フルハウス (文春文庫 ゆ 4-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 293
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167621018

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです。
    個人的にはフルハウスの次に載っていた「もやし」のほうが好きだった。
    狂ってる具合がすごい丁度良くて、読んでいて現実と本の世界の瀬戸際を感じるというか、リアルでありえそうだなーと思ってゾクゾクしました。
    柳美里、良いです。

  • 日本人の「家」という呪いについて十分に語られた小説である。狭い国土の中、密集しながら生きている日本人はどこか「自然」を失い、隣人関係や他人への基本的行動がおかしくなってきている。まわりに物が溢れるに従い、人間と人間の接続は緩くなっているのだ。ガバガバに開いたその接着面はすぐに壊れそうで、「家」の中に引きこもるしかない家族が権力を握る。「家」を固執する者、人生の楽しみの半分を知らず。

  • 東野圭吾さんなんかもよく使いますが、

    話がややこしくなってきたときに一旦まとめる書き方や、

    たとえば、言い終わらないうちに従業員は電話を切った。

    といった些細な日常のやりとりなんかが、すごく丁寧に表現されていました。

    これもいつか勉強し直さないといけない一冊です。

  • 家を建てることを望んでいた父が、本当に家を建ててしまった。
    娘や妻は寄り付かず、その替わりにその家に住んだのはホームレス・・。そういえば「家族シネマ」でも際どい家族関係が描かれていた。なんとも痛い。

  • 2010.05.08

  • 『笑いと恐怖は同じ狂気の裏表でしかない。怖がってる目の、どこかが笑っている。もしくは笑ってる目のどこかで恐怖におびえている。』(p.189)

  • 「家を建てる」が口癖だった父は、理想の家族を夢みて、本当に家を建ててしまう。しかし、娘たちも、十六年前に家を出た妻もその家には寄りつかなかった。そこで、父はホームレスの一家を家に招き、一緒に暮らし始めるのだが…。第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞受賞の表題作のほか、不倫の顛末を通して家族の不在をコミカルに描いた「もやし」を収録。

  • 読みやすいけど、怖いのと気持ち悪いのとで、私には無理っぽい。主人公が悪い方悪い方へ引き寄せられていくじわーっと暗く湿った生々しい感じが。しんどい時に読んだら余計しんどくなる本。ある意味ホラー。同収録「もやし」もほぼ同じ感想。

  • こわい話だった
    登場人物全員おっかないが、とりわけ女の人がぞっとするほど怖い

    肉のにおいというか、血のドロドロというか・・
    全員ちょっと病んでるかんじ

  • 16年前に母に逃げられた父は家族の象徴としての家を建てた。
    が、その家に住むことを娘達は敬遠する。
    しばらくして父親からのSOSで家に行くと、ホームレスだった知らない家族が家を牛耳っていた。

    何をいいたいのか?家族についてか?

    なんだかしんどくて、収録されている「もやし」も途中で投げ出してしまった。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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