陰陽師 天鼓ノ巻 (文春文庫 ゆ 2-24)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167528249

作品紹介・あらすじ

盲目の琵琶法師、蝉丸は美しくも怖ろしい女に取り憑かれていた。空ざまに逆立つ髪、睨むよう見つめる眼-その異様なる気配を感じながらも、蝉丸は敢えて女を落とさず憑く侭にしているというのだが…。一体なぜ?女を哀れむ蝉丸が、ある夜、晴明と博雅を前に語り始めたその哀しい過去とは!?「逆髪の女」など全八篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「ゆくか」「ゆこう」「ゆこう」そういうことになった。
    このマンネリパターンは許せるのだ!

  • 「瓶博士」泰逢ってのは中国神話からなんだな。
    「器」か、悲しい・・・。人間の器ってのは壊れやすいんだなあ・・・。
    「紛い菩薩」やっぱり勝手に土地ってめちゃくちゃにしちゃダメなんだな・・・。
    「炎情観音」いや、それって男が一番悪くないか??
    「霹靂神」久々にほのぼの晴明と博雅。
    「逆髪の女」蝉丸殿にそんな過去が・・・な、なんと・・・。それでいて今も嫁に監視されてるって・・・すげえな・・・。
    「ものまね博雅」こだまでしょうか、いいえ、晴明です。
    「鏡童子」まさかのショタ博雅。冷静に考えたら十二支って怖いよな…。

  • 今回は1話目から博雅と晴明の距離感がいつもよりも近い気がする!!と思いながら読みました。
    博雅のことを誰よりも愛おしいと思っているであろう晴明と、晴明のさり気ない一言に翻弄される博雅…
    いつも通りの安定の展開が心地よい^^

  • シリーズを読み始めた当初、晴明の能力に惹かれたが、いまは博雅の雰囲気に、まさに晴明の様に惹かれてきますね。

  • いつもながらに2人の探偵のような仲良しペアが謎を解き明かしていく。蝉丸が何話かにまたがってよく登場する。蝉丸は天皇の子息だったらしい。盲目になったのは通っていた女性に恨まれたから。

    印象に残った場面
    p52
    おれにはもうひとつ生きていくのに必要なものがある、それはおまえさ、博雅

    BL?!

    p60
    言葉は心を盛るための器である。
    悲しみであれ喜びであれ、器に盛られて、初めて理解できる。

    肉体もまた同じで、〈源博雅〉を盛るための器。
    言葉にできないものに出会った時は、歌を詠む、笛を吹く。

  • 『炎情観音』の康子が不憫でしたが恨みとは言え仏像に噛み付くのは罰当たりとか思わなかったのだろうか…。
    あの穏やかな蝉丸の過去が明かされた『逆髪の女』にも衝撃を受けました。不憫に思っても離れた心は戻せない、心は渡せないけれど生命はあげられた、と遺体に語りかけるあたりで現在の蝉丸の姿が見えました。
    彼が亡くなった時にどんなことになるのだろうか。

    『霹靂神』がほのぼのとしていてほっとします。

  • 今回は蝉丸巻

    「器」
    その美しさを理解できない人はいないんだろうか。

    「炎情観音」
    時代とはいえ、23、4でそうなってしまうのは哀しいな。
    次に行ければ良いのにな。

    「霹靂神」
    屋根の上で踊りながら鼓を叩く童子と笛と琵琶の音が
    目に浮かぶよう。童子かわいいな。
    そして楽しいな。

    「逆髪の女」(さかがみのひと)
    陰陽師は男ばかり心が離れるから、読んでて「けっ」って感じがするな。

    「ものまね博雅」
    タイトルからなんだか楽しそうな感じ。
    そのまま神になったかもしれない博雅、さすがだ。

    「鏡童子」
    あらゆる神に出会いすぎているな。
    猫が出てきたからてっきり保憲かと思った。
    自分のところに来させてどうするつもりだったのだろうか。

  • 蟬丸の過去
    博雅の受難

    あたりは少し毛色が違って面白かったけど、やっぱり晴明がズバッと解決!なお話が面白いな。

    古典好きでよかった!と関係なく思う。

  • 「器」が悲しかったなあ。子どもが犠牲になるお話は辛い。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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