- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167450045
感想・レビュー・書評
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佐藤愛子のエッセイ。
3冊目ですが、たまたま図書館の棚で見つけて。
気楽に読めて、元気が出るようなものを探していたんです。
これだ‥っ!と(笑)
ぽんぽん言う割りに人がいい作者。
かかりつけの治療師Kに、困っていると言われてつい百万円を貸し、1年たっても返って来ない‥
これが何時間でも同じ料金で、家に来て、ほぐれるまでマッサージしてくれる治療師なので、普通に計算するとそれぐらいの治療費は払ってもおかしくないほど。
でも何だか怪しげな人物で、その後も珍妙な話が続くのです~。
愛犬のタローが年老いて、今にも死にそうになって気を揉むことに。
ところが、何度も生き延びる。
泣いて見守っているほうがくたびれるほどに‥
孫に質問されて答えに困り、大きなクシャミをしてごまかしたり。
ゲームにつき合わされると疲れるので、絵本を読んで聞かせて泣かせたり。
大正12年生まれの作者が72歳の頃のエッセイです。
年齢が行くと忘れ物をしたり、転んだりは良くあること。
ところが愛子センセイの場合、これもなんとも大胆な転びかただったり、面白すぎる展開に。
何となく、これでいいのだ☆と元気が出ますよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作者が、人生 山も谷も超えて来たので、面白く描かれているのだと思う。
赤の他人へのお金の貸し借りで、催促しても取れないもどかしさは、精神的に参っているのだろうけど、、、、そこを、苛立ちだけでなく、読者に、読ますように仕向ける書き方に、こちらも、どうなるの?と、読み進んでしまう。
孫の、「どうして?」の質問攻めを、どうかわすか?
たまごっちにはまる作者も面白いが、愛犬(?)タローの忠犬の強さ(?)にも驚く!
飼い主に似て、、、図太く、動じない所が、大物である。
家族は、飼っていた動物に愛着が、あるから、、、、この本のように、作者が、思っているわけではないだろう。
きっと、亡くなったら、ワンワン泣くタイプだと、思う。
12月9日、野坂昭如氏(85)が、永眠した時に10日の新聞に佐藤愛子氏(92)が、「なんでも言える間柄だった」と、コメントしている。きっと落ち込んでいることだと思う。
「だからこうなるの」の我が老後4も書いてほしい。
表紙の毛糸玉見て、昔は、かせで、両手に巻いて、それを、このような丸く毛糸玉にして、編んだのを思い出していた。
このイラストを描いた人も、古い時代の人かな?と、想像してみながら、この本を、読み終えた。 -
図書館で。
お金に苦労されたんだろうなあ…とは思うんだけどそんなに取り返せなくて悔しいと後で地団太を踏むなら貸さない方が良いと思う。読んでいて思うけどこの方、ちょっと人との間の距離感が普通と違うなあ、と。営業畑じゃない人が自社製品を買ってもらったからと言ってディーラーに連れて行かれたり、のっていた車の行方を捜したりとか冗談じゃないなあ。買ってくれない方が楽そう。
そしてペットの介護も大変なのはわかりますが「あ、死んだ、薬がムダになる」という連想がスゴイ。色々な飼い方があるけどこの老犬の所為で北海道の別荘に行けなかった、とか素直に文章に書いちゃう辺りがスゴイ感覚だなあ。これぐらい正直…というか、こういう感性じゃないと小説なんて書けないのかもしれない、としみじみ思いました。 -
佐藤さんのエッセイにはブレがない。そこが安心して読めるところ。人間も50を過ぎるとブレなくなるのか。羨ましい。ブレないままで愛される人間になりたいと思う。
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おもしろかった!
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2010年3月3日(水)に読んだ。