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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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わたし達が進めるのは前だけよ。なぜ、こんなことになったのか。このことを胸に刻んで、生きていくしかないのだわ
― 234ページ -
俺の思う美とはね、人の気持ちをたいらかにしてくれるもんだな。眦を上げて、エルサレムに向かわせるなら、神の美じゃなくて、悪魔の美だね。
― 199ページ -
「自分に何が出来る? そう自問した時、どんな人間よりも貧しい生活を送るのは、神様が自分に科す、至極、誠実な罰じゃないかな。――俺はね、そういう神様となら、手を取り合って泣ける気がする」
乾原さんは、宙に視線をそらし、後は独り言のように、つぶやいた。
「――神っていうのは、限りなく無力で、哀れなんだろうな。だからこそ、その悲しみを知る目で、人を見つめる。――そういう目で見つめられるから、人は救いを感じられるんじゃないかな」
― 191ページ
みんなの感想・レビュー・書評
一作目に引き続き、耽美な昭和初期を舞台に、柔らかく描いている。
推理小説ではあるが、推理小説っぽくなく、大正から昭和の文化を感じるにはとても良い本だと思いました。
上品な小説です。
5
シリーズ前作「街の灯」を読んだときは、それほど面白いというわけでもなく、かといってつまらないというわけでもなく、そこそこ興味を引かれる北村作品に目を通しましたというぐらいの感想だった。しかし本作はぐいぐい物語に引き込まれる。面白い。前作も読み返したくなるし、読めば以前と異なる感想になるだろう。次作も早く読みたい。
ベッキーさんシリーズ二作目。昭和初期が舞台のミステリシリーズ短編集。とにかくこの時代の雰囲気が良い。ベッキーさんがかっこいいというイメージだったけど、主人公のお嬢様もかっこいいんだなぁ。
『昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。犬猿の仲の両家手打ちの場で起きた絵画消失の謎を解く「幻の橋」、手紙の暗号を手がかりに、失踪した友人を探す「想夫恋」、ステンドグラスの天窓から墜落した思想家の死の真相を探る「玻璃の天」の三篇を収録。』
ベッキーさんの過去が明らかになる 玻璃の天
すこしずつ戦火の足音がしのびよるが、まだ大正文化の自由な香りが残る昭和初期の雰囲気が感じられる。
上流階級の作法にしばられたお嬢さんながら、若い女性の闊達さがいい感じ。
数年前にシリーズ第一作「街の灯」を読んだ時は、円紫さんシリーズや時の三部作ほどにのめりこめるものを感じられなくて、かなり長い間手をつけずにおいてしまっていたのですが。。。 時の三部作「リセット」で、なが~い導入部に挫折しそうになりながらも読み続けて、ラストの奇跡に触れたときの感動がより深まったように、「街の灯」は、このベッキーさんシリーズの、ながいながい助走部分だったんだなぁと、すとんと腑に... 続きを読む »
・虚栄の市
・銀座八丁
・街の灯
鷺と雪の文庫が出る前から買っていたのにずっと積んでいたがシリーズ一気読み。舞台は昭和初期、お嬢様とその時代では珍しい女性運転手という組み合わせだが運転手はあくまで助言役のままで探偵は主人公のお嬢様が務めるというスタイル。和の中に入ってきた洋が程良く混ざり合ったとても美しい時代を満喫出来た。
ちょっと大人になった英子さんの推理があいかわらず冴えている。
どんどん不穏な空気が漂う、昭和初期の日本。
一体この先どういう事が待ち受けているのだろう。
タイムスリップして、その時代を味わえるので、
大変興味深い。
私はベッキーさんシリーズでは玻璃の天が一番好きだ。ベッキーさんの揺れ動く気持ちにも触れられている。ベッキーさんと英子さんも相手を最後まで追い詰めることはしない。一線を引いている。それが正義論を振りかざした感じがなく好感が持てる。
この作品の良いところは、時代描写がとてもうまい所にあると思う。
昭和初期の暗澹とした狂気が社会全体を覆っている世界。
その狂気が、ある一点に向かって人々を押し流していく。
だけど、英子もベッキーさんも流されるだけでないところがいい。
先ほど読み終えた一冊。シリーズ第一作目『街の灯』と同時に手に入れる機会があったので、続けて読むことができた。 花村家お抱え運転手、ベッキーさんこと別宮さんの素性が明らかになる一冊。 どんどん気になる展開になってくる。この分では、第三作目を手に取る日もそう遠くないように思う。 幻の橋 想夫恋 玻璃の天 の三篇からなる。 前作から思っていたが、昭和初期の学校に通うことので... 続きを読む »
女性運転手と令嬢のシリーズの第2弾。女性運転手の謎が少しずつ明かされる。令嬢の視点で話が進むので、一見、昭和のお嬢様といった穏やかな作風にも思えるけれど、世相への鋭い意見も多い。昭和初期の戦争が始まろうとする世の中で、令嬢と女性運転手がどう考えて生きようとするのか、3作目が気になる。令嬢には気になる存在の人も出てきたけど、こちらもどうなるのだろう?
