妊娠カレンダー (文春文庫)

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著者 : 小川洋子
  • 文藝春秋 (1994年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167557010

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妊娠カレンダー (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 人の心理はおどろおどろしいと感じた。

    3つの短編で構成されていて、私は「ドミトリイ」がよかった。

    ホラーサスペンスを思わせるラストで、胸の奥がザワザワした。

  • 読みやすいとは思うのですが、ミステリー要素を含みドキドキして読み進めて、結果が曖昧というスッキリしない内容で総合的に見るとわたしはイマイチでした。三篇ともこの後はどうなったんだろう‥と気になるものでした。2017.6.18

  • ごめんなさい。私個人が純文学系が苦手な事を把握しないまま読んでしまいました。

    感覚や感情の表現は素晴らしいと思いましたが、どれも終わり方に納得できず、星2つです。
    読み手の想像力を働かせるような終わり方でした。
    ハッキリとした結末がない。

    世の中の、純文学に詳しい人からすると、星5つかもしれません。

  • 出産を控えた姉に毒薬の染まったジャムを食べさせる妹…。妊娠をきっかけとした心理と生理のゆらぎを描く芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」。謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ドミトリイ」、小学校の給食室に魅せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇の小説。
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    「妊娠カレンダー」はいろいろ衝撃的だった。小川さんのは優しい作品しか知らなかったので特に。妹にただ悪意があるわけではなく、妊娠した姉自身やその夫にもおかしな所はあり、生活を共にする妹は姉が持っていた毒に染まっていったのではないかと思う。

  • 3編の小説集。どれも仄暗く、どれも煮え切らない。「見えないものを描くことに小説の真実がある。」(あとがきを評者が意訳)のだから、分りやすい結末など迎えようがないということなのだろうか。描かれた「見えないもの」を色濃く持つ人は、よくぞ!となり、そうでない人にとっては読んだそばから忘れてしまいそうな作品。

  • なんか読みたくなって再読。
    表題作「妊娠カレンダー」の中のグレープフルーツのエピソードもだけれど、つわりが収まってから食欲が止まらない姉に次から次へと食べ物を与えていく妹の心境、ちょっと共感。
    人体の神秘に対してと、自分を信頼しきっている姉を興がる感じ。
    同性の近親者の間柄での悪意とは言い切れないボーダーラインの感情、じっとり冷たくて、でも穢れのない美しさを感じた。
    「ドミトリィ」を前回読んだ時に蜂の巣の描写素敵、とか思って、今回ももちろんそう思ったけれど、それよりいとこかわいそうすぎる、と思った。
    前回はそんなに感じなかったけれど、「夕暮れの給食室と雨のプール」のお父さん、ヤバイ人だわ。「ドミトリィ」寮長のやるせないヤバさと同じ、もう引き返せない人たちのヤバさ。
    小川洋子さんやっぱり凄いな。

  • 3つの話の短編集
    どれも静かで、怖い…不気味って感じかな
    読み終わってなんだかひどく疲れた

    どれもあまりよくわからなかった
    表題作はなんで、姉に毒薬の染まったジャムを食べさせ続けるのか?その後生まれた子どもはどうなったのか?

    『ドミトリィ』は片足しかない先生も、会えないいとこも謎…

    『夕暮れの給食室と雨のプール』
    最初から最後までよくわからなかった
    とにかく、どの話ももやもやが残る
    私にはちょっと無理みたい

  • 妊娠カレンダー:ゆがみ、残酷さ。溜め込んで行く過程にゆがみが生まれる。
    ドミートリー:大好きな作品。先生。孤独。性。他愛のない関係。
    プールと給食室:プールは屈辱、給食室は見てはいけない食品加工。

  • 小川洋子さんの初期の小説にして、芥川賞受賞作。
    表題作プラス二つの物語の短編集。

    妊娠した実の姉の十月十日の日々を、妹が淡々と綴るというシンプルな内容なのだけど、独特なぞっとする感じは、女性にしか描けない種類かもしれない。
    ゆるやかな破壊。目に見えない“毒”の恐ろしさ。

