龍宮 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167631048

感想・レビュー・書評

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  • エロティックで幻想的な大人のための神話。お伽噺。

    川上弘美の魅力が全開。

    不思議な話なのに、違和感がない。
    現実と非現実の境目が曖昧になる。

    哀しみと暖かさ、愛しさと厭わしさ、
    相反する感情を内包した小説。

    年齢を重ねるごとに読まなくなる作家さんも多い中で
    川上弘美の作品は、どんどん好きになる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「相反する感情を内包した小説。」
      川上弘美って、ドロっとしていたり、夢の中みたいだったり、ほんのり温かだったりして、掴みどころが無いように思...
      「相反する感情を内包した小説。」
      川上弘美って、ドロっとしていたり、夢の中みたいだったり、ほんのり温かだったりして、掴みどころが無いように思えるのが好きと言うか魅力的です。。。
      つまり何か良く判らないけど惹かれるんです、、、スミマセン莫迦で。。。
      2013/03/19
  • 何度も何度も読み返している愛読書。

  • 川上弘美は、こういう幻想的というよりはいっそ不条理な短編がいちばん面白いなと個人的に思います。

    「北斎」「龍宮」「狐塚」「荒神」「鼬鼠」「轟」「島崎」「海馬」

  • どのような考察や分析を並べてみても、
    ただの戯れ言にしかならないでしょう。

    心して読むように。

  • 男と女でいることが億劫に感じられました。ああ生きているって疲れる。男がいるからなんだか嫌だ。女であるのが悲しいけどそうあるべきだ。
    睦み合うことのしんどさ、みたいなものを感じました。

  • 海や水にまつわる官能的なものがたり。蛸の男が好き。

  • 得体の知れないことが不確定のままゆるゆると起こり変化し続ける。理屈とかこねないで夢の中なんだからあるがままに受け入れちゃえば?みたいな話。言葉だけでその体感が出来るのが川上さんの文章のすごいところ。ときどき眠るみたいに読むと落ち着く。轟という話がお気に入り

  • これはとても好きだ。
    装丁はもっとすっきりしていて良いと思う。
    けして怪異譚ではない。
    幻想譚なのだが、妙にリアリティを帯びたストーリィでもあると思う。
    空気感の描き出し方が絶妙で、流れるおかしみだったり、切なさだったり、
    何年か後に、昔不思議な話を読んだな、あれはなんだったけな、と
    民話や昔話のように思い出せる短篇集だと思う。

  • 浦島太郎の話に強引につなげると、北斎と海馬が海と陸の入れ替わりで、玉手箱(時の流れ)が龍宮、轟、島崎。浦島太郎が精神病と仮定すればうろごろも。浦島太郎がホラ吹き(二面性)だとすれば荒神。浦島太郎が化かされたとすれば、狐塚。などと空想を楽しみました。

  • 川上弘美の傑作である。

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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