- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167431082
作品紹介・あらすじ
吹きつのる霞が関批判の嵐。行革は遅々として進まない。だが、誰もこの国にある「もう一つの国」の話は書かない。そこでは、「財政投融資」の名のもと、無数の奇妙な企業の群れが国民に寄生し、税金を食い荒らしながら生きていた。官僚国家日本の暗部を鋭くえぐりとる告発ノンフィクション。文芸春秋読者賞受賞。
感想・レビュー・書評
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淡々として指摘している感じが良い。
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行政の無駄を抉り出した現東京都知事 猪瀬直樹氏のノンフィクション。本書によって、のちに小泉改革に、東京都副知事として招聘されていく。
現在の行政では、さすがにここまでの無駄はなくなってきたと思う。1990年代と現在で恐らく財政赤字のポートフォリオが異なる。当時はまだまだ公共工事へのばら撒き予算がまかり通っていた。しかし、小泉改革で、そのばら撒きはかなり減った。
現在の財政赤字の最大の原因は医療・福祉にある。痛みを伴う改革ができるかどうかは、医療・福祉に大鉈を振れるかどうかによる。猪瀬氏、そして氏の親分の石原慎太郎氏率いる維新の会が、いったいどこまで切り込めるだろうか?
<目次>
第一部 記号の帝国
第?章 朝日連峰 「杉」とはなにかー記号化された世界
第?章 長良川河口堰 「水」とはなにかー特殊法人の隠し子
第二部 闇の帝国
第?章 視えないシステム 道路に巣食う子会社の群れを追って
第?章 巨大赤字隠蔽のからくり 理念なき財政投融資の現場を見る
第三部 寄生の帝国
第?章 迷路の世界 公益法人の群がる寄生虫たち
第?章 もうひとつの国 独り歩きする特別会計に潜む謎
あとがき
文庫本へのあとがき
解説 竹中平蔵 -
時間があれば
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当時はとても大きな問題として残っていた高速道路、住宅公団、郵便、特殊法人の問題点を説明している。
1997年に書かれて、その後の改革で多くが変わった。
変わっていないところを調べたら面白いと思った。 -
特殊法人がこんなに闇だとは知らなかった
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猪瀬さんだけに詳細な調査を積み重ねて書いた力作なんだと思う。ただいかんせんテーマや数値が古くなってしまっており、今読むべき本では無いと思う。作者には非は無いが。。。早々に途中で挫折。
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いまさらですが日本国の研究読んだ。統計や公表数字を徹底的に疑って因数分解しまくった結果を介いているので、ちょっとした学者には書けないなぁーこれは。よくよく仕組みを練っていないシステムが統制なく自律自動で動き続けてしまう怖さが描かれていると思います。魂が必要だよ。
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完全に「賞味期限」が切れてた一冊。1999年第1刷だもんな。財政投融資の闇や特殊法人の影の部分に光を当てている。よく取材し、勉強し、数字をあげて論を展開しているところはさすが、と脱帽する。しかし、天下ってるからダメ、国民の税金が無駄遣いされているという結論は短絡的。おそらく売れない作家として辛酸を嘗めた氏の根幹には、安い給料ながらも安定した生活を送る官僚など敵以上なんだろう。