蕨野行 (文春文庫)

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著者 : 村田喜代子
  • 文藝春秋 (1998年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167318031

蕨野行 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 生まれて、死へと向かう道行。
    それは同時に死から生に向かう旅。

    じじとばばの最後の灯火。
    手の暖かさが命の強さ。
    そして、ふと心に行き消える。
    なぜ女が家を出るのか?

  • 生きることと死ぬこと、少し丁寧に見つめる機会をくれる本。

  • サバイバル姥捨小説。

    初めて読むような文体に戸惑った。何しろ物語は最初から最後まで、お姑と嫁・ヌイの方言のような古文の文体の会話で展開されるのだ。始めは読むのが苦痛なのだが、慣れて来ると面白くなる。

    押伏村に伝わる六十歳を迎えた老人は蕨野に棄てられるという哀しい掟。蕨野に棄てられた老人たちは、厳しい自然を相手にサバイバルを続ける…

  • 嫁と姑の関係に希望があるところがいい。
    年を取ってもコミュニティから排除されても、生きる意欲や恋をする気力があるところがいい。
    何より、厳しい土地厳しい状況の中でそれでも生きようとする人々の姿が美しい。

    余談だが、ワラビたちは「寒の夏」でさえなければ、秋になって収穫を迎えたときに再び村に帰ることができたんだろうか。できたんだろうな。できたと信じたい。

  • 方言なのか古い言葉なのか分からんけど、こんだけ何が書いてるのか分からんのに世界に引き込まれた作品は初めてやと思う。 読み辛かったし雰囲気で読んだ部分も多いから全てを理解したとは言い難いけど好き。 方言(?)を読むのに最初の数行で挫けたけど無理にでも最後まで読んで良かった。

  • 2013/8/5

  • 姥捨山に捨てられた老人達のサバイバルの物語!…はちょっと違うけど。(と思ったら、解説の辺見庸さんも「老人たちが余儀なく突入していくサバイバルゲーム」と表現していてびっくり。)
    里の若い者達の食いぶちを減らすため、もう里には戻らない覚悟で自ら山にはいるが、それでも山で鳥やウサギを採ったり魚を捕まえたりしながら必死に生き延びようとする年寄りたちの姿が印象的だった。そのうえ里が飢饉にみまわれると、里に残した子や孫に山の肉をやろうと必死に罠を仕掛けるおじいちゃん…。生きるってこういうことだ!というものをどーんと見せつけられた気がする。そこには「姥捨」の伝説から受けるネガティブなイメージは、ない。
    みんなが生きるために、社会を継続させていくために、老人たちが後続の若い人たちにすべてを委ねて道を明け渡そうとする姿に、心打たれました。

  • しみじみとした情感に包まれる

    死に逝くものの話であり
    生まれ出でるものの話でもある

    私たちが生きている
    この地そのものが
    蕨野行になっているのかも
    知れない

  •  口減らしのための姥捨てなどの老人を切り捨てる方法。自然と向き合い、さらにその自然の懐に一生をゆだねると決めた社会の掟は、日本中どこでも見られた光景だったのかもしれない。嫁からお姑よい、と声がけ、姑からは嫁をヌイよい、と呼びかけ語り始める。その語りの中にが、互いを気遣う気持ちが伝わってくる。
     60歳、死を覚悟の蕨野入り。垢だらけ、髪は抜け、皮と骨だらけ、そんな最期は本当に仏のよう。末期目は見えなくても、老人が老女たちをイチイやエノキなどの木の実に例えて、思い描くシーンに慈しみを思う。老い支度、まさに死への恐怖を死への覚悟と変えてくれる本だと思う。還暦巡って零歳になるように、新たの命へと姑と嫁がつながる。まさに後に伝える昔話のようだった。
     

  • 単行本で読みました。
    お姑(ババ)よい。  
    ヌイよい。
    姑を慕うヌイと,嫁を案じるレンとの心の対話で紡がれる物語。
    山の懐に抱かれ,最期の日まで知恵を寄せ合って生き抜こうとするレンたちワラビ衆の,逞しく,時にユーモラスな人間模様。

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