- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167622022
感想・レビュー・書評
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テレビ番組や芸能人を見て感じるモヤモヤを 非常に論理的に斬ってくれるナンシー関。思っていはいたけれど誰に言うでもなく一人イライラしたことを代弁してくれる心地よさがある。「まさにそう!」とスッキリする。10年ほど前の本なので内容もそれなりに古いが、当時の番組を思い出して「そうだった」と懐かしんだり、あいかわらずあの芸能人は同じ微妙さで変わらないなぁと再確認することができて、最近あまりおもしろいと感じなくなったテレビも また見てみようかなと思わせてくれる。あいつもこいつも、あの番組もこのドラマも、ナンシー関氏が健在だったら またバッサリ斬ってくれただろうになぁと切なくも感じる。
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ナンシー関氏が亡くなって、もう6年半も経つのだなあと思うと、その後、ナンシー氏に代わる人が出ていないことに気付いて愕然とする。
消しゴム彫刻作家という肩書きも持つが、この人のテレビ批評が一番面白くて、そのために週刊文春を読んでいたといってもいいくらいだ。とはいえ、テレビ視聴時間がきわめて短く、なおかつ芸能系人材に疎い私にとっては半分以上は見たこともない番組だったのだが、それでも尚且つ面白く読めたという点が他の番組評との格の違いを表していたように思う。
個人的には個々の番組評よりも、国民中が一致団結して日の丸を振り続けたワールドカップ期間への畏怖とも嫌悪ともつかない如何とも言いがたい心情への共感が一番強かった。
今振り返ると、まさにナンシー氏が畏れたその日韓ワールドカップ期間に自身がこの世を去られたわけで、自国開催に沸きに沸くこの世に嫌気がさしたとか、いやいやそんなことはないだろうとか、ちょっといろいろ考えさせられてしまう。
暇な時に(1)から(6)まで、文春文庫版で手に取ると時間が経つのを忘れてしまう。ナンシー氏の時は止まり、テレビ番組はその間も延々と幾多の番組を生み出し消費し続けているわけだが、全然進歩も反省も洗練もされていないところがなんとも。 -
ブックオフで探しまくり
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「もっと素敵になりたがる片岡鶴太郎に鼻白む」が特に面白かった。納得。
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文章の書き方はこの人の影響を受けてる気がしなくもない