もまた、幸せだろうと、思う。
     食べることとシャンソンを中心にしたエッセイ集で、読んでいるだけでワクワクしてくる。作者がお料理と歌を愉しんでいることが行間から狂おしいほど伝わってくる。
     とても私が生まれる前に書かれた本とは思えない・・・(昭和45年発行作品の文庫化)
     それこそ歌うように流れる文章の所々にフェルマータやクレシェンドがあり、スフォルツェンドも顔を出す。
     移動時間があるな、という時に、なんとなく手にして出かける大好きな一冊。

  • この本が欲しいです。

  • 随筆として心に愉しく、レシピ集として舌に愉しい。

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著者プロフィール

1922年東京生まれ。52年、パリでシャンソン歌手としてデビュー。各国の舞台に出演し、帰国後はエッセイストとしても活躍。『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)等著書多数。2010年逝去。

「2020年 『いつも夢をみていた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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