織田水軍の将・九鬼嘉隆 戦鬼たちの海 (文春文庫 し 5-13)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167370138

作品紹介・あらすじ

志摩の土豪から身を起こした九鬼嘉隆は織田信長の知遇を得て運命がひらけた。織田水軍の総大将として海戦に明け暮れた戦国大名の数奇な人生を描く柴田錬三郎賞受賞作。(縄田一男)

感想・レビュー・書評

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  • 九鬼嘉隆の生涯。若い頃志摩を追われて裸一貫信長に仕える。信長の家臣滝川一益の下水軍大将として頭角を現す。志摩国人衆への復讐、木津川の海戦と織田家での地位を確立しつつある時本能寺の変で信長が討たれるとそれに合わせるように嘉隆の活躍の場も失われてゆく。本家の甥澄隆を突然闇討ちしたのは謎

  • 志摩の海賊、九鬼嘉隆は、信長を彷彿とさせる苛烈な性格。一旦は土地を追われるが、信長に見いだされ、滝川一益の寄騎として見事に復権し、石山合戦では、毛利・村上水軍の補給部隊を見事撃破して名を上げる。しかしながら、本能寺の変後は歯車が狂ってしまい、晩節を汚すように信望を失っていく。
    嘉隆のラストがいけてないので、星三つかな。

  • 紀伊から身を起こした九鬼嘉隆が
    志摩を追われながらも捲土重来を期し
    織田信長に買われ織田水軍となり
    志摩を平定、国王となる
    石山本願寺の海戦では鉄船で
    毛利の村上水軍を打ち破り名をあげる
    が朝鮮水軍の李舜臣には手も足も出ず撤退
    これが太閤の怒りを買い
    隠居に追い込まれる
    甥を殺め嫡男と敵対し最後は
    自らの首を己で切り落とす
    壮絶、妄執
    こういう世界があったのか一気に読ませる

  • 海賊から大名まで成り上がった九鬼嘉隆が主人公で、九鬼嘉隆がまだ10代で志摩の国でくすぶっているところから、関ヶ原の戦いの後、自害して果てるまでを描いています。

    今まで水軍に関する本を読んだことはないですが、船合戦の様子や鉄砲、長鉄砲を使う戦いなど、陸戦とは違う戦いの様子が非常に面白かったです。
    艦砲射撃により、城攻めをしたり、水軍として水夫の編成をしたりと、一風変わった内容で非常に楽しめました。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/post_db07.html

  • 白石一郎は短編だね。長編はイマイチ。九鬼嘉隆という戦国を彩る武将を知るには悪く無いけど。

  • 九鬼嘉隆さんのドラマティックすぎる生涯が綴られています。
    嘉隆が言葉でうまく言い表せないけど…とにかくカッコイイ!

  • 全1巻。
    ずっと気になってた九鬼嘉隆の話。

    名前がね。
    九鬼って。
    すごいじゃない。
    で。
    水軍だし。

    たまにちょこっと出てくるけど、
    実態は全然知らなくて気になってた人。
    すごい名前なのに影が薄い。

    で。
    面白かった。
    けど。
    なんかモヤッとした読み終わり感。
    前半は疾走感あるヒーローっぽく。
    後半が割と無茶な人になってる。
    少しだけ栄枯盛衰な感じで切なめ。

    3巻くらいあったら
    もう少し掘り下げれたんじゃないかとも思う。

  • 近頃、周りで、やたらと戦国時代や大河ドラマの話題が上るのですが…
    自分にまったく知識がないのが悲しい★
    なので、いつぞやのジュヴナイル特集に続き、今回は戦国時代モノ特集をば☆
    まずは地元出身のこの方から!

    戦国時代ブームらしいですな
    私の周囲でも話題に上る頻度が高くなってきました―主に大河ドラマ。
    しかし…私は話題についていけない
    悲しいので知識つけよう!て事で暫く戦国時代モノ特集しようかと☆
    地理にも疎いので…まずは近場から、ということで地元・志摩の土豪から織田水軍の将になった九鬼嘉隆の話を

    志摩の地に住み着き二百年―しかし九鬼一族は、その好戦的な振る舞いから地の者達には受け入れられずいた。
    とある戦いでの敗戦から志摩を追われた嘉隆は、勢いに乗る織田信長が天下統一を志して伊勢志摩の平定に乗り出したとき、その下に馳せ参じた。
    水軍を組織せよとの命を受け、織田水軍の総大将として海戦に生きた九鬼義隆の一生。

    冒頭から馴染みある地名がずらりと並んででてくるのには高校のレクリエーションで登らされた山とかね!

    昔の人たちって生まれた場所から殆ど動かず一生を終えるイメージでしたが…戦国武将は違かった!
    凄いアグレッシブに日本駈け巡り戦ってたのね。
    こんな交通の便も良くなった現代…私は引きこもり気味なのに★

    嘉隆が仕えていた織田信長も、かなり格好良く描かれてましたヮ。

    伊勢神宮の神官も出陣!は何事でした。
    内宮・外宮が参拝客の獲得をめぐって古くから争っていたって本当なのかしら?
    大人しく神事に身を捧げてるイメージなのに。伊勢神宮の神官も本願寺みたいに武闘派だったのか?

    しかしアレですね…歳取って視野が狭くなったり頭が固くなったりするのは切ないです。猜疑心が強くなっちゃうのも。
    死に様、最期が壮絶でした。

    鳥羽も今や観光地ですが、史跡とか残ってるのかな…高台から海を眺めてみたいな
    今なら、毎日見ている志摩の海も、違って見える気がするよ☆

    20090208

  • 織田信長が天下一統を志して伊勢、志摩の平定に乗り出したとき、志摩の土豪から身を起こした九鬼嘉隆は真っ先に信長の麾下に馳せ参じた。信長の知遇を得て、九鬼の運命がひらけた。文禄の役で織田水軍の総大将として海戦に明け暮れた戦国大名の数奇な人生を描く長編時代小説。第5回柴田錬三郎賞受賞作。

    2009.1.22読了!

  • 織田水軍の将 九鬼嘉隆の生涯を綴った文庫本。

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著者プロフィール

白石一郎(しらいし いちろう)
1931年11月9日 - 2004年9月20日
釜山の生まれの作家。終戦までは釜山、戦後は佐世保市で育った。長崎県立佐世保北高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。双子の息子がおり、白石一文・白石文郎両名ともに作家となった。
1987年『海狼伝』で第97回直木賞、1992年『戦鬼たちの海—織田水軍の将・九鬼嘉隆』で第5回柴田錬三郎賞、1999年『怒濤のごとく』で第33回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。

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