    私は妊娠を経験してはいないけれど、実の姉がすぐ傍で妊婦の日々を過ごしていた経験があるから、この小説に出てくるお姉さんの突拍子のない要求(夜中に枇杷ゼリーがどうしても食べたいと言いだすところとか)に振り回されるところなんかは、身に覚えがあると思った。
    経験していないから完全には分からないものの、抑えきれないものがどうしようもなく溢れる瞬間があるのかも、と想像したり。
    自分のなかに、自分ではない“イキモノ”がいるということ。もちろん母性から愛おしいと思うのだろうけど、最後まで違和感があるまま出産を迎える人だって中にはいるんじゃないかと思う。
    そういう、普段口に出すのはタブーとされている側面を、小川さん特有の少し童話っぽい雰囲気で描いている。

    残りの二作(「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」)も、静謐さの中にぞっとするような雰囲気が。
    身体のことを描写しているところが静かで恐ろしいのかも。
    「ドミトリイ」に出てくる“先生”には両手と片足がなくて、それなのに難なくお茶を淹れたり生活したりしている、そういうところに美しさと怖さが共存しているように思った。

  • 赤塚図書館 日本の作家 《お》

  • タイトルが有名すぎて読んだと思い込んでいた。

    短編3つとも、いつも大切な誰かがいない。手紙が来たりとか、思い出を思い出したりとか、気配はあるのだけど、現実の生活だけが静かに続いて、そんな人いないんじゃないかという気持ちになる。いないのかもしれない。目の前にいない人は、いないのかもしれない。

  • 人間の陰の部分というか、普段はひっそりと体のどこかに潜んでいる微妙な感情を描いた作品…なのかな。
    3つの短編それぞれが、どこか不気味というか、ゾワッとするような感じのお話でした。
    「妊娠カレンダー」姉の妊娠をどこか客観的な視線で見つめる妹の話。
    意外と人はこんな感情を持て余しているのかもしれないなーと。
    ストーリー性というより、人間の裏側に触れられる作品たちでした。

  • 小川洋子さんの小説、博士の愛した…に続き2冊目のチャレンジ。短編集でしたが、どの話も好きでした。妊娠カレンダーの姉との距離感はとっても腑に落ちて、私と似てるのかなぁと思うぐらいでした。今の時期、仕事を辞めて他人との関係が希薄になっていることに不安を覚えていたのが、この家族のあり方に慰められたようなところもあった。それぞれで良いのだ、きっと。
    ドミトリーの怖さも好き。どれも少し現実離れした話でありながら、リアルな感覚で描かれていて私は好きだなぁ。

  • 表題作を含む3つの短編集。
    姉夫婦と同居している主人公。姉の妊娠発覚から出産までを日記っぽく綴る。冷めた視点で姉を観察しつつ、こっそりと悪意を姉に食べさせていく。だからと言って何かが起こるわけではないが、きっと誰しもがこの手の悪意には心当たりがあるんだと思う。

  • 20160509読了。2016年8冊目。

  • 「ドミトリイ」の静かに静かに包み込むような、微かな恐怖が波紋のように心に広がって行きます。怖さの中に、何か心地よさが感じられるような不思議な感覚。

  • 不思議なそして怖い短編集。
    普通だったら喜ばしい事が、明確な理由は無いのに不穏な事のように描かれているので、当たり前の日常がぶれて行くような気がする。

  • 芥川賞をとったらしいけど、この作品はダークな感じだった。
    とても抽象的な表現だった。

  • 不思議なことに今まで読んでなかった小川洋子さん、芥川賞であれだけ話題になったのに読んでなかった「妊娠カレンダー」初読みです。
    「妊娠カレンダー」を含む中編3編。
    はっきりいえばよくわからなかった。
    「妊娠カレンダー」はストーリーとしては面白かったが、他2編も含めて腹に落ちるというか、共鳴するところがなかったようだ。残念。
    (図書館)

