風の琴―二十四の絵の物語 (文春文庫 つ 7-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167409029

感想・レビュー・書評

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  • 12の肖像画と12の風景画をもとに、著者が短い物語をつづった作品です。

    肖像画のモデルとされる人物が主人公になっているばあいもありますが、著者自身は「私が意図するのは、絵物語でもなく、画家の伝記を扱った小説でもなく、〈絵画〉が喚び起す感動と同質の感興を〈短編小説〉で表現しようというものでした」と語っているように、かならずしも史実にもとづくことなく著者の自由な想像力が生み出した物語で、名画と著者の小説のコラボレーションというべき本になっています。

    寓話的な内容を含んだ短い物語が多く、小説としてはすこし個人的な好みからはずれる内容だったのですが、「〈絵画〉が喚び起す感動と同質の感興」を表現するという著者の意図は明瞭に示されており、その意味では成功しているといってよいのではないでしょうか。

  • (2002.08.23読了)(2000.11.05購入)
    (「BOOK」データベースより)
    ブリューゲル、レンブラント、セザンヌ…。西洋美術史をキラ星のごとく飾る24の名画。その色と形が呼び起こす感興を、同じ強度のまま、短篇小説で再現するとどうなるか?2つの芸術ジャンルの間で白熱する感動の変電実験。こうして炉辺の語りの楽しさを堪能させる24の物語が生まれた。巻末に作者による図版解説を付す。

    ☆辻邦生さんの本(既読)
    「花のレクイエム」辻邦生著・山本容子絵、新潮社、1996.11.15
    「生きて愛するために」辻邦生著、中公文庫、1999.10.18

  • 24の絵画でインスピレーションを受けた24の短編。
    どれもこれもうまくまとまっていて好きだ。

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著者プロフィール

作家。1925年、東京生まれ。57年から61年までフランスに留学。63年、『廻廊にて』で近代文学賞を受賞。こののち、『安土往還記』『天草の雅歌』『背教者ユリアヌス』など、歴史小説をつぎつぎと発表。95年には『西行花伝』により谷崎潤一郎賞を受賞。人物の心情を清明な文体で描く長編を数多く著す一方で、『ある生涯の七つの場所』『楽興の時十二章』『十二の肖像画による十二の物語』など連作短編も得意とした。1999年没。

「2014年 『DVD&BOOK 愛蔵版 花のレクイエム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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