成人病の真実 (文春文庫 こ 22-6)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167620066

感想・レビュー・書評

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  • 現在の医療のあり方を構造的な商業主義に陥っているとデータを示しながら、説明している。私たちは医師の言うことには信頼をよせてからだを預けている。
    自分の命は自分で守らなければならない。医師のすすめを頭から信頼するのではなく、公正な知識に基づき、毅然とした態度で見極めなければならないと思っている。
     高血圧の編では。
     1998年の厚生省時代の高血圧の基準値は160/95mmHg以上となって、国民全体ので1600万人にあたるという。その後、高血圧学会が2000年に、140/90に引き下げた。それまで該当しなかった人たちが2100万人も増えたことになるという。引き下げられたデータ的根拠もなければ、科学的な裏付けもない。「高齢者は血圧が高いほうが長生きでき」というデータさえあるという。

    そのほかコレステロールのこと、脳卒中、インフルエンザ、がん新薬、糖尿病、ポリープは癌にならないこととか、腫瘍マーカーに怯えることはない。とか。基準値以外は病気とする定期検診のデータまで自衛策を伝授している。

     でも、なるほどなと思えるけど、実際その場面になったら心細い自分の判断と行動を変えると、その勇気が余っているんだろうかと思い惑ってしまう。

    神だのみになるんだれうか、誰が救ってくれるんだれうか。精神的強さを感じてしまう。

  • 文庫が出ていたので買ったのですが、持っていた本
    ほぼ内容が同じでした。文庫の方がいいですよね、両方同じ内容なら(笑)
    腫瘍に対する考え方や、抗がん剤やいろいろな検査について、この見解を知っておいて良かったと思っています。
    ガンが見つかった時に、医療を受けるかどうか。生き方を考えることが出来て良かったです。

  • 高血圧や糖尿病などの成人病で薬を服用している人は多い。しかし、それは本当に必要なのか?検査によて発見されるまでは健康だったとしたら、検査方法に問題があるのではないかと疑うことも大事だ。薬を飲むことでかえって健康を害しているかもしれないことがある。医者の言う通りにする必要もない。自分自身でもっと考える必要がありそうだ。

  •  本書を読み終えて、書名が「生活習慣病の真実」ではなく「成人病の真実」となっていることがそのまま近藤氏の考え方を表明しているのだということが分かった。
     私は古い本なので新しい用語である生活習慣病ではなく以前の用語の名残で成人病が使われているのかなと思っていた。
     本書を読めばその理由が明らかになる。
     本書は、成人病(生活習慣病)に関して現在の医療で常識になっている検査や治療に対して信頼できる資料を引用しつつ真実を告発するという形式になっている。
     本書の結論は、成人病(生活習慣病)とされている病気の多くは、検査や治療を行うことで医療が関与しても、検査や治療をしなくて放置しておいても死亡率にはほとんど変わりがないということである。
     本書の特徴は、医師個人の見方や考え方やが書いた一般読者向けの本とは異なり、著者の主張や意見を裏付ける証拠となる資料を提示している点である。その分、説得力を増している。
     本書によって私も考えさせられるところがあった。

  • 著者が自分の論の根拠としている研究成果は、専門外の人間でも(と言っても自分が図書館員だからだが)知っている著名なジャーナルである。他の臨床医、研究者はその論文を読んでいないのだろうか。
    誰かが評していたが、著者の基本姿勢は、人間はゆくゆくはしすべきものであり、医学はそのことを前提とし、人々のQOLをいかに維持するか、と言ったところにあるのだろうと思う。

  • 和田秀樹氏推薦

  • 成人病は、生活習慣病と名前を変えたが、習慣だけでは病気にはならない。厚生労働省の基準が変化してきて、病人を作り出し、医療費が増える。削減させるためにあらゆる非情な医療改革をしている癖に。喜ぶのは製薬会社とそれに関係する政治家たち。ますます過酷な社会になっていきそう。

  • 高血圧の正常値と異常値の差とは。たくさんの人達が不要な降血圧剤を飲まされているという事実。

  • 「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167620022/qid=1097562010/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/249-8422554-0112350">患者よ、ガンと戦うな</a>」等の著作でガン治療の在り方に一石を投じた近藤誠医師の手による成人病検診・治療を対象とした問題提起の書。内容はかなり衝撃的。近藤医師の言説には医療現場で混乱を招くとして批判も多いようだが、本書で名前を挙げられている「権威」の皆さんには是非一般人にわかるような形で反論をお願いしたいもの。というか、反論する義務があるような気がする。

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著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。医師。「近藤誠がん研究所」所長。
73年、慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局、79~80年、アメリカへ留学。83年から、同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用問題を初めて指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職。
ミリオンセラーとなった『医者に殺されない47の心得』(アスコム)ほか、『「健康不安」に殺されるな』『「副作用死」ゼロの真実』『コロナのウソとワクチンの真実』(和田秀樹氏との共著)『新型コロナとワクチンのひみつ』(以上ビジネス社)、『最新 やってはいけない! 健診事典』(講談社)、『医者が言わないこと』(毎日新聞出版)、『どうせ死ぬなら自宅がいい』(エクスナレッジ)など著書多数。
2022年8月13日逝去。

「2023年 『医者に殺されるなー僕が最後まで闘い続けた"医療不信"の正体」(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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