シリウスの道 上 (文春文庫 ふ 16-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 73
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167614034

作品紹介・あらすじ

大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。その過去が25年の月日を経た今、何者かによって察知された…。緊迫した18億円の広告コンペの内幕を主軸に展開するビジネス・ハードボイルドの決定版ここに登場。

感想・レビュー・書評

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  • 去年、近くの紀伊国屋で「テロリストのパラソル」がプッシュされていて、そのタイトルの響きに惹かれて読んでみた。
    まあまあ面白かったのだけど、息子のほうが更に気に入っちゃってて、買う本思案していた中でそのこと思い出して、少し前に出たこの本を手にした次第。
    ひとつのプロジェクトがあって、その仕事に見合ったプロが集まり、事をやり遂げる。その人集めの段階から仕事は始まっていることが精緻に描かれる。
    普段は普通の人がひとたび事にあたるとプロがプロたる所以の仕事をする。それぞれの矜持がきらりと光る。
    『優秀な人材は磁石のように優秀な人材を引きよせる』との件りがあるが、私の組織もそうありたいと思う。
    プロジェクトの成否、幼い頃の事件の顛末が如何なるのか、「テロリストのパラソル」に続いて登場の浅井の存在も謎めき、下巻に続く。。。

  • ただのビジネスハードボイルドじゃない。25年前の事件も絡んでどんどん引き込まれていく。
    さあ、早く下巻だ!

  • 何度めかの再読。やっぱり、いい。

  • ー また表通りを眺めた。この位置から周辺の光景を眺めていれば、世界には貧困や苦痛、醜悪なものなどなにも存在しないと錯覚しそうになる。目にはいる範囲からは、その種の思いを呼びおこす要素が一切合切とり除かれている。 ー

    相変わらずの藤原伊織節で面白い。
    さすが電通勤務作家だけあって、広告代理店を舞台とした作品はリアリティがあって面白い。
    すでに他界されていて、新作が読めないのが寂しい。

    ほぼ読んでしまったので、下巻で最後かと思うと悲しくなるなる…。

  • ここの所読んでいた本が、ホンワカタイプだつたので、かなり強烈な刺激!
    ビジネスマンの奮闘記なのかと思っていたのに、この過去。
    もうドキドキが止まらず。

    ちょっと恥かしくなるような台詞の応酬もあるけど、これがハードボイルドってことかな。
    軽快に話が進んでいく、アッという間に上巻終了。
    読み進めるのが楽しみです!
    美女あり、仕事やりがいあり、なんて出来すぎな気もしちゃうけどね。

  • 以前より気になっていた作家、藤原伊織。
    ただ、なんとなく手にすることがなかったが、先月の訃報を聞き、読んでみることにした次第。

    ハードボイルドという言葉の先入観が大きかったが読み始めると、会社という組織の話ということもあってか、意外に読みやすく、今まで読まなかったことが、悔やまれる。

    主人公はもちろんのこと、登場人物の描写がわかりやすく、そして魅力的。
    ただ、主人公の幼なじみが元アイドルで今は重役夫人とか、上野で似顔絵書きをしているとか、やや大層な気もしたが。。

    個人的に、東京と大阪のそれぞれの舞台になる地域に縁があるので、それだけで親近感を持ちながら読めたように思う。

    代表作のテロリストのパラソルと登場人物が重なると知り、ぜひ読んでみたい。

  • 下巻に

  • 2023年9月8日購入。

  • 開始10ページで主人公の有能さが伝わってくるの、小説がうますぎ。さすが。
    コネ入社のボンボンなはずの戸塚に見どころがありすぎるし、それに気づいてる辰村も有能~。カタログライフの契約継続はそれ自体より土下座した理由を語るところで感動してしまった。

    いきなり始まった幼少期回想の締めくくりが明子の「半沢」に繋がるの衝撃。というか単に玉の輿に乗っただけだと思ってたら明子自信が人気歌手だったんだ…旦那の入れ込みようにも納得…

    顔合わせで平野が曽我部に噛みつけたの、平野の性格ももちろんあるだろうけど元々会社やめるつもりだったしやめても食っていけるしーという背景あってこそだろうから、やはり金は人権を担保するな…という実感があった。

    「どういう成りゆきになっても、いざとなったら、私があなたを養ってあげる」には痺れた。強い女は最高。

  • ビジネス小説です。広告業界を舞台にしているため、門外漢の私には、イマイチピンとこないところが多いです。ただ、主人公を取り巻く生い立ちや人間関係は、ついついページをめくらせる強い魅力がありました。後半が楽しみです。

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著者プロフィール

1948年大阪府生まれ。東京大学仏文科卒。85年「ダックスフントのワープ」ですばる文学賞を受賞。95年「テロリストのパラソル」で江戸川乱歩賞、同作品で翌年直木賞を受賞。洗練されたハードボイルドの書き手として多くの読者を惹きつけた。2007年5月17日逝去。

「2023年 『ダナエ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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