- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167348014
感想・レビュー・書評
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10代の頃に読んで以来の再読。
表題作である「星々の悲しみ」が一番好き。
予備校生の主人公と友人。
この若い時代特有の人間の内面を、見事に表現している。
ほとんどの作品が、青春と死を描いている。
全体にグレーな色合いの作品で、どれも昭和の古い時代を感じさせる描写が、かえって新鮮。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「星々の悲しみ」「小旗」は前に教科書で一部読んだことがありました。
もしかしたら、予備校の模擬試験でだったかも…?
悲しいですね。
どうしようもなくね、分からないのです。
この作品の何が悲しいのか。
例えばね、有吉がじいさんだったら悲しくないんですよ。
彼が、こんな若い彼が、
そして彼が美声年で、それが、悲しい。
若くて美しくて優しく賢い人間が何かを諦めるということに、
胸が震える想いでした。
でも本当の所、
生きてるってそのことが無性に悲しいのだと思いました。 -
浪人時代の模試に出題されたのですが、問題なんてどうでもいい。「続きは!?ねえ続きはどうなるの!?」と思って本屋にダッシュした思ひ出の作品。今思うと浪人生がこの話読むのはどうなんだろう…。『星々の悲しみ』の絵がものすごく脳裏に浮かびます。文章的にはそこまで好みではないんですが、なんだか時々既視感を覚えて思い出します。
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・自分が、いままさに死にゆかんとしていることを知らないままに死んでいく人間などいないと、ぼくは思う。そうでなければ、人間が死ぬ必要などどこにもないではないか。人間とは、そのことを思い知るために、死んでいくのだ。
・青春とは,ナイーブでいて力づよく、またみにくさも恥も透かしてしまう不思議なエネルギーをもつ輝かしい闇なのだ。この時代は、経験よりも想像が、また現実よりは観念の方にかえってリアリティがあり、書物に傍点をふって人生が分かったつもりになっても、少女の束の間の微笑か、冷たい視線で、それがたちまち霧散してしまう。スキップしながら人生に絶望するような時代と言ってよい。 -
この短編集は、うまく表現出来ないが、とても深いものがあるように感じます。
「星々の悲しみ」なんか良かった。
「小旗」この青年に会ってみたい。
「不良馬場」この結末はどう捉えればいいのか。 -
表題作が一番好き。
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宮本輝は全部読んだ、という友人の一押し。
「死」を捉えた短編集で、表現は美しく、重く、湿度が高い。 -
深い余韻を残すなあ。
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初期作品の短編集。表題作『星々の悲しみ』が飛び抜けて好き。高校、大学、今回、とこれで読むのは3度目。読むたびにわかることが増えていく小説は、きっと名作なんだろうなとおもう。次に読みたくなるのはいつかな。
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何か大事な事をしなければいけない時に限って他の事をやりたくなってしまう。主人公の行動原理に共感してしまう。
主人公達の周りに付きまとう死の影
主人公達が死ぬ訳ではないが、友人や父親、病気が縁で巡り会った同室の患者達・・・
深く無い縁の人達の死は自分に何をもたらすのか考えるキッカケをくれました。
だからと言って何がどうなる訳では無いのですが・・・
駄目人間な主人公:星々の悲しみ、西瓜トラック、小旗
結核:北病棟、不良馬場
死:星々の悲しみ、北病棟、小旗、不良馬場
再会?:西瓜トラック、火