- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167640040
感想・レビュー・書評
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2022年5月15日
初期の作品なのかな。
男まさりの知佐が騙し討ちのように江戸の祝言にやって来て、故郷に帰るすべもなく、居残りするほかない。
そこでうまれる情。
大女の大滝。容姿に似合わない女らしさ。
幸せを掴むのに臆病な人たち。
今現在も通じる心の機微。
その世界で幸せ者が増えて嬉しい。
武家ものの2篇は読みづらくて最後までは
読んでいない。
参考文献も書いてあり、解説にあった通り,実験的な作品なのだろう。
かたくて、説明的で。
町民と武士の違いなのか、町民の話の方が好き。
2023年9月9日
再読
梅匂う、大女の大滝
余寒の雪 男まさりの知沙
で既視感。
やはり読んでいたのね。
やはり面白い。 -
宇江佐真理さんの著作を読むたびに、気持ちがほっとします。
哀しく泣ける話もあるけれど、殆どの作品で優しい読後の気分が味わえます。
違う作家の重い作品を読んだ後の宇江佐さんには、気持ちを楽にして貰えます。 -
江戸時代、町人・武士・様々な環境の人が精いっぱい誠実に生きていくさまが描かれて 好感が持てる作品が多いです。
藩の現状と行く末に苦労する家老や 大奥の老女にまで上り詰めたのち商家の後妻となった女性の生き方など、内容もバラエティに富んだ短編集。
本棚に埋もれていたの見つけて、旅行の行き返りに 読みました。
2017/1/15 読み始める。1/26 読み終わる。
余寒の雪 (文春文庫)
内容と著者は → [more]
内容 :
修行を積み、男髷を結い、女剣士として身を立てることを夢見る知佐。
行く末を心配した両親が強引に子持ちの町方役人と祝言を挙げさせようとするが―。
幼子とのぎこちない交流を通じ次第に大人の女へと成長する主人公を描いた表題作
他、市井の人びとの姿を細やかに写し取る六篇。
中山義秀文学賞受賞の傑作時代小説集。
著者 : 宇江佐 真理
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週刊小説1997年10月31日号:紫陽花、1998年3月20日号:出奔、8月7日号:あさきゆめみし、1999年1月8日号:藤尾の局、6月25日号:蝦夷松前藩異聞、12月10・24日号:梅匂う、2000年5月12日号:余寒の月、の7つの短編を2000年9月に実業之日本社から刊行。2003年9月文春文庫化。再読ですが、余寒の月と藤尾の局は、特に良く、好みです。再読には、自分やまわりの変化を気づかせてくれる面白さがあります。
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出張帰りの飛行機と新幹線の中で、申し訳ないけれど、疲労困憊/時差ぼけの頭で読みました。それでも読みきれる読みやすい作品です。
多くの作品は女性を主人公に据えたしっとりした雰囲気の時代小説ですが、その中で「蝦夷松前藩異聞」は著者には珍しい歴史小説です。なかなかしっかりした構成で、重厚な雰囲気に出来上がっています。こんな小説も書くのだと驚かされました。
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表題「余寒の雪」がことの外良かった。仙台育ち、男勝りで女剣士。彼女は一人の「侍」として人生を全うしたいと思っていた。が、まわりは放っておかない。年頃になれば縁談が舞い込む。その度にのらりくらりと躱してきたが、今回ばかりはちょっと趣きが違った。叔父夫妻に誘われ江戸まで行ってみましょう。から始まったのだから。まさか江戸で祝言が待っているともつゆ知らず、訪れてみたら、は!うそ!子持ち侍の後添い??さて、そこからどうなるか。少々軽く書いてはいるけれど、ラストシーンの情景、心情全てとても美しい。宇江佐さん、完璧。
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松前藩の話が興味深かった。やや実録調。
「余寒の雪」がいい。2000年の作品。
たぶんこれが作家としての起点。 -
全て良いけれと`特に好きなのは、「出奔」 「余寒の雪」。