透光の樹 (文春文庫 た 8-13)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167373139

感想・レビュー・書評

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  • 女性作家の恋愛小説は、とかく女性はエゴイスト、男性は作品の部品として軽薄に描かれる傾向が強くめったに真面目に読めないが、この作品における謙虚で内省的な男女はスッと自分の中に入った。
    所々説教臭く不倫も関わる点を抜きに、物語の流れも良く、中年男女であるからこその瑞々しさ、過不足のないボリュームで久々に完成度の高い恋愛作品だった。

  • 「恋愛は欠落感がある」

    中年の恋はどこか哀しく苦しくてだからこそ狂おしく求め合う

  • 谷崎潤一郎賞

  • 読まずに死ねるかレベル、必読書。

  • 情景描写?というのでしょうか。その土地の歴史、登場人物のルーツが書かれていて、冒頭で挫折しました。
    その後も何度か挫折を繰り返し、読了。

    丁寧に書かれた作品という印象でした。
    文章を噛みしめて読む人にはよい作品だと思います。

  • ずいぶん昔に芥川賞受賞作を読んで以来の高樹のぶ子.

    石川県鶴来町を舞台にした中年恋愛小説.私はもうこういう小説を読んでも熱くなったりはできないが,この作家はとてもうまいと思う.
    設定はあまり自然ではないが,主人公の二人にリアリティーを感じるし,男と女の心のすれ違いや,駆け引きや,共感をうまく描いていて感心してしまった.

  • 桜木紫乃さんが雑誌で名前を出していたので読んでみました。印象に残る本でした。表現がよかった。甘かったり、ひやっとしたり、重みがあったり…その緩急が気持ちよくていつまでも読んでいられそうでした。

  • めっちゃ苦しくて切なくて恐ろしかった。
    勝手に話にのめりこんでしまって本当に辛かった(/_;)
    中年男女の大恋愛は本当に恐ろしい
    こんなにも人を狂わせるものなのかと
    話を読み進めるにつれて、表紙の意味が分かってくるげんけど、
    これがまた切ない(/_;)胸が締め付けられる(/_;)

    鶴来の話で近所やから親近感わいた!
    話の内容には親近感いっこもわかんけども
    金沢とか能登も出てくる!

    千桐の「素敵になる」っていう表現のしかたがすごい好きw

  • 石川県白山の山裾にある鶴来町が舞台となった40代男女の恋愛物語。内に秘めた欲望と駆け引きが物語を濃厚にしてゆく。小説の題名の樹は物語のポイントとなる古い杉の大木であり、透光の樹は次のように語られている。「透けた枝を通って落ちてくる西陽が、丹色のモザイク模様を二人の顔に投げかけ、二人は眩しさのあまり一瞬立ち往生した」

  • ここまでの情熱は無理だったが,自分の過去を振り返って,なぜか懐かしさを感じた.

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著者プロフィール

小説家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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