朱鷺の遺言 (文春文庫 こ 23-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167637026

作品紹介・あらすじ

ニッポニア・ニッポン。日本国を象徴する学名をもつ、哀しいまでに美しい鳥、トキ。かつては日本全土に生息したが、2003年に最後の一羽が死亡、純日本種は絶滅した。トキの保護に立ち上がった人人の軌跡を追った本書は、人間と自然の相克を問い、いのちをいとおしむ心の大切さを説いた不朽の名作である。第30回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2018/11/20 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-999.html

    2018/9/26 NHKTVで、朱鷺が田んぼで餌を食べたり、木にたくさん止まっている様子を見ました。感動です!
    2014/05/06 追記
    うれしいニュース 自然界で育ったトキに2世が初めて誕生

    2014/4/30 記
    小林 照幸の 「死の貝」を読んで、他の本も読みたくなりました。
    野鳥が好きなので、「朱鷺の遺言」を手に取りました。

     出だしは、のどかな佐渡の風景。地元の人も見かけることが少ないというトキ。
     佐藤春雄氏は毎朝、観察を続けその生態を調べる真摯な高校の先生。
     登場人物の心あたたまる会話に、トキの美しさが重なります。

    最初の当たりを読んでから、すこしづつ読み進めたので、読み終わるまでずいぶん時間がかかりました。
    それにしても すごく感動する内容の本です。
    絶滅に向かう朱鷺を何とかしようとする地元の高野、佐藤、宇治さんの生き様には頭がさがりました。
    暖かく見守る家族のエピソードにも、著者の温かい視線が感じられます。

  • 朱鷺を守ろうとする人々の情熱がすごい。国があまりに分からず屋で苛立った。朱鷺の命を守るため、朱鷺との友情を裏切る悲しいエピソードが心に残った。

  • とても感動して、後半はウルウルした。特に、木に止まるキンちゃんの写真を見た時は、奇跡を感じた。
    1.佐藤さん高野さん宇治さんの感動秘話があったこと
    2.朱鷺絶滅の詳細な話を知らなかったこと
    3.作者の詳細な調査と取材そして、引き込まれていく文章

    この本を読む機会があったことに感謝したい。

  • 【史上最年少で大宅賞を受けた俊英の傑作】哀しいまでに美しい鳥、トキ。絶滅の危機に瀕した〈ニッポニア・ニッポン〉を慈しみ、守り続け、ついに大空へ甦らせた男たちの軌跡。

  • [艶やかなるその遺志]かつては空に羽ばたく様子が多く見られた朱鷺(トキ)。昭和前期、その名前だけは耳にしたことがあった佐藤春雄は、ある日実物を見かけ、その美しさに惚れ込み、仕事の傍ら日々の観察を欠かさないようになる。朱鷺の生活環境が年々進む開発で厳しさを増すことを憂いた佐藤は、独力ながらもその保護のために活動を続けるのだが、時代の流れと重なり、その活動は思いがけない展開を見せることに......。朱鷺と人間の知られざる交流を描いた作品です。著者は、本書で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した小林照幸。


    とにかく美しい一冊でした。佐藤氏を始めとして献身的な朱鷺の保護活動に勤しむ方々の姿勢は、本当に真っすぐすぎるほど真っすぐで読んでいてその思いに何度か目頭が熱くなりました。佐渡を中心として本当に物語と見まがうかのごとき展開に驚きを覚えたこともしばしば。朱鷺にまつわる書籍を初めて読みましたが、その最初の1冊が本書で良かったと思います。


    本書の魅力の一つとなっているのは、朱鷺を入口として環境問題や都市開発、さらには生命倫理の問題までをも射程に入れているところではないでしょうか。そのそれぞれに対立する意見や動きが見られることもあり、決して綺麗ごと一辺倒では済まない保護の現場を垣間見させてもらいました。なお、本書を読むと無性に佐渡に行きたくなりますので、その点は(良い意味で)ご留意を。

    〜私は、トキを鳥という視点ではなく、ひとつの生命と思っています。〜

    文庫版は近年の情勢をめぐるあとがきも追補されていますのでオススメ☆5つ

  •  ノンフィクション 久しぶりに読みました。読みごたえもあり
    良かったです。

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著者プロフィール

昭和43(1968)年、長野市生まれ。ノンフィクション作家。明治薬科大学在学中の平成4(1992)年、『毒蛇』(TBSブリタニカ・文春文庫)で第1回開高健賞奨励賞を受賞。平成11(1999)年、『朱鷺の遺言』(中央公論社・中公文庫)で、第30回大宅壮一ノン

「2010年 『ひめゆり 沖縄からのメッセージ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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