- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167557010
感想・レビュー・書評
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もう30年も前の小説とは思えませんでした。
生きるということだけでなく生命そのものもくっきり描かれており大事に大事に拝読しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一文一文がとても丁寧で詩を読んでいるような不思議な感覚になりました。作者の才能なんだと思います。
後味もすっきりしないのですが、なんか満足させられた感がします。
久しぶりに文学を楽しんだ気持ちになりました。 -
「妊娠カレンダー」
「ドミトリィ」
「夕暮れの給食室と雨のプール」
の3つからなる短編集。
個人的には2番目の「ドミトリィ」が好き。
3番目の話もそうだけど、どことなく村上春樹を思わせる。
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3篇収録。
全体的にとらえどころがない。
ぼんやりした印象。
表題作が一番よかったが、もっと悪意を感じたかった。 -
怖くはないけど少し座りが悪くて、綺麗なんだけど透明ではない、みたいな短編集。ドミトリイは、そっと読みたくなる。好きです。
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病は気からというように、毒も気から、といえるかもしれない。プラシーボ効果は時にマイナスに働く。影響するかもわからぬ甘い毒を丹精込めて煮詰めて、食らわす。毎日、少しずつ、少しずつ、蓄積されていく。生まれてきた子は、きっと他と変わらぬ健康な身体を持つのだろう。なんとなく、そう思った。そして、なんとなく、残念な気持ちになってしまった。
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「わたし自身じゃないのよ。わたしの中の『妊娠』が求めてるの」。「妊娠」に浸食される姉の隣で、妹に芽生えた狂気。真綿で首を絞めるように、静かに“事件”は起こります。