それはまた別の話 (文春文庫 わ 2-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167385057

作品紹介・あらすじ

ビリー・ワイルダーについての対談相手に「三谷幸喜さんは?」といわれ「大賛成!」と答えた和田氏。中学のときに『お楽しみはこれからだ』を読んで以来、和田フリークを自任する三谷氏。出会うべくして出会った二人が「裏窓」から「トイ・ストーリー」、「ダイ・ハード」まで、映画マニアかつ実作者という立場から、ウラのウラまで語り尽くした対談集。

感想・レビュー・書評

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  •  映画に詳しい2人の会話は2人の映画との個人的な思い出を含み、そして細部の描写に至るまで、分析が実に愉しい。ルメット監督の映画「12人の怒れる男たち」の詳細な感想から始まり、ヘンリーフォンダを始め登場する12人の細かい分析、そして監督の撮影意図などが秀逸。そして「優しい日本人」に至る三谷の考え方にも興味。「ダイハード」、「エイリアン」、「裏窓」など広範囲にわたる時代の作品に通じている博識に驚き。映画監督をしている人なら当たり前だろうが!これらの映画はもう一度確認しながら観直してみたいと痛感した。「アパートの鍵貸します」「舞踏会の手帖」「フランケンシュタイン」「絶望の彼方に」「バンド・ワゴン」「素晴らしき哉、人生!」「恐怖の報酬」などかなり古い時代の映画、また「トイ・ストーリー」は全く知らないものの、同じような観点からの説明に納得。ただ、改めて観たいとまでは思わないけど…。

  • 目次
    ・十二人の怒れる男
    ・アパートの鍵貸します
    ・舞踏会の手帖
    ・フランケンシュタイン
    ・ダイ・ハード
    ・絶壁の彼方に
    ・バンド・ワゴン
    ・素晴らしき哉、人生!
    ・トイ・ストーリー
    ・恐怖の報酬
    ・エイリアン
    ・裏窓

    毎月1本の映画について、深く深く語りあう二人。
    読んでいる私はと言えば、最初の「十二人の怒れる男」と最後の「裏窓」しか観たことがない。(どちらも大好き)
    目次を見て、途方に暮れる私。

    しかしこれが面白い。
    観たことない映画の、監督、キャスト、演出方法、裏話。
    しらけるどころか、興味津々。
    機会があったらぜひ観てみたい(「エイリアン」は除く)と思うほどに前のめりで読みました。

    何も考えないで漫然と見ても面白いのでしょうが、その映画の見どころをきちんと押さえて観る映画は、きっと私の想像以上に楽しめるんでしょうね。

    表紙のイラストは、もちろん和田誠。
    そして、三谷幸喜。
    和田誠が好きすぎて、三谷幸喜が書くイラストは和田誠の絵とほとんど区別がつかないほどのクオリティ。
    本当に和田誠を尊敬しているのだなあと思いました。

    映画を観るだけではなく、実際に映画製作を手掛けているふたりならではの、制作上の苦労や工夫などの話も面白くて。
    映画初心者から、ある程度詳しい方まで、幅広く楽しめる映画ガイドだと思います。

  • 三谷幸喜さんは私と同年代なので、映画(洋画)体験が似ているのが楽しい。見たことがある映画も未見の映画もどれも面白く読みました。中でも『十二人の怒れる男』はよかったな。そして無性に映画が見たくなる。好きなことについて話している人たちの対談は面白いね。愛が溢れているもの。
    私が十代の頃の映画のバイブル『たかが映画じゃないか』を思い出しました。

  • 文庫絶版のため、Amazonでゲット。発注からわずか2日で仕事場に到着。なんと便利な仕組み。郵送料300円は安い。

  • ディープな対談集。映画好きにはたまらない12本の名作をテーマに、和田さんと三谷さんが語りつくしています。トリビアが豊富!作品分析も鋭く、かつ愛情に満ちています。読むたびに、取り上げられた映画が見たくなるのでした。

  • 三谷さん・和田さんの趣味で選んだ一本一本をとことん語りつくす対談集。「12人の怒れる男」がこんなにつっこみ所満載だったなんて!「ダイ・ハード」、そう、私もパウエル巡査がよかったよ!「トイストーリー」を三谷氏は「なんて深い物語だ」とため息をついている。一緒におしゃべりしているようで、前のめりになって読んじゃう。電車でひとりでニヤニヤさせられた。危ない本だ。

  • 映画好き二人の対談。

  • ただひたすら映画が好きな二人が自分達の好きな映画についてただひたすら語っている。それってナンかこっちも気分がいい。
    三谷さんの、「ここはシナリオにはどう書いてあるのかな」といった演出家ならではの感想も面白いです。

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著者プロフィール

一九三六年大阪生まれ。多摩美術大学図案科(現・グラフィックデザイン学科)卒業。
五九年デザイン会社ライトパブリシティ入社。六八年に独立し、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしてだけでなく、映画監督、エッセイ、作詞・作曲など幅広い分野で活躍した。
六五年創刊の雑誌「話の特集」アート・ディレクターを務める。
講談社出版文化賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、毎日デザイン賞など受賞多数。
七七年より「週刊文春」の表紙(絵とデザイン)を担当する。二〇一九年死去。

「2022年 『夢の砦 二人でつくった雑誌「話の特集」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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