蒲生邸事件 (文春文庫)

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著者 : 宮部みゆき
  • 文藝春秋 (2000年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (686ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167549039

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蒲生邸事件 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 期待通り……いえいえ、期待以上に面白かった蒲生邸なのですよ!11

    タイムトラベルだって言うのはもうあらすじで見ていたのですが
    好きなのですよそう言うの!!1

    『リプレイ』や『7回死んだ男』も『リピート』も『さよならの代わりに』も!
    映画だと『ミッション8ミニッツ(Source Code)』なんかも!邦画だと有名過ぎる『時をかける少女』や『青天の霹靂』などなど。仁先生や『信長コンチェルト』もそうか!
    舞台でもそう言えば好きなのがあったのです。
    良いのですよね良いのですよね


    この、タイムトラベル物、或いはタイムリープ物で、しーなが好きな所が2つ!あるのですよ!!1見どころと言うかなんと言うか。


    1つ目は「自分が未来、或いは過去から来たと告白するシーン」

    これってもう、伝家の宝刀みたいな気持ち良さがあるのですよね。
    未来の情報を口が滑ったり、少しだけ言ってしまったり。
    全然信じて貰えなかったのに、ちょっとした予言が当たったりすると……
    からの、終盤に「実は……」の告白。
    「何となく気付いてた」とか身近な人が味方になってくれたり。
    良いシーンなのですよね……!
    この、正解をストーリーに突き付ける気持ちの良さ。

    2つ目は、やっぱり「その後」なのです
    トラベラーが元の時間に戻ってしまう時の名残惜しい感じ。
    そして戻ってからの、歴史の確認やふれあい。手紙とか。
    過去へ戻った場合は、今から、未来にまた出会えると言う期待。

    もうね、少し寂しくて少し嬉しくて懐かしくて……と言う気持ちがめちゃめちゃ良いのですよね!!1


    と言う事で、二・二六事件へとタイムトラベルしてしまう主人公。
    楽しみに読み始めたのでした

    史実の中に蒲生さんと言う名前は無かったから、恐らくフィクションな元大将の退役軍人なのでしょうが
    蒲生邸があるのは四ツ谷。
    主人公が外に出たりして赤坂見附まで歩いたりするのですけど、道路や風景や駅が浮かんできて
    何とも呻いてしまったのです

    タイムトラベルした事がなかなか信じられない主人公。
    その18歳の受験生の目から見る1936年の東京は、ドラマや映画でしか想像できないのですが
    「皆が生きて働いてる」と言う、何でもボタン一つで出来てしまう現代との違いをひしひしと感じさせてて
    主人公の家庭環境を、改めて考え直したり、自分の将来について思い直したり
    そう言うミステリ以外の部分でもちゃんと物語やテーマがあって、やっぱり宮部みゆきと言う感じなのでした

    昭和初期の人達との関係が、段々会話からも親しんで行く過程が読み取れたり
    生活の中で、段々とその時代が好きになったり。
    良いのですよね。とっても。

    しーなの好きな山場もちゃんと味わえたし
    最後のシーンも悲しいけど気持ちが暖かくなったし
    そしてミステリとしても楽しめたし、SFとしても面白かったのです。
    色んな所謂「リプレイ物」を思い出したのですよ
    こう言うSFミステリーは、やっぱり時々読みたいのですよね。

  • タイムスリップものだがミステリーとしての側面も持っている物語である。
    受験した大学はすべて不合格、駄目な奴だと自分に言い聞かせるように口にするどこにでもいそうな若者が主人公・孝史である。
    受験のために宿泊していたホテルの火災に巻き込まれ、間一髪のところを平田に助けられる孝史。
    時間移動の能力を持つ平田は自らの能力を嫌っている。
    危機に面した孝史を見捨てられなかったこと、無理をして現代に孝史を戻そうとしたこと。
    基本的に彼は善良な人だったのだろう。
    孝史がたどり着いたのは1936年2月26日の帝都。
    あの二・二六事件のあった日だ。
    平田の縁でしばらくの間住むことになった蒲生家では、同じ日に当主である憲之が命を絶っていた。
    戦争前夜ともいえる時代へ飛んだ孝史だったが、蒲生家で暮す人々は孝史の知る人たちと何ら変わらない人々だった。
    怒りや悲しみ、戸惑いやためらい、人としての感情は時代に関係なく誰にもあるものなのだから・・・。
    時間を遡り過去にたどり着いた者は歴史を変えてはならない。
    こんなルールを聞いたことがある。
    どんな場面に遭遇しても、未来に人間がそこに介入することは許されない。
    見守ることしか出来ないのだとしたら、何のための能力なのかと疑問に感じてしまうこともわかるような気がした。

