無敵のハンディキャップ―障害者が「プロレスラー」になった日 (文春文庫)

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著者 : 北島行徳
  • 文藝春秋 (1999年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167628017

無敵のハンディキャップ―障害者が「プロレスラー」になった日 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  障害者の美談なんてうんざりだ、と思ったら本書を手に取ってほしい。かくいう私がそうだったのであり、以下に書くのも、書評ではなく私の読書体験の過程をそのまま書いたものである。

     美談にうんざりしている方のなかには、「障害者を見せ物にすること」に抵抗を覚えるという方が多いと思う。ところが本書で描かれる人びとは、障害者が自ら「見せ物」となってプロレスをする。けしからん。まずはそんな不満を抱えながら読んでみてほしい。

     読み進めると、彼らをあえて「見せ物」にしようとした筆者の思いや、自ら進んでリングに上がる障害者の姿は、それまでの「見せ物」とはまったく異なることが分かってくる。障害者プロレスを見た人は、見てはいけないものを見てしまったという拒絶感と同時に、障害者の彼らが爆発させるエネルギーに興奮を覚え、打ちのめされる。

     それまで健常者の世界(ここにはボランティアも含まれるのだ!)から一方的に「清く正しく、懸命に生きる障害者」として語られてきた障害者が、自らプロレスという表現手段を手にしたとき、彼らはそのエネルギーを爆発させる。そこには、障害者と健常者のあいだにある、どうしようもない社会的な壁に対する恨みが込められている。それに気がついてしまった健常者は、障害者プロレスに「後味の悪い面白さ」を覚えるのだ。

     もちろんそれに気がつかない人もいる。そういう人は、障害者が闘う姿を見ても「障害者でも頑張れば出来るんだ」というありきたりなメッセージを読み取ることしかできない。けれど、障害者の美談なんてうんざりだ、と思うことのできる人ならば、本書を読んで膝を打つと思う。これこそが、わたしの知りたかった清濁併せ持つ障害者の姿だ、と。

  • お、おもい…。
    軽く書いてあるが、重い。

  • 脳性麻痺障害者によるプロレス興行と聞いて、大変失礼ながら最初に思い浮かんだのは問題映画「フリークス」でした。(本書の解説でも、香山リカさんが同映画の事には触れていましたが…)。見た人が感じるであろう違和感には、著者自身は「後味の悪い面白さ」という表現を使っていますが、通常のボランティア...活動を超えた、本気のぶつかりあいには驚くばかり。

  • これを読んで希望を持った。自分の狭い価値観の中でしか幸せか不幸か決められないでいた。幸せかどうかなんて結局相対的なものにすぎなかったのだ。歩けることを夢見続けている人もいる。ただ自由に話せることを夢見ている人もいる。私は?私は何を夢見ているんだ?その可能性の中で何を生かせているんだろう?この人たちと一緒に生きたいと思った。居場所がほしい。ただそれだけだと思う。心の居場所が。そして、誰かを助けることじゃなく、一緒に生きたいと思った。彼らに学ぶところはきっとたくさんある。中島らもさん推薦の本。

  • 第20回講談社ノンフィクション賞。
    障害者によるプロレスの興行を行なう「ドッグレッグス」についてのノンフィクション。
    従来の障害者ボランティア団体の存在意義に疑問を抱いた作者は、障害者プロレスを主催する。中心レスラー、慎太郎と浪貝をはじめ、個性豊かな障害者レスラーが登場。プロレス興行を通して、障害者の結婚や就職などについて、障害者自身が考え行動する様を描いている。

  • 「障害者がプロレス」。普通ではちょっと考えにくい、この組み合わせ。
    しかも「障害者VS障害者」だけでなく、「障害者VS健常者」のマッチ(しかも本気でやりあってる)までしてしまう、過激なプロレス団体「ドッグレッグス」の創設者、北島行徳が書いたノンフィクション。

    一歩間違えればかなりアブナイ(安全上という意味でも)、この企画を実現させてしまったその勇気にまず感心した。

    鼻つまみ者、酒乱、女装マニア等々、様々な障害者達が自己表現の場としてプロレス興業を行う。そ
    の姿の滑稽さ、グロテスクさ、哀しさ、そしてなんといってもひたむきさが読者の心をとらえる。

    世間一般が障害者に接する態度に疑問を感じ、彼らに対して正直にそして不器用に向き合う北島氏。ドッグレッグスに関わることによって自らのトラウマが少しづつ癒されていく姿にも感動してしまった。

    楽しく読めて、何か考えさせてくれる、心に残る良い本だと思う。

  •  副題は“障害者が「プロレスラー」になった日”。表紙に掲載されている写真を見るとわかるが本物である。正真正銘の障害者の面々だ。小ぶりの写真に何とも言えぬ笑顔の数々が眩しい。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/19991001/p1" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/19991001/p1</a>

  • \105

  • この作品は「Don't think ! just feel ! 」です!健常だとか障害だとか、そんな言葉の意味が、ど〜でもよくなる一品!バリアフリーって何だ?自分に何が出来る?とか難しく考えている暇すら与えてくれない!まさに「無敵」!

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