アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」 東條英機 処刑の日 (文春文庫 い 17-17)
- 文藝春秋 (2011年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167431174
感想・レビュー・書評
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読んだきっかけは、「東京都は知事も副知事も作家って面白い」「でも猪瀬直樹ってどんな小説を書いているんだろう」という疑問でした。
タイトルはいかついですが、アウトプット勉強会の「失敗の本質」より100倍くらい読みやすいです。
戦争が終わったその日から、アメリカ(マッカーサー)はどういう意図で日本を占領し、何故昭和天皇を東京裁判にかけることを全力で避け、何故東条英機は12月23日に処刑されたのか、という筋書きです。現在の日本の成り立ちも、結構よくわかります。
読んでみると、「作家と政治家」という、職業がすんなり結びついた気がします。というようなことをツイートしたら、猪瀬直樹さんから「歴史認識が羅針盤です」という返信をいただきました。歴史好きにとって、歴史を現在に生かすことができるのか…というのは永遠のテーマだと思うので、非常に興味深かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ん~まぁ、言っていることはわかるが、暗号ってほどのことでもあるまい。
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昭和天皇の誕生日とA級戦犯の起訴日が同じ4月29日。裁判の開廷日5月3日の翌年に新憲法が施行。平成天皇の誕生日とA級戦犯の処刑執行日が同じ12月23日。偶然ではなくマッカーサーが日本国民に背負わせた十字架。国民が忘れる中一人十字架を背負い慰霊の旅を続けられた平成天皇。
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9年前に買ってずっと読んでいなかった作品です。ある子爵夫人が筆者に送った手紙の中に、「ジミーの誕生日の件、心配です。」という文言があり、その謎解きをしていくという展開です。戦前の疎開先で、食料を手に入れるために、軽井沢から遠くの農家にまで足を運び、闇ルートから調達する様子は、戦時中の生活の厳しさが伝わってきます。現在の上皇陛下が当時、日光に疎開されていたことは初めて知りました。疎開、やみ市、東京大空襲、ポツダム宣言などの詳細な内容が、実感として鮮明に伝わってきました。戦前、戦後の歴史を学びたい人におすすめです。
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平成から次の時代に変わろうとしてる今、十字架を背負った平成天皇が退いた後にどうなってしまうのだろう、、そんな事を思いました。
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戦争責任、この言葉を深く考えさせてくれる。
また、日本人の説明の仕方、仕事の速度の遅さ、周りの状況を見れない、近視眼なところを、思い起こさせる。 -
知人から勧められて読んだ文庫本
「アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」
東條英機 処刑の日」
単行本でのタイトルは「ジミーの誕生日」
著者は東京都知事の「猪瀬直樹氏」
連合軍による日本占領が始まってまもなく、学習院に赴任したアメリカ人の
英語教師は英語の授業を始めるにあたってクラス全員をニックネームで
呼ぶことにする。皇太子(平成天皇)につけられた名前は「ジミー」
極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯28名が起訴されたのは、
昭和21年4月29日、つまり昭和天皇の誕生日
裁判が開廷したのは、5月3日。よく22年5月3日、新憲法の施行。
そして、東條英機らA級戦犯7人が処刑されたのは、
昭和23年12月23日。
当時の皇太子、現在の天皇誕生日でした。
アメリカが日本に仕掛けた対日占領政策
マッカーサーが、次代の天皇の誕生日に刻印した意味
昭和天皇崩御後、皇太子が天皇として即位し、12月23日は祝日になる
その日に、東條が絞首刑になった日だということを日本人に思い出させるために
天皇は、戦争の重荷を背負いづづけ、誕生日がくるたびに、
その日のことを思い出させるために
現天皇皇后両陛下の多くの慰霊の旅となぜかかさなってきます。
このような重荷を背負ってこられたとは知りませんでした。