    単なるミステリーやタイムスリップに終わらないところがこの物語の良さだ。
    結末に待ち受けている感動とあたたかさ。
    時を経てもつながっていく思い。
    読んでよかった・・・そんなふうに思いながら余韻を楽しめる物語だった。

  • 昭和初期にタイムスリップする、というSF小説。
    読み始めは、「ふーん」という感じでしたが、読み進めるにつれておもしろみが増していきました。

    ちょうど読み始めた頃に出産して、疲れてなかなか読み進められなかったのですが、子供が寝ている合間を利用して読みました。
    違った状況なら、一晩で一気に読んでいたかも??

  • 所在:紀三井寺館1F 請求記号:Browsing
    和医大OPAC→http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=87148

    一見SFには見えませんが(カバーが)、日本SF大賞受賞作です。

  • 思っていた以上にしっかりSFしてた。型としては少しミステリ要素を組み込んだ部分以外は平凡だけれども、その分丁寧に書かれていて好印象。

  • 2.26事件の前にタイムトリップした少年が、退役軍人の自殺をめぐる事件に巻き込まれ、その一族の人間模様を観察し、ナゾを解くという推理小説。

    一族が集まり、犯人はこの中にいる!というシーンを見た時は、ああ、コ◯ンっぽいなぁ(笑)っと思ったが、タイムトリップすることができる人物がいるお陰で、展開が読めなくなった。意外に面白かったというのが、印象。

  • タイムトラベルもの。
    浪人生が主人公で、彼の一人称で語られる物語は全体的に柔らかくすんなりと読める。
    主人公の自分本位な考え方が鼻につくところもあるけれど、実際こんな目には合ったら落ち着いて理性的に動けないものなのかもなあ。

  • 昭和史、タイムトリップ、殺人事件、人生論 などオモシロ要素が 混じりあって、スパイラルに面白い小説でした

    登場人物のうち 誰の目線で この小説に入りこむかによって、小説の読み方が変わってくる

  • 早、執筆当時と今との時間の隔たりに驚く。

    高校時代に読んだ本を、久しぶりに読み返してみました。

    海軍3部作などを読んだ今、見返すとまた違うかしら、と。

    90年代の、自分が高校生だった頃には違和感が無かったのに、今読むと、高校生がこんな言葉を思うのか?
    かと思えば湯たんぽがわからなかったりという、作品が書かれてから20年の隔たりを感じるように。

    そうか、湯たんぽは2000年代にブームが来たからわかるけど、90年代だと全然生活に湯たんぽが無かったのかななんて思い出しながら読みました。

    NHKかな、ドラマ化されていた記憶もあって、いしだ壱成さんと奥菜恵さんのイメージがちらつくこともありましたが、いしださんはともかく奥菜さんは今の姿を知ってしまっているのでなかなかふきには重ならず。

    今や、執筆当時の宮部みゆきさんの方が近い年齢になった今は、宮部さんが何をきっかけで構想を深め、この事件と平田たちの設定を結び付け、孝史を連れてきたのかしら、という事を考えながら読みました。

    火車(だいすき)と理由の間における作品。ほんとうに、複数路線の小説を、いろいろ描かれる作家さんですね。

  • 2016年6月の統一模試で四谷大塚から推奨された本(受付)

  • 時代小説のようだったのに、途中で一気にミステリーっぽくなったのには笑ったwしかし時代小説であり、ミステリーであり、主人公の成長物語であり、一冊の本にいろいろな要素が入っていて上手く織り交ぜてるなぁと思った。ふきちゃんかわいい。

