サル学の現在 下 (文春文庫 た 5-7)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167330071

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  • 下巻では、サルの子殺しなどのショッキングな事例に接した研究者たちの所感を記すとともに、このような新しい事実の報告がサル学研究を更新しつづけていることが生き生きと紹介います。さらに、分子生物学や形態学など、多様な学問的背景からサル学へのアプローチを試みている研究者たちも登場し、多様で現在も揺れ動いている研究状況がわかりやすく解説されています。

    しかしながら、この学問分野についてまったく素人の一読者としては、今西錦司とともに初期のサル学研究を領導した伊谷純一郎へのインタヴューをおもしろく読みました。今西とおなじくスケールの大きな思索と、いまなお学問への情熱をうしなわない姿勢が、とくに印象にのこっています。

  • (1996.04.16読了)(1996.02.06購入)
    内容紹介 amazon
    サル学の世界では、日本の学者たちによって"常識"を覆す新事実が次々と解明された。ヒトと動物の境を探る立花ファン必読の一作!

    ☆関連図書(既読)
    「サル学の現在(上)」立花隆著、文春文庫、1996.01.10

  • フィールドワークにおけるサル社会・生活史研究の報告が中心だった上巻に対して、下巻はそれに加え人類学、分子遺伝学、生化学などのアプローチによる研究が紹介されている。
    遺伝子的にはたった1%しか違わないというチンパンジーと人類だけれど、でもやっぱり全然ちがう生き物であることも事実。
    何をもって「人間」というのか?
    読めば読むほど、興味は尽きない。
    特に、化石から人類進化の過程を研究されている江原昭善さんの、将来的な人類進化像についての示唆が面白すぎる。
    化石や骨による研究は、私の恩師もしていたから、よけいに興味しんしん。

    進化っていうのは、ゆっくり次の段階に移行していくものじゃなく、あるときパーンと飛躍するものなんだって。
    これって、まさに量子学でいうクォンタム・ジャンプじゃないか?

    江原さんによれば、人類がさらなる進化を遂げると、恐らくもう脳の容量は増えないけれども、精神面がものすごく発達する可能性があるんだって。
    わたし、なんとなく、次の進化が起きるまでそう遠くないような気がするよ。
    そのとき私、ちゃんと次の段階へ跳べるかな?

  • 未読
    早く読みたい一冊

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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