封印 (文春文庫 く 9-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167447045

作品紹介・あらすじ

ボクサー崩れの酒井は、恩人・津村のパチンコ店で働く釘師。ある日苦情に対応したが、以後査察や業者の取引中止が相次ぎ、何者かに身に覚えのない"物"を渡せと脅迫され、ついには津村が失踪する。大阪中のヤクザが政治家をも巻き込んで探している物とは何か。酒井は封印を破り、自らの拳をふるって立ち向かう。

感想・レビュー・書評

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  • 疫病神シリーズで著名な著者の作品。
    今回は釘師が主人公となり、パチンコ業界の裏をチラ見させつつ、誘拐事件に巻き込まれた上司を探し出すべくヤバい橋を何度も渡る。
    相変わらずのテンポの良さに一気読みでした。

  • 1996年執筆なので筆者47歳の時の作品。

    売れないとぼやきつつ、徐々にエンジンが快適に回り始めた頃。
    構成アイテムは大阪府警・遊技業界・暴力団でそろい踏み。
    ボクサー崩れの酒井が恩人の娘理恵ちゃん21歳と大阪近辺を走り回るロードムービーも定番。
    という事で及第点以下ではないものの、読んだといった感想レベル。

    黒川さんの50歳以降は更に捻りを聞かせて行っている事を思うと辛口も仕方ないかも。
    こじゃれの会話もイマイチ浅い味付けだ。
    失火色素が出来た大阪府警のすれっからしデカは完成形。

    ドラマ、映画化したら間違いなく配役の一人に綾野豪と及川光博は出てきそう。~京大卒のキャリア役に。

  •  再読。ガラケーや公衆電話が登場する。懐かしい。
     また、大阪府警の悪徳刑事やユルい刑事が数多く登場するのも黒川らしくて面白い。

     主人公は黒川氏には珍しくハードボイルド系だったが、どこかユーモラスな印象のある大阪弁では緊迫感が感じられないためか、東京出身で標準語を話す設定にしてあった。
     これが功を奏して息もつかせぬ展開をきっちり描けていたと思う。ただ、物語の収め方が物足りない気がしたのが惜しかった。

  • 映画を見ているような楽しい作品。
    伊島がまさかあんな役に転がるとは思わなかった。
    彼が私の中ではヒロインよりも可愛かった。

  • 普通に面白くてスリリングで楽しく読めるんだけど星4つではないこの感じ。著者に対する期待値が高いのでハードルが上がってる面もある。
    謎の本筋に迫るのがストーリーの5分の3くらいを過ぎてからなのでそこまでのエンジンかからない感が少し間延び。訳がわからない中で脅されたりしながらひたすらうろたえる主人公は少しかったるい。
    元ボクサーという設定も若干書き込みが足りないために安易に感じられてしまう。いじめを受けて格闘技に出会って上を目指して挫折して。。。という典型すぎるのでひねりが欲しかった。
    会話の軽妙さに重点が置かれていないのは他のシリーズとの差別化としてのハードボイルドタッチなのだろうけど、このストーリーにマッチしているかは疑問。
    釘師という設定をもう少し活かせなかったかなーー。

  • 元プロボクサーのパチンコ釘師が騒動に巻き込まれる。暴力団、警察、警察OB。タイトルはベタながらその拳を使ってしまう…という。

  •  

  • 【作品紹介】
    著者の綿密な取材で、大阪の闇の世界──警察、暴力団、遊技業界の内幕を暴く傑作クライムストーリー。
    ボクサー崩れの酒井は、恩人・津村のパチンコ店で働く釘師。ある日苦情に対応したが、以後査察や業者の取引中止が相次ぎ、何者かに身に覚えのない“物"を渡せと脅迫され、ついには津村が失踪する。大阪中のヤクザが政治家をも巻き込んで探している物とは何か。酒井は封印を破り、自らの拳をふるって立ち向かう。
    解説・酒井弘樹(主人公の名前として自分の名前を使用された編集者)
    とりわけ本書は、パチンコ業界が抱える危うい構造を作品に取り込んだ社会性、登場人物の躍動感、読後の爽やかさなどにおいて、黒川ミステリーの代表作の一つであること、間違いないだろう──解説より。

  • パチンコ業界におけるゴタゴタに巻き込まれ、社長を探して あっちいったりこっちいったり。

  • 久しぶりに一気読み。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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