  • まだ読みかけなんですが…

     どうにも主人公が好きになれません…恩知らず?本当にこの主人公頭悪い?って感じ…orz

     主人公の頭が悪いという言葉は取り消します。礼儀知らず。この主人公すっごくイライラする。軽薄、礼儀知らず、自分勝手って感じ。最後まで読めるかなぁ~

  • 大活字本
    近代史をあまり勉強していない私でも面白く読めました

    ホテル火災の時にタイムトラベラーの平田さんと昭和11年に行ってしまった孝史 昭和11年の生活や思想に戸惑うなか蒲生大将が死んでしまう 自殺なのか?殺人なのか?
    蒲生家のごたごたにまきこまれながら 平成に戻ろうとタイムトラベルをしてみるが 失敗して平田もかなりのダメージを受けてしまい なかなか帰れなくなる そんな中女中として働いている ふきという少女に心惹かれて 一緒に平成の世の中へ行かないか?と誘うが断られてしまう

    蒲生家の人々のその後の人生に よかったなぁ~と安堵しました

    ず~っと寒かった 読みながら寒かった
    昭和11年って寒かったんだろうなぁ~

  • うーん...
    宮部みゆきの短篇は幾つか読んだので、一冊は長篇をと思い、SF大賞受賞作ということもあり購入。

    まあ、SFなんでしょうね、これは。
    主人公の設定がチグハグで、読んでイライラしましたが、なんとか読み終えました。

  • 心に残った記述

    歴史の意図も知らず、流れの中で、先も見えないままただ懸命に生きる人間に。
    明日消えるかもしれない自分の命を愛せる人間に。
    明日会えなくなるかもしれない隣人と肩をたたいて笑い合う人間に。
    それがどんなに尊いことであるか知りもしないまま、普通の勇気を持って歴史のなかを泳いでいく人間に。

    過去は直したってしょうがないものだし、未来のことを心配したって駄目なんだ、その時その時、精一杯やろうってさ。

    過去を差別しないという原点

  • タイムトラベルものだけど、これといったギミックはない。SF小説としてはあまり評価しない。226事件の説明や時代背景の説明がくどい。分厚い本でも読ませてしまい、面白いかったと思わせてしまうのが宮部マジック。

  • 1936年2月26日に、突然タイムスリップしてしまったら、あなたはどうしますか? 2.26事件前夜、それも陸軍大将の邸宅に。日本SF大賞を受賞した宮部みゆきさんの作品です。とにかく面白かったです。ノンストップで読み終わりました。

  • SFで、設定は現実離れしているが、そこには人間がいて、そこに生きる人たちの思いが描かれていて、地に足が着いている感じがして、よかった。
    小説の結び方もよかった。
    時間旅行の能力を持つ者
    過去に行って誰かの命は救えてもその分違う命が失われる
    それでも過去の世界で身近になった人の命を救うことに誇りを持つもの
    無力感に苛まれ、まがい物の神と自らを表現するもの
    設定はSFだが、人の心が現れていてよかった。
    現代に帰ってきた場面。立ち並ぶビルはみんな孝史に背中を向けているように見えた。たった今相手をしてくれた自動販売機も用が済んだら顔を背けたように感じられた

  • 再読
    浪人生が二・二六事件の真っ只中の時代にタイムトリップする話。

    ファンタジーなんだけど途中ミステリーのようになってきて結局ファンタジーになっちゃう。

    主人公の孝史は浪人生なのに、歴史が苦手なようで
    二・二六事件のうすぼんやりした記憶のみで右往左往します。
    逆に、それが等身大な今の学生の代表のようでよかったのかもしれない

    この作品、児童書にもなってるみたいですがなんとなく納得しました。
    孝史と同じような目線で読むとわくわくするかもしれない。
    そして、二・二六事件とはなんぞ...と興味を持つかもしれない。

    謎はありますが、多分ミステリー的な要素よりも
    現代の若者が、この激動の時代で急に過ごすことになってそして、その中で一生懸命生きている人間と触れ合ってどう思うか、そしてその経験を覚えたまま現代に帰って過去に出会った人々を想う...そういうのを
    書きたかったのかなって感じた作品でした。

    分厚いですが、なかなかに読みやすかったです

  • 日本SF大賞受賞と聞いただけでも食指が・・・・
    そのうえ宮部みゆきさんの本だと読まずにはおれません。
    ちょっと突飛な話だけど 説得力もあり違和感ナシ。
    全登場人物が生きているし 読後も良かったです。

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蒲生邸事件 (文春文庫)の作品紹介

予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた-。大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇。

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