自殺 (文春文庫)

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著者 : 柳美里
  • 文藝春秋 (1999年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167621025

自殺 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • いい印象のなかった柳美里が自殺について語ったり対話している本。なぜいい印象がなかったかは読んでいてわかった。この本を読む限りではある意味では、人として普通の感覚を持っている気もする。自殺について、その魅惑性やある種の必然を肯定した上で、冷静に書くというのは、やはりイカてれいるというか狂っているような気もするが狂人にこの言葉は紡げないし、思索もできないだろう。ひとりの人としてのメッセージとしては考えさせられることの多い内容だったように思う。

  • 原一男さんの解説まで是非読んで下さい。

  • 死について考えることは悪いことなのか。なぜ生きるか、なぜ死ぬか。それを語り合うことが出来ない時代に生まれたことが辛い。

    死に時を逃してしまったから死ねないし、生き直すほどの気力もない。幸せの絶頂で死にたいけれど、もう平凡な人生しか歩めない。

    尊厳を守っていられるあいだに死にたかった。


    以下引用

    彼の死を知って、「人生の最も美しい贈り物は、好きなときにそこから抜け出させてくれる自由だ」といったそうです。(p22)

    ひとが自殺をする理由は人が生きる理由ほどあるんです。けれどひとが死を選ぶ本質的な理由は、自己の尊厳を守るという強い動機に支えられている、といえます。自殺は尊厳死であるといってもいいと思います。ひとは、自己を脅かしつづける屈辱を葬り、自己の尊厳を守る権利があるということをおぼえておくべきだと思います。(p25)

    つまり、自殺は必ずしもネガティヴな行為ではなく、積極的に自己を表現するための行為だともいえるということを考えていただきたいのです。(p26)

    夭折を美しいものとするセンチメンタリズムはよそう。死ぬことは何としてもぶざまだ。首をくくってのびきった身体、そしてその一部一部分、あるいは吐しゃ物。これが美しいと言えるか。問題は生きることがぼくにとってそれ以上ぶざまだということだ。(p43)

    日常というものは、ある種の人間にとっては凶器のように自分を脅迫するものなんですね。狂うことができれば、その日常からはるかかなたに逃れることができ、日常そのものとの関係を断ち切ることが可能なのだけれども、狂えない者はどうすればいいのかなと、私は思います。どうやってその攻撃に耐えればいいのでしょうか?(p54)

    自己規定とは他者の視線、つまり自分は他者からどう見られているのか、どのように期待されているのかという自意識から生まれます。この自己規定の閉塞状況から自由になれないことが異常な数の自殺者を出している原因とも言えます。(p180)

    死の解釈は気分としての死の美学に流されるよりも、はるかに重要な精神的支柱と成り得るものです。それさえ持つことができれば、自殺を批判的に捉えられもするし、死の誘惑に負けそうになったとしても、その原因と動機が自分の死の解釈に合致するものかどうかを検証してみるという冷静さを保てるかもしれません。死とは何かを考えることが、じつは死の抑止にもなるのです。(p185)

  • また読み返したい。死ぬことについて考え直したい。

  • 3年か4年ぶりに再読。当時ほどの衝動は残念ながらもうないけど共感できる点もまだ残っていてほっとした。それにしてもこんな風に死を語っていた人が今では子供を生んで家庭を築いているのが何だか不思議。20代のうちに死にたいという願望は私にもある。多分無理だけど。「生きていたことがなかった人に死ぬことはできないと思う」と彼女は言う。なら死んだように生きてきた私には思いを遂げるのはやはり難しいのかもしれない。「あそこのラーメン屋にはまだ行ったことがないだろ」という言葉に救われる気持ちは痛いほどよくわかるよ。

  • #kindle

  • 共感するところもあるが、到底受け入れられない部分も多い

  • 前半ちらほら見受けられた自殺を神聖化する感じには違和感を受けたものの、最後まで読み進めてみると「なるほど」と思うこともしばしば。「生きたいというのと死にたいというのはまったくイコール」という一節には目からウロコでした。

  • 前半は何か宗教っぽいっていうか、視野狭窄というわけでないけど、ひとつの価値観を盲信しているような気持ち悪さがあった。でも後半(おそらく文庫版の大幅加筆部分)は、一般論かと思えばそうではない。しっかりとした社会的背景を取り入れた作者の信条の変化が感じられた。

  • 人生観がかわった。
    何度も読みたい本。
    全てを飲み込むわけではないけれど、
    こういう選択肢もおかしくはないかもしれない。

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