夏化粧 (文春文庫 い 39-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167615031

感想・レビュー・書評

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  • この作者が描いた『風車祭』がとても面白く、
    こちらも興味を惹かれ手に取った一冊。
    今回も強烈なオバァが登場し、笑えるシーン満載なのだろうなぁ〜と期待していました。

    確かに出てきたオバァは強烈。
    しかし割とシリアスな内容でした。
    終わり方は予想していたのとは全く違く、切なさが残りました。
    オバァは凄まじいものを残していってしまったなぁ…。
    願いを取られた人たちは、その後どうなったのだろう。

  • 産まれた時にかけられた呪いのせいで姿が見えなくなってしまった息子を救うために、母・津奈美は毎夜陰の世界へ旅立つというファンタジー。
    人は必ず七つの願いをかけられて産まれてくるといい、その願いの強いものを津奈美は盗みに行くのだが、自分の子供を助ける為なら自分が悪者になっても良いと命をかけて戦う姿に母の強さを感じた。
    強い願いの持ち主だって母に大切な願いをかけられて産まれてきたのに、自分の子供の為とはいえ、それを盗まなければならない苦悩。それが最後の願いへの試練に繋がり本当に強い心の持ち主の願いが聞き入れられるのかもしれない。(多分、弱い心だと苦悩もせず最後も諦めそう…)
    少しコミカルな表現もあり、また少しホロリと涙する場面もあり。非常に面白かった。

  • まじないによって姿を見えなくされた息子を元に戻す為、命をかけて陰となり、人から「7つの願い」を奪う、若き母津奈美の物語。

    母の愛はこれほどまでに強いのかと思い知らされた。
    強さのあまり大切な人を傷つける結果になってしまったのは、ちょっと悲しかったけど・・・

  • 池上氏の作品はこれが初読。
    どんな作風なのかも全く知らないままに読んだのですが、期待を遥かに上回る面白さですごく得した気分です。
    荒唐無稽さとユーモアが絶妙に混ぜ合わされたファンタジーは、これまで読んだ他の作家にはないものでした。

  • 母は強し。
    突飛なファンタジー作品*

  • 積読本。
    ファンタジーとかふだんまったく読まないのに…!
    (えぇえぇ、中村氏の表紙に釣られたクチですよ)

    なんかファンタジーって苦手であまり手を出したことないんですが。

    てかもう、物語最中で「幽霊」だとか非現実過ぎるものが出てくると、それまでの文との差にゲンナリくるの!

    そのぶんこれはファンタジーって頭から決めてかかってたからよかったのかな?

    印象。
    最初…フワフワ。あーファンタジー感満載。でも読みにくくないぞ?
    中盤…お、おもしろい!でも雲行きが怪しく? 終盤…そういう展開!?最初のほのぼの感はどこへ!?

    でも後の解説である通り、ファンタジーなのに妙なリアル感を伴ってるので、苦手な私でもすいすい読めたのだと思います。

    読んでるときは分からなかったけど、こうやって読み終わって改めて見てみると、最初と最後のギャップが結構すごいよね。
    オバァの葬儀のとろなんか、面白さ満載だったのに。

    読後は少しスッキリしない感じはあったけど、でもこういう結末もありなんだなって納得できる範囲でした。

    ファンタジーでもこんな部類もあるのね。
    読まず嫌いでごめんなさい。


    @手持ち本

  • 母親の愛情は時として残酷だよ。

  • ■ 1145.
    <読破期間>
    H23/5/19~H23/5/24

  • 石垣島などを舞台とした作品です。

  • わが子を思う母はスゴい!
    犠牲を払ってまでもわが子を守りたいという思いが伝わりました。
    ファンタジーだけど、もしかしたらこうゆう不思議な事もありえるかもと思ってしまいました。
    ちょっと切ないな。

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著者プロフィール

池上永一
一九七〇年沖縄県那覇市生まれ、のち石垣島へ。九四年、早稲田大学在学中に『バガージマヌパナス』で第六回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。九七年刊の『風車祭』が直木賞候補に。二〇〇八年刊の『テンペスト』はベストセラーとなり、一一年の舞台化をはじめ、連続テレビドラマ、映画にもなった。一七年『ヒストリア』で第八回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『シャングリ・ラ』『レキオス』『ぼくのキャノン』『統ばる島』『トロイメライ』『黙示録』などがある。

「2023年 『海神の島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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