ベッドのおとぎばなし (文春文庫 も 3-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167436032

感想・レビュー・書評

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  • バブルの時代の男女の駆け引きが新鮮でした。
    やはり今の時代はあの頃よりも男性も女性も大胆ではなくなったのかも…と思いました。

  • 森さんの本の中でもかなり好き。テンポのよさ。とてもいい絵をみたあとみたい。

  • 高校生のとき、英語の先生に読まされて感想文まで書かされた。
    もう一度読んでみたい。

  • 森瑤子といえば平凡な毎日をすごす一般女性が現実逃避のために読む、おしゃれな恋愛を描いたマスターベーション小説、ハーレクインの一派という先入観があったが、いやいやなかなか、直截でありながら繊細な表現やリアリティにあふれるディテールを楽しんだ。特に香港で再会した人妻ならぬ人夫にデートをもちかけられ、それを少し離れて歩いていた妻が聞いてしまって、ぎすぎすムードになってしまう一夜を描いた『クレイジー・ナイト』は著者の体験に基づいているのではないか、と思うほど。この人夫にはデレクという名前があって、その名前は登場するのだが、最初の方は「イギリス人」となっている。これは主人公美沙子および著者自身がこの「イギリス人」に一線を画しているのが端的に表れていて効果的だ。短篇はその短さ故にこうした技巧が冴える。
     結末、および物語のトーンを決定する最後の一文、二文も短篇毎にバラエティに富んでいる。溜飲が下がるような後味を残すものから救いのない空しさが曵きずるものまである。私が特に好きなのは現金を使うことを許されていない嫁と嫁の浮気を見抜いている姑のやりとりを描いた『クレジット・カード』、かっこつけて男に弁説をふるった後に思わぬ恥じをかくことになる『ブラディー・メリー』だ。『ブラディー・メリー』はコメディで、『クレジット・カード』も嫁と姑のすさまじい力関係がクレイジーかつリアルに描かれていて、やはりコメディーだと思う。笑えないコメディーだから風刺かも知れないけど。コメディーが一番書くのが難しいと私は思っているので、この2作に一等、二等をあげたい。
     外国のリゾートやカフェバー、外車やフランス製の靴など状況設定はおしゃれなのだが、そこに繰り広げられる人間関係は妙に夢がなかったりするので、マスターベーション小説どころか甘ったれた夢を砕く著者の愛のムチかもしれない、というのは深読みのしすぎか。

  •  洒落た大人のための恋愛短編集。森瑤子の最高傑作といえる。舞台はバー・ホテル・リゾートからスーパーマーケットまで多彩。

  • 1990

  • 学生時代に気に入って読んでいた作家。ブックオフで見つけたので久しぶりに手に取った。
    不倫小説、と言われていたことに納得。男女の機微などよりも、生きる根っこのない人たちの軽々しさばかり目立って感じられる。森瑤子が好き、と人に言うのは恥ずかしいことだったと思った。自分がだいぶ影響を受けていることを知りショック。
    しかし慣れ親しんだものの安心や、やっぱり頭を使わないで読めるのが気楽さがよかった。面白くないこともやっぱりないし。

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著者プロフィール

森 瑤子(もり ようこ)
1940年11月4日 - 1993年7月6日
静岡県伊東市出身。本名、伊藤雅代。東京藝術大学器楽科入学。広告代理店、コピーライターを経て専業主婦に。1978年、池田満寿夫『エーゲ海に捧ぐ』に刺激されて『情事』を執筆し、第2回すばる文学賞を受賞しデビュー。直木賞、芥川賞の候補に度々ノミネートされるが、1993年に胃がんで逝去。
代表作に『情事』、テレビドラマ化された『デザートはあなた』など。

森瑶子の作品

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