沈黙者 (文春文庫 お 26-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167451059

感想・レビュー・書評

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  • はじめての折原一さん、するする読みやすかった。

    2つの話がいい具合に絡み合って、どんどん引き込まれた。

    ラストの種明かし?が一捻りふた捻りで最後の最後まで楽しめた。

    しかし…自分の名前を明かさずに裁判、懲役、出所なんて出来るのかな?もし出来たら前科なしで社会復帰?この発想がすごいと思った。

  • 真相は単純。
    素直に言えば意外性もない。
    だけれど、折原先生らしさのある目線の切り替えを楽しむことが出来ました(慣れていない人は疲れるかも?)
    折原先生の作品に慣れすぎちゃったかな……
    でも楽しめているから、ヨシ♡笑
    それにしても『冤罪者』以降あの人物はレギュラー枠なのか?(笑)

  • 沈黙者はあの人でもなく、あの人でも無かった。

  • H29.04.29 読了。

    初折原一作品。
    たまたま図書館で見かけて借りてみた。

    どんなどんでん返しかと思いきや、
    なんだこりゃ〜。。。

    うわー、すごい!という裏切りはなかった。

    長々と読んでこんなオチかーい!
    と微妙な気持ちだった。

    というか、頑張って読んだのに、
    何故かたくなに「沈黙」したのか、
    いまいち分からなかった。
    祖母の為?
    にしては無理がある。

    うーむ。

  • 比較的軽い罪で逮捕された男は、なぜ頑なに素性を隠すのか?
    同時進行していく一家惨殺事件との関連はあるのか?
    物語は事件をノンフィクション作家が取材しているといった形で進行しているので、作家自身の視点もあり、インタビュー相手の視点の場合もあり、そのときどきによって視点が変わっていく。
    折原さんの物語ということで伏線や仕掛けがあることを承知しながら読み進んだ。
    終盤まで読者を振り回す筆致力といい、展開の妙といい、物語に引き込まれていった。

    だからこそ思う。
    「これが動機?」と。
    意外な結末を期待していたが、まさかこんな残念なものだったとは。
    あまりに弱すぎる動機に到底納得できず、表向きはこの動機になっているけれど本当は別の意味が隠されているのでは?などと思ってしまった。
    より折原さんらしい物語を読みたくなる・・・そんな一冊だった。

  • 折原一「沈黙者」

    ルポルタージュ形式で書かれた部分が合間に入って混乱を誘う、折原一お得意の感じ。「冤罪者」と比べテーマがわかりやすく一貫していて、すっきりと読みやすかった。

    ミステリーだって、犯人を推理する以前にストーリーとして面白くなければならないと思うので、そういう意味では〇〇者シリーズでは今のところ一番面白かった気がします。
    まだあと1タイトル残っているので、楽しみです。

  • 叙述トリックだと分かってはいても見事に騙され、最後まで息をつく暇がなかった。しかし、現実に照らして考えると無理がある場面が幾つか見られた。読書メーターの他の方が述べているように、沈黙者が名前を頑なに拒む動機が弱すぎる。そして、姉が留置所を訪ねた際に看守なり警察なりに自分の弟だと告げれば、彼は沈黙者から開放され、長い刑期を迎えることにならず、ひいては殺しを犯すこともなかったのではないか。

  • 「沈黙してないで早く言えよ」とずっとなってしまったので楽しめてない証拠かもしれない

  • ストーリー 3.0
    キャラクター 3.0
    読みやすさ 3.3
    衝撃度 2.9
    読了感 3.0

  • 【超ネタバレ、自分用メモ】Amazonで酷評されていたから読まないで図書館に返そうかとも思ったが、すぐ読めそうなので読んでみた。。。久喜で同じ日に起こった一家惨殺事件と夫婦惨殺事件。どちらも息子が行方不明。一家は元校長老夫婦と息子夫婦、孫2人の2世帯住宅。生き残った孫の女子大生と発見者の新聞奨学生が謎解きとまでは行かないがゆるくその後を追う。もう一方の殺された夫婦は元警察とその妻。並行して進む話は、万引と軽い暴行で捕まり沈黙を貫いたために服役までする少年の話。てっきり行方不明の息子かと疑いながら読むが、これは過去の話。一家の息子夫婦の夫がかつて厳格な教師だった父に反発していた頃に起こした不祥事。海外放浪まで隠蔽工作して家族のメンツを守り、親の紹介で結婚もしたのに、久喜に過去を知る元警察が引っ越してきて、回顧録を書いていると知り、殺人に及んだ。しかし、その日のうちに殺された夫婦の息子からの逆襲で自分と両親、妻を殺されることになる。一家の息子は連れ出されてから殺されるが、初めの捜査で見つからなかったと言いつつ、その日のうちに殺されている?ちょっとわからなかった。動機がおかしい、沈黙の理由がこんなもの?という感想が多いが、こんなものでは?作者も言うとおり、衝動的なだけにかえってこんがらがり、驚くような事件の理由は他人に理解できないようなものだったりするのではないか。

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著者プロフィール

埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。編集者を経て1988年に『五つの棺』でデビュー。1995年『沈黙の教室』で日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞。叙述トリックを駆使した本格ミステリーには定評がある。『倒錯のロンド』『倒錯の死角』『倒錯の帰結』など「倒錯」シリーズのほか『叔母殺人事件』『叔父殺人事件』『模倣密室』『被告A』『黙の部屋』『冤罪者』『侵入者 自称小説家』『赤い森』『タイムカプセル』『クラスルーム』『グランドマンション』など著書多数。

「2021年 『倒錯のロンド 完成版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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