恋忘れ草 (文春文庫 き 16-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 175
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167576011

作品紹介・あらすじ

新進気鋭の女流絵師・歌川芳花ことおいちは、出世作『竹林七美人図』で彫師をつとめた才次郎と恋におちる。一途に才次郎を求めるおいちだが、才次郎には女房と子供が待つ家があった…。表題作ほか、江戸の町で恋と仕事に生きた"キャリアウーマン"たちの哀歓を描いて直木賞に輝いた珠玉の連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸のキャリア女子短編集。プロットを設定するだけでもタイヘンそうだ。直木賞受賞して何より!

  • 江戸で独り立ちする女性の恋模様短編集。
    他作品の主人公の名前を出したりと少しずつ繋がっていました。
    当時は女性が独身で仕事を持って暮らすことが色々と難しかっただろうに強く立ち向かう姿と主人公が抱く淡い恋心のバランスと江戸の風情がいい感じに出ていました。

  •  江戸時代の働く女性たちを描いた短編集。手跡指南の師匠、筆耕、女浄瑠璃の役者、絵師、簪屋や料理屋の女主人……
     仕事と恋のあいだで揺れる江戸の女性たちを描き出した短編集。

     先日読んだ新撰組にまつわる短編を集めたアンソロジー、『新撰組興亡録』の中に入っていた北原さんの短編が、しっとりと情があって印象的だったので、ふらりと衝動買い。普段はあまり時代物って読みつけないんですけど、描かれる女たちの生活に焦点が絞ってあったのもあって、読みやすかったです。

     江戸のキャリアウーマンを描きたかった、とのこと。ときに恋に迷い、挫折に負けて仕事を投げ出そうとして、けれど職人としての誇りに立ち返る、そんな女性たちの姿。
     女性にとっていまよりももっと、男たちの都合に振り回されるのが常だったであろう時代に生きて、それでも職人であろうとする女たちの姿が、それぞれに力づよいです。

  •  
    ── 北原 亞以子《恋忘れ草 1993‥‥ 19951007 文春文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4167576015
     
    (20231128)

  • 第109回直木賞受賞作品。仕事と恋を両立させようとする女性の話。
    よく出来た話です。流れも良いし、それなりの情緒もある。平岩弓枝さんに近い世界です。でも何だか残らないんですよね。
    やはり主人公が若い女性のせいもあるんでしょう、どうしても私のような中年男性には感情移入しにくいところがあります。
    ”まあ、こんなもんでしょうね”そんな印象の作品でした。

  • 時代物、江戸時代の女性の恋をさらっと描いた短編集
    時代設定は共通していて登場人物の重なりもあり、連作短編っぽい部分もあります
    時代背景を丁寧に描いていてそれだけでも面白いし、登場人物たちの心理のあやも面白い
    一つ一つの作品を独立して読むと短編としてのまとまり、キレという部分で出来不出来はあると思うけど、通して読めば気持ちのいい作品でした

    ただし、すごく良い作品かと問われたら疑問なくもない
    この作者さんはプロですね、長編も読んでみたいと思いました

  • ギブアップ。短編集なのに、読みにくい。昔の言葉や名前が入りにくいのに加えて、いまいちオチもぼんやりしていて、読んでも面白くなかった。

  • 女性目線の短編集。

  • 北原亞以子の直木賞受賞作。化政期の江戸で活躍する様々な女性の人生模様を描いた短編集。

    著者曰く、江戸のキャリア・ウーマンを描いたとのこと。手に職を持ったプロフェッショナルの女性たちが、文化的爛熟を迎えつつも衰えを見せ始めた江戸幕府が落とす暗い影に腕一本で立ち向かっていく。

    どうにも気になったのは、話がどれもワン・パターンであり、基本的にはろくでもない男に主人公の女性が苦労させられる、という筋になっている。これは著者の持つ女性観、男性観にいささか偏りがあるためなのかどうなのか、化政期の江戸の男性はこういったろくでもない人間ばかりだったのか、そういう男に女性はひっかかるという話なのか、それとも自立した女性たちの姿を浮き上がらせるための修辞上の要だったのかはわからないが、それにしてもワン・パターンに過ぎるように思う。

  • 江戸時代のキャリアウーマンたちの短編集。
    登場人物がそれぞれ違えども、小さな繋がりがあるのがいい。

    恋と仕事の両立って簡単なようで難しいよねいつの時代も。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『化土記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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