いっぴきの虫 (文春文庫 た 37-11)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167587116

感想・レビュー・書評

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  • 「高峰秀子」の対談&エッセイ集『いっぴきの虫』を読みました。
    「高峰秀子」の作品は3年半振りなので久し振りですね。

    -----story-------------
    「高峰秀子」の傑作人物論

    「有吉佐和子」、「松下幸之助」、「東山魁夷」、「杉村春子」、「木村伊兵衛」、「藤山寛美」、「川口松太郎」、「梅原龍三郎」―ひと筋の道を極めた各界の一流人との対話を軸に綴った傑作エッセイ集。
    二十余人の人物から不変の真理と人間味あふれる肉声を引き出した、著者の取材ぶりは圧巻。
    『人間への理解力―亡き母・高峰秀子に捧ぐ』(「斎藤明美」)を収録。
    -----------------------

    総合月刊誌『潮』に1970年(昭和45年)から1972年(昭和47年)に連載された「高峰秀子」と著名人との対談を中心に据えて、エッセイ風の文章を織り込んだ構成の作品… 端正で歯切れのよい語り口での対談と、柔らかでユーモア溢れているエッセイの組み合わせなので、愉しく読めましたね。

     ■東海林太郎
     ■趙丹
     ■有吉佐和子
     ■東山魁夷
     ■松下幸之助
     ■円地文子
     ■森繁久彌
     ■浜田庄司
     ■川口松太郎
     ■杉村春子
     ■林武
     ■團伊玖磨
     ■谷崎松子
     ■木村伊兵衛
     ■市川崑
     ■菊田一夫
     ■沢田美喜
     ■『二十四の瞳』の子役たち
     ■藤山寛美
     ■梅原龍三郎
     ■松山善三
     ■人間への理解力―亡き母・高峰秀子に捧ぐ 斉藤明美

    印象に残ったのは、「杉村春子」、「木村伊兵衛」、「市川崑」、「藤山寛美」、「松山善三」かなー それぞれの人物の魅力をうまーく引き出している印象ですね、、、

    少し距離を置いているかと思えば、懐に飛び込んだり… と、対談相手との絶妙の距離感等、コミュニケーション能力の高さは天性のものかもしれませんね。

    そして、さりげない会話の中でキラリと光る、研ぎ澄まされた刃のような鋭い人間観察眼と人物批評が印象的… 一流の人々であっても、その内面を独特の観察眼でさらけ出しているんですよね、、、

    それを巧く文章として残す能力の高さを改めて感じました… さすがですね。

  • すごい人だと感心する。
    学校はほとんど通っていない。本人曰く学はない。
    でも、一流の著名人との会話ではうまいこと聞き出してもいるし、うまく返している。
    媚びは売らない。なんだか自然なやりとり。

    でも、すごい人を目の前に知らないことだらけでギョッとしている。という場面がある。
    それホンネなんだろうね。だから、相手に対して自然なやりとりができるのかも。
    分からないって言えるからすごいのかも。

  • 281対談集

  • 2013.5.13~22 読了
    偉大な芸術家、ビジネス界の大物、相手が誰でも堂々たる対談になっており、相手もつい本音を漏らしている。怖いもの無し振りが面目躍如なのは物心ついたときからの女優稼業を自らの才能、才覚のみで成功を収め、ずっと家族を養ってきたという自信と今更失うものはないという強さ故か。しかし恩のある川口松太郎、梅原龍三郎あたりとの対談は思慕にあふれている。

  • この時代の人達は、養子縁組をして生みの親と育ての親がいたり、両親がなく一人で人生を切り開いたり・・と大変な時代を生き抜いたんだな。。

  • 1970-72年に雑誌掲載され、のちに出版されたものの復刊、ほりだしもの。女優としての仕事はほとんど知らないが、文筆家としての高峰秀子はやっぱり一目も二目もおける人で、この本は対談と随筆(回想)がふしぎにとけあった文章。
    東海林太郎や趙丹(中国の俳優)とのエピソードには人間と人生の深みを感じる。対談は、有吉佐和子、東山魁夷、松下幸之助、円地文子、森繁久彌、團伊玖磨、木村伊兵衛、市川崑、梅原龍三郎・・・どんなスゴイ人とでも臆せず率直に向き合える。そして、その人の魅力を余さず伝えて読み応えじゅうぶん。掉尾を飾る夫・松山善三との文章対談は傑作。

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著者プロフィール

高峰 秀子(たかみね・ひでこ):女優、随筆家。1924年北海道生れ。5歳のとき映画『母』で子役デビュー。以後、『二十四の瞳』『浮雲』『名もなく貧しく美しく』など300本を超える作品に出演。キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール女優主演賞ほか、受賞数は日本映画界最多。55歳で引退。名随筆家としても知られ、『わたしの渡世日記』(上・下、新潮文庫)で第24回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2010年12月28日死去。享年86歳。

「2024年 『高峰秀子 夫婦の流儀 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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