  • 表題作を含む3つの短編集。
    妊娠は周囲にとっては手放しで喜ばしい出来事であったとしても、当の本人は嬉しいの一言では片付けられない部分があります。我が子を宿した喜び以上に襲ってくる体の変化に対する不安。ちょっとしたことでイライラしたり、今まで普通に口にしていた食べ物から異臭を感じたり、つわりから一切の外出が苦痛になったり…そんな変化に周囲も振り回されていきます。
    姉の妊娠をきっかけに生じる姉の変化や自身の冷静(冷徹?)な思いを妹目線で綴った表題作『妊娠カレンダー』。姉の妊娠が知ったものの喜びという感情はピンと来ないし、体を労わる言葉を掛けつつも特に中身はない…そんな毒づいた感情は私が思っている以上に現実的なのかもしれません。
    「求めているのはわたし自身じゃないのよ。わたしの中の『妊娠』が求めているの」
    「ここで一人勝手にどんどん膨らんでいる生物が、自分の赤ん坊だってことが、どうしてもうまく理解できないの。抽象的で漠然としてて、だけど絶対的で逃れられない」
    姉の鋭いセリフも印象的です。小川洋子さんのあとがきも秀逸。

    内容を全く知らずにほっこりな作品かと思っていましたが、これほどドロドロした感情が渦巻いていたとは。日常の静かな恐怖。

  • 表題作がホラーチックだと聞き、購入。とても面白かった。

    数年前に「博士の愛した数式」を読んで以来、小川洋子さんの著書を読んだことはなかったが、こんな作品もあるのかと驚いた。他の作品も是非読んでみたくなった。

    短編集であるが、どの作品も、日常生活の片隅に隠れた非日常を垣間見る、そんな作品だった。

    1.妊娠カレンダー
    外出直前に慌てて読んだため、深く読めなかったのが残念に感じられるくらい、良い作品だった。

    淡々とした筆致で、出産を控えた姉の不安定な情緒と主人公である妹の仄かな殺意(?)を描く。殺意と言えば、大袈裟で、あまり的を射ているとは思えない表現だが、語彙がないので仕方ない。

    解説には「現実味を持って出産を考えられない若者」といったようなことが書いてあったが、そうかもしれない。そうではないかもしれない。

    2.ドミトリイ
    どこか怪しげな学生寮とそこに住む寮長さんを描いた作品。

    学生寮の荒廃っぷりがなんとも哀しげで面白かった。若い男性の身体に執着する寮長さんのキャラクターも怪しげで良かった。そんな寮と寮長さんを主人公は健気に信じているのだが、一人称小説なので読者としては信じられない。これらが結びつくと、寮に関する怪しげな噂の真実味も増して、ラストはハラハラさせられた。

    3.夕暮れの給食室と雨のプール
    新生活を控えた新婚の女性と怪しい宗教勧誘(?)の親子を描く。

    大きなストーリーがないように感じられ、面白かったが、感想が書きにくい。細部を楽しむ類の小説に感じた。

    夕暮れの給食室を眺めるという筋で、全体として物寂しい雰囲気を纏っていた。給食室やプールの授業や廃工場の描写は、なんだか寂しいような哀しいような気持ちにさせてくれた。

    印象深かったが、何が良かったのか説明しにくい。

  • 妊婦なので、題名につられて手にとってみた。
    表題作を含め三編の短編で構成される。どれも平和な日常を綴っているようだけど、裏側にあるぞっとする瞬間がふわりと回転して出てくる。そのバランスが好きな作品です。

  • 妹の悪意は姉にこれからも一生気付かれることなく、姉は元気な赤ちゃんを産んでこれから慈しみ育てるのだろう。
    妹のグレープフルーツに隠された真意は、読者にしかわからない。なんだか共犯者になったみたいで、ぐつぐつ煮込まれた悪意を覗き込む話だった。
    小川洋子の表現って、冷たい無機質なガラスみたいなものだから余計に怖いのかもな。

    2015.11.15

    ちがう!破壊された姉の赤ん坊って書いてあった!ぞわってきた!!
    細部まで読まないとだめだ!!

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出産を控えた姉に毒薬の染まったジャムを食べさせる妹…。妊娠をきっかけとした心理と生理のゆらぎを描く芥川賞受賞作「妊娠カレンダー」。謎に包まれた寂しい学生寮の物語「ジミトリイ」、小学校の給食室に魅せられた男の告白「夕暮れの給食室と雨のプール」。透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇の小説。

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