作中に帝国図書館の様子とか『あしながおじさん』の話が出てきて面白かった。帝国図書館には一般閲覧室とは別に、婦人閲覧室なるものがあったとは驚きでした。
昭和初期の上流階級の令嬢とその運転手を描いた、「ベッキーさんシリーズ」第二弾。
三篇の短編からなる短編集で、この作者の作品らしく、一話一話は非常に丁寧なつくりだが、運転手のベッキーさんの過去が明らかになる三編目も含め、謎やストーリー展開に意外性が乏しく、台詞回し等も全体的にあっさりし過ぎていたのがやや残念。
とは言っても、少しずつ暗い時代の足音が迫ってくる不穏な空気の描写等はさすがであり、シリーズ最終作となる次作の「鷺と雪」に期待。
読むのに少し時間を要した。
面白いけど、頭に入ってこないのは何故。
次が直木賞受賞作。楽しみ。
2011.10.29読了。
ベッキーさんシリーズ第二作。ベッキーさんの過去がちょっと明らかに。
北村薫作品シリーズ2作目。3つのお話が載っています。
「街の灯」に登場する女学生英子さんと彼女のお付きの運転手、ベッキーさんこと別宮みつ子さんが活躍して謎解きをしていくスタイルは変わりません。 3つのお話とも彼女の周囲のお友達が何らかの事件のきっかけとなるのですが、謎解きには和歌や古典からの引用がヒントになっていて、本の主人公とはいえ教養の幅広さは羨ましい限り。
面白いのはこの時代の(昭和初期)お嬢様学校での会話につかわれる言葉。「嬉しい~」や「素敵~」と言うべきところを"うれ~"とか"すて~"とか言うように省略しています。この使い方は今なら"めっちゃ嬉しい~"でしょうか‥ギャル語は時代を超えて共通点があるようです。
本の題名になった「玻璃の天」はいよいよベッキーさんの素性に触れる筋書き‥ 。
3つのお話それぞれのタイトルのページには、それに相応しい挿し絵があり印象的です。
やっぱり好きだなぁ北村薫さんの描く女性が。上品で教養があってそれでいてい芯のしっかりした自分の意見がちゃんと言えて、茶目っ気もあって。憧れます。それに北村さんの書く文章がまた綺麗なこと!極上!
今作でベッキーさんの素性がはっきりした。やはりタダモノではなかったのですね。でもそんな悲しい過去があったとは!昭和初期が舞台なので時代がだんだん暗く戦争へと向かっていく日本。次で終わりらしいのでどのようになるのか気になる!伏線があって解決していくミステリだけどオチも洒落ててほんっとお素敵!
主人公・英子お嬢様を取り巻く環境が次第にへんかしていく。ご学友の駆け落ちやら、使用人の過去やら。新しい体験を通して、英子お嬢様の頭も心も、ますます聡明に思慮深く、情け深く成長していく姿が瑞々しく、うれしい。若月氏との出会いで、等身大の言葉で大義を疑い、自由を語る様子は実に頼もしい。 ベッキーさんの過去が判明するのも衝撃的。漢書、刑法志を諳んじるくだりはあまりに華麗で、胸のすく思い。

1年近く本棚の肥やしにしていたけれど、最終巻が文庫落ちしていたので読み始めた、
ベッキーさんシリーズ2作目。
1作目より心なしか読みやすくなった気がする。
今のテンションと合致していた...





