- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167602093
感想・レビュー・書評
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「大人たちの勝手な所業の産物でしかない。子供の責任ではないのに、背負っていくのは子供」
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自己愛の強い登場人物ばかりで作られた胸くその悪い物語。それでも読ませてしまうのは、作者の力量なのだろう。
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名門女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。
「わたし」とユリコは日本人の母とスイス人の父の間に生まれた。母に似た凡庸な容姿の「わたし」に比べ、完璧な美少女の妹のユリコ。家族を嫌う「わたし」は受験しQ女子高に入り、そこで佐藤和恵たち級友と、一見平穏な日々を送っていた。ところが両親と共にスイスに行ったユリコが、母の自殺により「帰国子女」として学園に転校してくる。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。「わたし」は二人を激しく憎み、陥れようとする。 -
女は常に他社から評価されている視線を意識して生きている
そのことがたまらなく苦しくて苛立つのに、その意識をどうしても拭い去れないどうしようもなさと、でもそこに抗って生きたいという相反する気持ちを残酷に描いた傑作だと思った -
名門女子高校に通う女子高校生たちの悪意、嫉妬、陰謀が複雑に絡み合うピカレスク小説。主人公だけじゃなく、登場する人物全てがエグくて、思いやりとか、善行なんてことをこれっぽっちも考えない。
娼婦となるべく生まれてきた美女、ユリコと彼女を心底、憎み続ける姉のマサミの手記に記される日常は食うか食われるかのグロテスクな世界。少女たちは自らの性、知、美を駆使し、他人を踏み台にして欲望を満たそうとする。
彼女たちの努力は認めるけど、どう考えても破滅に向かっているとしか思えない。ユリコの死はすでに示されているが、それは彼女にとって、ようやくの安らぎだろう。
そんな汚れた世界は下巻に続く。 -
いや〜。
全然進まない。
入り込めない。
絶世の美女を妹に持つ姉のドロドロした嫉妬、妬み、嫉みがヘドロのよう。
でもね、悲しいけど分かっちゃうのよね。
そのドロドロした感情。
女性ならではの感情なのかな。
最初は姉ちゃんがまともな人っぽかったのに段々ヤバイ匂いがプンプンして来る。
出て来る人が全員ヤバイんだけど全員その辺にいる感じなんだよね。
と言うか全員自分の中にいるのかもしれない。 -
ブクログのタイムラインで見つけた本。
スイス人の父、日本人の母、姉妹で全然違う美貌の持ち主の妹、主人公の姉、祖父。進学先のQ学園の同級生やその父母などが主な登場人物。
人間の悪意だったり、汚れた部分を凝縮したような小説。とくに、女性の底意地悪さを強調していて、その手の話に興味ある人にはおすすめかも知れません。おっさんには近づきがたい雰囲気を感じます。下巻に続く。 -
美しすぎる妹を気持ち悪いという「わたし」
父と妹に逆らえない母を弱い人間だと表す「わたし」
勘違いブスの和恵を嘲笑う「わたし」
普段思っても口に出さないような人間の内面を描いた作品
後編も読んでみる