煙霞 (文春文庫 く 9-9)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167447090

作品紹介・あらすじ

北新地のホステスと欧州視察旅行に出かける理事長を誘拐した美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子。私学助成金の不正受給をネタに正教員の資格を得ようとするが、二人を操る黒幕の狙いは理事長の隠し財産だった。教育現場の闇は百キロの金塊に姿を変え、悪党たちを翻弄する。元高校教師の著者が描く痛快ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • ドラマ化されてると知って買った一冊。

    高校教師が犯罪に巻き込まれる話だった。

    読み始めはあまり興味がわかない話だなと思っていたが、話が進むにつれて話に引き込まれた。

    この作品も登場人物や移動場所が多かったりしたが、登場人物はまだわかりやすかった。

    場所については大阪の地理はほとんどわからないから、細く書かれてもどうゆう場所かわからなかった。

    この作品も死人が出なかった。
    黒川さんの作品には死人がでないのが多いと感じた。

    痛快で面白い小説でした。



  • 学校ブローカーなる存在がいることをご存知でしょうか。

    少子化が進み、全入学時代に突入しました。
    私立学校も、あの手この手で生徒集めに必死です。

    私学の理事長、北新地のホステスが私学助成金の不正受給を働く。
    不正を働く理事を一掃するべく教室たちが立ち上がるが、学校ブローカーなる存在が裏社会の住人を召喚。

    不正受給金はそのまま貰えないので、一度、金の延べ棒に換金してから受け取る算段へ。

    しかし、その行手には...

    序盤はかなり緩やかで穏やかな運びだが、物語中盤から急加速。

    元教師が描く学園?ミステリでした。

  • スピード感がある展開であっという間に読めた。
    日常が非日常に転がっていく展開が面白い。

    大阪の女は強い。
    肝が座ってるから清々しい。

    会話も大阪らしくテンポがいい。

    大阪のアンダーグラウンドな所が見れてワクワクした。

  • 2020.07.25.読了
    黒川作品は本当に不思議。
    似たような設定似たような物語なのに、何故か毎回引き込まれる。
    読書の時間が待ち遠しくなる。
    今回も薄い長編ながら充分楽しめた。
    あと1冊で黒川作品を網羅してしまう。
    つまらない。早く新作が読みたい。

  • WOWOWのドラマを見てからずっと気になってた原作本。
    ドラマが出来すぎてたな。
    ドラマの方が断然面白かった。

  • 黒川さんの作品は、スピード感のある展開と登場人物達のユーモア溢れる会話が特徴。本作も十分楽しめました!記憶には残らないかも知れませんが、それはそれで、読書の楽しみ方の一つだと思います

  • 私学の教員2名が、悪徳経営者の悪事を暴くため(そしてちょっぴり自分たちの利益のために)探偵まがいのことをするお話。
    主人公の教員2名の熊谷と菜穂子が、疫病神シリーズの二宮と悠紀をほうふつとさせて面白かった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    北新地のホステスと欧州視察旅行に出かける理事長を誘拐した美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子。私学助成金の不正受給をネタに正教員の資格を得ようとするが、二人を操る黒幕の狙いは理事長の隠し財産だった。教育現場の闇は百キロの金塊に姿を変え、悪党たちを翻弄する。元高校教師の著者が描く痛快ミステリー。

  • 騙し合いの小説なのに妙に清々しい気分にさせてくれた。それはやはり主人公の2人、特に菜穂子の緊張感のなさと肝の太さがそうさせているのではと思う。主人公は2人だが、前半は熊谷、後半は菜穂子の視点を重視しているのが飽きさせなくてよかった。丹頂の最後に見せた変な器の大きさも良いラストの要因と思う。

  • 「後妻業」を読んで、黒川博行氏のテンポの良い小説の流れが好きである。
    又、大阪を中心として描かれているので、大阪人として、土地勘がすごく理解できるのと、関西弁の良さが、耳障りでない。

    今の森友学園ではないが、私学助成金も不正受給をネタに、教師の椅子を確保したい 美術行使の熊谷と、音楽教師の菜穂子が、黒幕も知らずに、理事長誘拐へと、、、事件が発展していく。

    理事長が、ホステスと欧州視察旅行に出かけるところを誘拐していくのだが、、、
    不正金のお金を、ある口座へ振り込み、そして金塊へと交換していく過程が、今現在起こった金塊事件の内容の消費税で、利ザヤを稼ぐ犯行とは違うが、興味深い。

    最後に、ホステスの嘘の言葉が、次から次へと謎解きのように、誰が黒幕なのか?と、、、、
    ホステスが手玉に取っていたのは、、、
    教師の菜穂子もホステス同様強い!
    最後の下りは、退職金として、全部で取るわけでなく、自分の未来への投資に使うためのお金だけを要求するところであろう。

    小説の最後の解説―ー辻喜代治(成安造形大学教授)が、作者黒川氏とのつながりを書かれているが、団塊世代の受験戦争が、今は大学の私学が、少子化で、生き残りを画策している時代である。
    黒川氏の交友関係だけの話でも、これから、沢山の小説が、出来るのであろう。

    次が読みたくなった。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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