ノモンハンの夏 (文春文庫 は 8-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167483104

感想・レビュー・書評

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  • 割りと第二次世界大戦系すきなのでいけると思ってましたが、かなりしんどいです。
    ノモンハン事件の詳細を事細かに知りたい人は必読!ですが、詳しすぎてなかなか時が進んでいかない。

    前に読んだ「失敗の本質」のノモンハン特化版みたいな感じですかね。

    歴史の解釈は多岐に渡れど、とりあえず作者さんが作戦課のエリート気取りと関東軍の辻ってポンコツが暴走したせいで負けたと思ってる、ということは伝わりました。

    現代社会、というか会社において本社(大本営)と現場(関東軍)に置き換えて読んでるとなんかしっくりきました。

    何事も三現主義、ですかねw

  • 帝国陸軍はノモンハン事件をソ連軍との最初の近代戦争としての総括が出来なかった。
    そのため日本太平洋戦争でも同じ過ちを繰り返した。
    いずれの戦争も辻と服部という参謀が主導したということは2つの戦いの結果とは無関係ではないだろう!

  • 生き残った小隊長を主人公にして司馬さんが書いてたら、ノモンハンに行方歳三のような、実在はしたけどその勲は架空である英雄が生まれ、この戦場が戦記物語として語り継がれていたのだと思うと本当に書いてくれなくて良かった。

  • 唖然呆然。辻を国会議員にするような国民性だから、もうどうしようもないですわ。
    処理要綱なんて、まんま自己分析シートじゃないですか!
    みんなに読んで欲しい!
    読みやすいし!

    死んでこそ
    浮かぶ背もあれ
    ノモンハン

  • 2001.10.21~ 11.4 読了

  • 解説に記載のある通り、大変気持ちの良い文章である。自分が持つ正義感とよく似ている。ノモンハン周辺の戦闘状況を描きながら、三宅坂、新京、モスクワ、ベルリンと4元〜5元で進める手法は日本からの立場、目線で戦争を描く他の本とは一線を画していると思う。
    「失敗の本質」に挙げられる訳だ。

  • 本書で描かれるノモンハン事件とは昭和14(1939)年5月から9月にかけて、満州西北部の国境付近で、当時ソ連の実効支配化にあった外蒙(モンゴル)と日本との国境紛争の事である。日本側が国境線と考えるハルハ河を渡って、ノモンハン付近に進出した外蒙軍と満州国軍との衝突から、日ソ両軍の戦闘に拡大し、日本側は壊滅的な打撃を受けた。第一線将兵の敢闘にもかかわらず、上級司令部の指揮、指導が拙劣であったため、戦史的にも珍しい死傷率32%という完敗ぶりである。上級司令部とはここでは東京・三宅坂上の参謀本部作戦課と満州国・新京の関東軍作戦課である。この二つの司令部の温度差と行き違いに現場の兵隊が振り回されるのである。イケイケの関東軍と関東軍を本来指揮統制すべき三宅坂上が微妙に関東軍に遠慮し慮ったために優柔不断な命令しか出せず、無能な指揮官を更迭せずやりたいように放置してしまった。そしてソ連軍の軍事力を過小評価し、自分たちのそれを過大評価した結果起こる悲劇である。過去に日露戦争をなんとか勝利で終えたとき、日本人は不思議なくらいリアリズムを失ってしまった。要らざる精神主義の謳歌と強要。航空戦力や機械化戦力に大きな期待を持たず、白兵による奇襲先制を極度に重視し、積極主義の心構えを強制する。突撃戦法による先手必勝の信念を鼓吹したのである。それらの精神論は極論すれば全て兵器の性能と物量の不足をカバーするためにとくに強調されたものである。詳細→
    https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou27608.html

  • アホな指揮官も含めて史実を淡々と書いてくれればいいのに、彼らへの著者の攻撃、嘆きが随所に現れて途中で読むのが嫌になってやめた。

  • 5、6ページでもういいかって感じ。

  • 小さな国境紛争から第二次世界大戦の端緒につながるノモンハン事件を、関東軍(主に23軍)、参謀本部、ソ連、ナチスドイツの視点を交えて説明する。

    自分が読みたいのは、戦略や戦史なので、読みたい類の本では無かったかな。やたら、外モンゴルの地名が出てくるのと、カタカナ混じりの当時の手記やらが多かったので読み進めにくかった。

    また、辻政信少佐を一方的に断罪している書き方も疑問を覚えた。戦記とするには記述が乏しく、思想史てして読みには深掘りが浅くて微妙な立ち位置の本だと思う。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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