- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167357146
感想・レビュー・書評
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4167357143 381p 1997・12・10 1刷
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思い出しついでにパラパラと捲ってみたら、止まらなくなり読み終えてしまいました。
これで三度目かな?
『五稜郭を落した男』につづき、山田顕義についての作品です。
『五稜郭~』では軍事面の能力がクローズアップされていましたが、「空斎」の号をもつ詩人でもあった顕義。
随所に漢詩が引用されていましたが、その善し悪しがわかるほどの知識はありません。それでもいいなぁと思うフレーズがありました。
こちらは松陰との出会いから、生野での最後の瞬間、そしてその後日談までが描かれていますが、最も興味を惹かれたのは冒頭の山田家の墓所発掘調査。
昭和63年に行われたその調査では様々なことが調べられていますが、著者が最も注目したのは遺体の頭蓋骨右側頭部に残された幅1センチ、長さ1.8センチの傷。
それは「外部から内部へ、外力が加わった可能性が考えられる」「ほぼ直角に向かう刃器の刺入などによって生じたものと思われる」ものであった。
明らかに致命傷と思われますが、残されている死亡時の医師所見ではこの傷には一切触れられていないそうです。
「刃器」によるものと推測されていますが、著者でなくとも「暗殺」ということは頭に浮かぶのではないでしょうか。
ただこのあたりは想像になるので小説中では「暗殺」をほのめかす程度になっています。
思い込みをできるだけ排除し、歴史を描写しようとする古川さんらしいです。
ただ、そんな古川さんの本心?とも思えたものが、明治23年の国会で山田が心血をそそいだ商法・民法を始めとする諸法典の施行を阻止しようとする野党との対決の場面。
当時首相であった山縣は予算に全力を尽くし、法典実施への努力を故意に省いて山田に援護射撃しなかったことについて、
「山縣との衝突を避け、軍部での活躍をあきらめてサーベルを捨てた顕義のためなら、せめて司法畑での彼の功業を全力で支援するだけの度量を、山縣はしめすべきだったとはいえるだろう」
と書かれています。
よほど目に余ったのでしょう。ご自身のこういった思いを書かれることはあまりなかったので新鮮でした。 -
ひたすらかっこいい山田顕義さまワールド。もえしぬ。
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市ィがかっこよかった!!
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「兵は凶器なり」<br><br>あまりにも時代の先を行き過ぎたため周囲から理解されることのなかった山田顕義。幻の建白書は実現が叶わなかったが、彼が日本史上興した偉業のおおきさは計り知れない。陸軍から司法への大転向を遂げ、日本の法のありかたを追求した山田に与えられる称号は、「小ナポレオン」であり「法典伯」である。