豚の報い (文春文庫)

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著者 : 又吉栄喜
  • 文藝春秋 (1999年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167618018

豚の報い (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 表題と芥川賞作品と言うことに引かれ購入したのですが。。。。
    なんだか合いませんでした。
    何か入り込めない、主人公と離れてしまう感覚があるのです。著者には何か下敷きがあって、その上にこの物語が書かれているのですが、その下敷き部分が私とはズレている感じです。
    背景描写の少ない作品なのです。登場人物の年齢も性格も。小説の枕部分でサラリとその人物、背景を特徴的に示すエピソードなどが示されることが多いのですが、この小説にはそうしたものがありません。その所為なのかもしれません。

  • 食用とされるべき運命にまつろわぬ豚は
    世界のシステム・リーンカーネーションの輪から離れ
    再生を拒む亡霊として漂い続けるのだ
    亡霊は、同じくまつろわぬ意志を持つ者のにおいをかぎつけ
    これにすりよってくる
    それが不幸のしるし…いわゆる「厄」である
    しかし、そのように厄を受けることは、結果的に
    生き方を反省する契機となるもので、必ずしも悪いことではない
    懺悔するべきである
    亡霊を引き寄せる心のやましさを
    死者の世界の入り口に向かって吐き出すのである
    そうすれば一時的にせよ
    罪は許され、不幸を遠ざけることができるだろう

    「豚の報い」は、優柔不断な若者がなりゆきで預言者となり
    沖縄本島から、スナックのママたちを約束の地へとみちびく物語
    少年よ神話になれである
    これが、オウム事件の直後にもかかわらず芥川賞を獲ってしまった
    ニューエイジ・オカルトの延命策か
    当時、米兵の暴行事件があって
    沖縄問題がマスコミにクローズアップされていたのは確かだが…

  • いやあ、コングラッチュレーション。

    芥川龍之介賞の受賞おめでとう!

  • やっぱり県民としてはこの辺も押さえとかなきゃね〜、しかも勝連やら与那城やら、もろ地元じゃないの〜( ^ω^ )嬉
    と、ワクワクしたのは最初だけでした…。

    嗚呼、やっぱり私は芥川賞に向いていないんだなあ。と、最後には悲しくなってしまった。
    話が面白い面白くないじゃなくて、「この作品の何が評価されたんだろう?」と考えてしまって、物語世界に没入できてない時点でダメよねえ(T_T)

    女の業のような愚かしさが、生々しい滑稽さを持って描かれているのですが、うーん、私には合わなかったようです。残念…。またいつか再チャレンジしてみたいな〜。

  • 厄払いをする3人の女性と彼女たちを引率する青年の話、他一篇。
    重い過去をかかえながらも、からっとしている人物たちに沖縄の風土そのものを感じる。
    方言や言い回しが滲み出たさばさばとした文体も魅力。

  • 1995年下半期芥川賞受賞作。豚がスナック「月の浜」に闖入したことによって、そこで働く女たち3人は、主人公の正吉と真謝島に向うことになる。いわば厄落としのためである。池上永一なら、ここからファンタジックに物語が展開して行くのだが、又吉はあくまでもシリアスである。沖縄に独特の御嶽は、ここでも重要な役割を果たしているし、全編が沖縄の濃密な風土の中にある。ただし、その「語り」はあくまでも共通語だ。「何か馬鹿馬鹿しいけど必死に生きている」3人の女たちが哀れでもあり、そこに強烈なリアリティが浮き上がってくる。

  • 沖縄に行ったので、沖縄文学を読もうということで。沖縄の本屋さんには当然のように置いてある又吉栄喜。
    1995年芥川賞受賞作の表題作は、息が詰まるほどのぬめぬめとした女性性があらゆるものを絡め取っていく様子が描かれていて、読んでいてほんとうにきもちわるくなった。母性原理、前近代性へのオブセッションは部分的に共感できるけれども、結局のところわたしはそこには馴染みきれない。かといって近代的な、男性倫理にももちろん馴染めない。わたしの好む作家の多くは中性的な感性を持っているのかもしれない、そういう風に自分が本を読んでいるという自覚はあまりなかったのだけど、あまりにも気持ち悪くなってしまって、考えさせられた。この、生理的に受け付けないかんじ、なんなんだろう、どうしてだろう、ってことばかり考えながら読んでいた。
    ちなみに、小説に出てくる真謝島の舞台である久高島は二回行きましたが、こういうぬめぬめよりも岡本太郎の「沖縄文化論」で言及されていたような何もなさ、のほうが感じられる場所であった。寄って立つべき原理とはなにか。だれしも模索してはいるけれど。すくなくとも少し前の日本文学が見つけたぬめぬめした前近代性では、ない、わたしにとっては。

  • 95年に芥川賞を受賞した表題作ともう一遍『背中の夾竹桃』を収録。傑作だった。沖縄・久高島をモデルにした舞台で繰り広げられるコミカルな人間模様。終盤は一転して風葬をモチーフに物悲しく深遠な結末。沖縄の空気感がよく伝わってきた。

  • 沖縄の日常性を描く。
    本当にありそうな情景が描かれている。
    沖縄という文学の題材は、
    「自然」と「戦争」という矛盾した歴史が
    深く横たわっていることがある。

    その中を貫く沖縄の文化が、
    沖縄のアイデンティティを証明することになる。
    主として、「戦争」の重荷を主体として描くところに
    沖縄文学の特徴があるように思う。
    それをのりこえているかもしれない。
    沖縄の日常性は、「みどり街」の女性たちで
    作られているのかもしれない。
    ウタキ、ユタ、先祖崇拝、父親とのつながり

  • 芥川賞ということで期待して読んだけど、… 良さが全くわからなかった…。
    沖縄のディープな空気感や風景は、移住十年の私には伝わったけど、登場人物の誰にも興味や共感が持てず、話に入り込むのを拒否したくなる自分がいた。生粋のウチナーンチュの旦那も、評価はよろしくなかった。うーんごめんなさい。

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