地を這う虫 (文春文庫)

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著者 : 高村薫
  • 文藝春秋 (1999年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167616014

地を這う虫 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 矜持なのか意地なのか。その姿は素直にカッコいいと思う。胸に沁みる重い一冊でした。
    あらすじ(背表紙より)
    「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余韻をご堪能ください。

  • やっちゃいました。二度買い、二度読みです。しかも二度目だと言うことに気付かないまま読了(かすかに違和感は有ったのですけどね)。恐らく6-7年ぶりだとは思うのですが。
    高村薫さんは「黄金を抱いて飛べ」で驚かされて以来、続けざまに数冊読みました。重厚で緻密、ひたすら重くしかも長い作品を書く人、そういうイメージが有ります。しかしこのような短編になると、その良さが出てきませんね。決して悪い作品では無いのですが、高村さんでなくても良い、そんな感じがします。警察組織の腐敗を描く作品が多いのですが、それも既に見慣れたテーマですしね。
    そういえば高村さんは最近方向が変わったようですね。そちらのほうを読んでみようかな。

  • 2016/11/24

    ◎愁訴の花

  • それぞれの理由で警察を辞めた男たちの、それぞれの物語四編。
    それぞれ小さな事件をきっかけに、過去に縛られた自分を見て、ひとつ何かを乗り越えていく話。

    『愁訴の花』の須永が泣かせます。こういうひとが地を這う虫だと思う。

  • 福井晴敏を読んだ後には、何故か(?)高村薫も読みたくなる・・・。
    なんとなく文体が似ていると感じるのは、自分だけだろうか?

    さて、本書……。
    特筆するほどのことは無いが、十分楽しめたかな。ただ、短編だからか、文体の高村薫らしさは、やや薄めだった。

    ★3つ、7ポイント。
    2014.07.??

  • 「地を這う虫」髙村薫◆訳あって刑事を辞め、それぞれの思いを胸に生きる4人の短編集。刑事の道を外れた哀愁が漂う。表題作がミステリとして面白いのですが、何より主人公があまりに凝り性なのが可笑しくて、髙村キャラらしからぬ可愛らしさ(?)。ただ、髙村さんの重厚感は長編の方が堪能できそう。

  • 警備保証会社の事務員、金融会社の取り立て屋、代議士のお抱え運転手。そして民間企業の守衛。
    一度は警察官となりながら、しかし生涯警察官として生きてゆくことなどできず、しかし司直の舞台から去ったとてほかの何者かの生き方もなかなかにできるものではない。
    犯罪現場から遠く離れて、世間の生々しさ、複雑さに翻弄されながらも、やがてそこに居どころを得ていく4人の元警察官たちの"その後"の物語。

    表題作の主人公のこだわりに激しく同意する。曰く「この世界で、無秩序こそは浪費と混乱と過ちと悪の始まりなのだ」!! 沢田さん、ぜひ一緒に在庫管理しましょう!

  • 独特の固執感にはまる。

  • 目次

    「愁訴の花」
    「巡り逢う人びと」
    「父が来た道」
    「地を這う虫」

  • 高村流刑事のためのセカンドキャリア集。
    短い話の中に込められた、やるせなさやら諦観やら一握の希望のようなものの情感の濃度が、流石高村さんです。

  • 20年も前の短編5編、古くない。元(最後は定年を迎えた)刑事達の出会う人生の苦さ哀しさ。表題のとおりどれも暗めだけど、哀感に透ける優しさや微かな希望がマル。

  • 尊敬すべき先輩にいただきました。短編集。
    読んでいて情景が浮かぶあたりは吉村昭さんと同じ。

    『巡り逢う人びと』の「――微笑みかける者にこそ福は来るべきだ。―――」の一文は本当に素晴らしい。

  • 刑事をしてた人の匂いは取れないんだ、人や物を見る目は性癖なのか。元刑事4人の短編集。どこか浮世離れしてる暗く重く淡々と生活する元刑事の目で見る世界。地味だけど雰囲気あって楽しめました。

  • 4話とも元刑事の話。ドキドキする様な展開もなく淡々と踏み締めるような物語だが、悲哀の中に僅かな光明が差している結末にホッとさせられる。作者の技量を感じさせる作品でした。

  • ・元刑事を主人公にした四篇。それぞれ刑事時代を捨て切れないまま市井にまみれた男たちを描いてるけど、ねえ元刑事ってそんなにいいもんかい?とも思った。

  • 高村薫『地を這う虫』。書いた順に収録したのかな、後ろに行くにつれ上手になってる。最初2編は粗筋に留まっている感あり、「父が来た道」で少しふくらみ、表題作は充実して面白い。●●ひとつ、という表現が好きですね彼女。単語を積み重ねる、悪文すれすれ癖のある話法に、私けっこう影響受けた。

  • 渋い。そしてほろ苦とかいうレベルではなく苦い。大人の哀愁。メインは起こる事件やその解決ではなく、その渋くて苦い「道程」(表題作なんてまさに文字通り笑)。
    主人公の心理的動向を見守り、たまに感情移入し、読んですっきりさっぱりはしないけどなんとなしに「よし、がんばるか。。」と思える一冊だと思いました。

  • 高村薫さんは複雑なストーリーと登場人物の多さなど覚悟して読む(そこが良い)のだけど これは短編集なのにギュッと詰まってる けどサクサク読める

  • 不思議な緊張感に包まれた作品だと思う

  • 元刑事が主人公の短編。
    刑事という職業からなのかどの主人公も男臭くてでもどこか切なくて
    そして前職で得たまわりの人間が良いやつばかり。
    面白かった。

  • いろいろあって刑事をやめた男たちの今の話。どれもちょっとどんよりした感じで、寂寥感が広がってる。謎解きではなく、その登場人物の内面や心情が中心となっているからかも。個人的には「巡り逢う人びと」がいい。

  • 高村薫の短編集。

    短編なので仕方ないけど何となく深みが足りないような気がした。
    どの話もちょっと話が単調過ぎたかなぁ。
    「巡り合う人々」が面白かった。

  • 既読だとばかり思っていたが読んでみたらまったく記憶になかった。
    最初の作品、確か合田シリーズに登場した刑事と思われるあたりは硬質な高村薫そのもという感じだったが、後半2作は人間的な心情が読みとれたり高村薫にしてはちょっと甘さがある(気がする)。

  • 「刑事」という職業を様々な理由で辞めた
    五人の男達についての五篇の物語


    高村さん唯一の短篇集です

    緻密な硬筆 と 骨太な題材
    による鈍器のようなボリュームが常な方なので
    短篇ってどうなるの?と想像がつかないまま開きましたが
    割といつもの長編そのままな読み心地でした

    とりあえず各話で事件は起こるのですが
    謎解きや犯人探しに熱が上げられる訳でもなく
    思考と行動が伴わない人間の矛盾した様だったり
    組織や社会の闇にとっぷり浸かった神経質なオッサン達の内面の揺らぎ方だったり
    あくまでも焦点はそういったものをスケッチすることに置かれているために
    ミステリとも呼び難くジャンル分けには悩む一冊

    これだけオヤジまみれなのに
    本を閉じたあと全員の顔がきっちり残る
    この登場人物の濃さに毎度惹かれます

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地を這う虫 (文春文庫)の作品紹介

「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余韻をご堪能ください。

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