- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167621018
感想・レビュー・書評
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知恵遅れ…性的虐待…。
やっぱり今のご時世だとアウトな感じの雰囲気だよな、柳美里作品て…。
時代の寵児だったんや…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
父親が、ある日突然「家を建てたから」と娘2人を新居に呼ぶ。新築の家は勝手口からしか入れず、片付いていない。自宅に戻り、再度呼び出されたその家には、全く知らない4人が我が物顔で生活していた…。
日常生活の中に突然発生し、宿主を食い荒らす腫瘍のように広がっていく狂気を描いた2作。笑いながら侵食していく表題作はなかなかの迫力がある。
問題はもう一本の『もやし』だ。まともな人が一人も出てこない中で、自分だけはまともであるかのような補正のかかった状態で、狂った人たちを眺めるというような作品。テレビショッピングを真似る女、元男性昨日がなかった男、占い師にすべてを任せる母親…。
両作品とも、狂気という意味では素晴らしいのだが、それも作者自身が常識人であるからこそ成り立つわけで、特に『もやし』の方では文章自体が乱れているとしか思えない部分もあり、ちょっと狙ったでしょう?と聞きたくなる出来である。
両方、もう少し長く描いて、狂気を恐怖に転嫁させたほうが良かったのではないかと思われるところが有る。特に『フルハウス』は、文庫300ページくらいで書こうと思えば書けたのではないか?せっかく良いテーマなのに、そこで終わるかというところがもったいなかった。
まあ、あんまり人には奨められない。
あと、帯なかったんだけど、このサムネイルの帯はいただけないな。 -
描写はすごく丁寧だし、あらすじを読んだときは面白そうだと思ったけれど生理的な不愉快さを感じた。登場人物の倫理観が全体的に終わってる。嫌いというより無理な小説。
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時間があれば。
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性的虐待を受けたのだろう娘が少女を見る視線の不気味さ。不快感を残す。
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父親は、新たな土地に家を建て、独立した二人の娘を呼び寄せた。一からすべてをやり直すつもりだったのか、新しい家には別れた母親をも含めた家族4人で住むための準備が整っていた。それでも家に寄り付かない娘たちに対し、父親のとった行動は…。
なんだかあやし~い小説だ。まず、父親があやしい。何を考えているのか分からない。語り手である長女の素美は、私からするともっとあやしい。父親に抗おうとしつつも、闇に包まれた家から離れない。表題作の他、「もやし」を収録。こちらは読むのがつらい。気持ち悪くて。
☆泉鏡花文学賞・野間文芸新人賞 -
このテンションは好き
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少女も妻も狂気に満ちている。
柳美里の自伝的要素も織り交ざり、とてもリアル。
そして、何処までが現実世界にあったことで、何処までが作者の物語なのかわからない。
私は狂気を求めているのかもしれない。