- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167590031
感想・レビュー・書評
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フランス文学者の著者が、世のなかのさまざまな事象に関心を向け、考察をおこなった本です。
内容そのものは歴史的な考証というべきなのでしょうが、日常的なあらゆる事象の背後にまなざしを注ぎ、その来歴をさぐろうとする著者のスタンスに瞠目させられることしきりです。雑多な内容があつかわれており、暇つぶしに気軽に手に取ることのできるエッセイではありますが、著者ならではのユーモアと格調が随所に感じられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段から何にフェチやエロを感じるかはっきりと意識にのぼらないのは、それらが本能に近いところにある感覚だからかもしれない。ひとが好物を夢中で食べているとき、その好物たる理由をいちいち考えないのと同じように。
でも鹿島先生は理由を追求する。実証できないが仮説として考える。ひるがえって、自分が日常において多くの現象に対して思考停止状態にあることを省みる。
ちなみに私は、日本における緊縛SMプレイは江戸期の拷問が起源だと思います。公儀による正式な取り調べのスタイルそのものが、現代でいう制服やスーツなどのフォーマルな装いにどこかで共通し、ある種のフェチズムを喚起しているのではないかと? -
【本の内容】
普段は気にしない世の中の不思議―たとえば、女性の乳房はなぜ膨らんでいて、男性はそれに愛着を感じるのか?
セーラー服はなぜ日本にだけ定着し、根強い人気を誇るのか?
こうしたエロスに関する疑問はもとより、巷に溢れる「?」に、ムッシュー・カシマは乱読をしながらユニークな仮説を立てていく。
[ 目次 ]
SMと米俵
出世牛
セミとキリギリス
ビデ
皮と革
他人のくそ
由緒正しい競争
フロイトと「見立て」
牛肉食いvs.カエル食い
売られたエッフェル塔〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
読んでて楽しい。仏文教授って感じ。
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エッセイなのか論文系のものなのか中途半端な感じがなんだか読みづらいです。「パリの焼き鳥横町」は面白い。
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高山宏先生はミックスの天才である。ここにまた一人ミックスの天才を見つけた。この本の著者、鹿島茂先生である。
「フロイトと見立て」という章がある。見立てとは、世の中に存在するあらゆるモノの中から、共通項を持つモノたちを集め、それらのミックスから新たなモノを生み出すことである。
フロイトが何を見立てたのかは、本を読んでいただくとして、ここで格言。
「見立てとは、大人と子どもを区別するものである。」
子ども時代とは世の中のあらゆるモノをインプットするべき時で、大人になればそれまでインプットしたモノたちから見立てをし、新たなモノを創造する。
よって、子どもはなにがなんでも学校で先生の話を聞き、勉強をするべきである。
大学生は高校までの詰め込みの勉強を辞め、見立てによって創造することに注力しなければならない。 -
むっちゃ面白いです。あたりまえにみんなが受けとめてることの謎を追及したエッセイ集なり。
最近、鹿島茂さんの著作にハマってます。
スタンスがすごくいい。 -
この人の適度な文学的硬さと柔軟な思考と猥雑さを茶化せるようなまじめさが超好み。
絶対謝らないフランス人怖えー。
ビデの使い方がやっぱりよく分かりません。
多分、日本人には存在意義が理解できない、のか。
女性の体を突き詰めると米俵になる??面白いっす
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ジャンル的には「書評本」か? それにしても切り口といい、書きっぷりといい、実に面白い。「フランスのホテルなどにあるビデとはいったいなにをするものなのか?」……ぼくは35年ほど前に、パリに2週間ほど滞在したことがあるけど、そのホテルにもこの「ビデ」なるものがあった。その後、取り立てて考えてみたこともなかったけれど、この本で、やっとその謎が溶けた。なるほどね。そんな日常的な話が一杯。
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知的に下世話なおもしろ本。
要約するとそういうことです。
赤門出身の鹿島教授ならではの
知的な表現や豊富な学識でもって、
亀甲縛りの源泉の追究や、
愛とおっぱいに関する社会人類学的見地
からの分析など…
まぁ、為になるんだかならないんだかわからないけど、読んでいて飽きない、「なるほどー!」と思わせてくれる本です。
書いてあることは下らないはずなのに、
学問的な匂いがぷんぷんする、
たいへんすてきな本です(^^*