壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)

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著者 : 浅田次郎
  • 文藝春秋 (2002年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (454ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167646035

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壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)の感想・レビュー・書評

  • 上巻はさほど涙は出なかったが下巻に入ってからは涙なくては読めなかった。
    半分を越えたあたりからは泣きすぎて全然ページをめくれない。
    涙腺の緩めな私は小説を読んで泣く事が多い。
    しかし今回は涙腺が緩いとかそんなレベルではない。
    電車の中で涙が出ちゃうけど誤魔化しながら読むとか。
    それすらも無理。
    しゃくり上げてしまうほどに大泣きしちゃうから自宅以外では読む事が出来なかった。
    嘉一郎の本音のくだりは今思い出しても泣ける。

    そして圧巻はラスト数ページに及ぶ漢文の手紙。
    漢文が苦手な方も必ず読んで欲しい。

    心に残る素晴らしい作品がまた増えました。

  • 下巻はずーーと涙。周囲をはばからず、電車の中で涙流しながら読んでいました。良い本だった。
    なんで泣けるんだろう?切ないというか、ひたむきさ,まっすぐさに心打たれるというか、誰もが一生懸命に生きている、自己のためではなく、家族のため、友のために、義のために。そして周囲もそのように生きてきた人をちゃんと見ていて、思い出してくれて。
    吉村貫一郎を嫌っていた斉藤一が、実は唯一分かち合えたのがその吉村だったり。あらゆることを考えて、敢えて辛いことを言わなければならなかった大野次郎衛門。吉村嘉一郎と大野千秋のやり取りにみつの存在。すべてをずっと見てきた佐助。もうそれぞれの語りが涙・涙。
    嘉一郎の話が一番泣けたかなあ。親のことを思い、妹・弟のことを思い、友のことを思い、藩のことを思い、ただ義のために。貫一郎の生き写しのように。

    子供のいる男親がこの本を読むと感じ方が格別なんだろうな。ウチは嫁さんだけですが、やはり家族を守るために生きるんだと改めて思わせる本だった。

    武士道というモノは本当は何なのか。正しい(?)武士道とは何なのか。悩んでしまった。巷で言う「武士道」とは、何かどこかで履き違えているような気がする。
    やっぱり、「切腹」の思想が刷り込まれた人生観ってどこかがおかしい気がする。要は自殺でしょ?生きてこそ、のはず。だから、吉村貫一郎も宮部久蔵も死なないために生きてきたはず。

    ここまで熱く篤く厚く生きられたらと思う。他人の記憶に残る生き方をしたいね。男として、まっとうな生き方をしないとな。
    フィクションなんだけど、じぶんの中では、もはや史実であり、ノンフィクションのように感じられた。

    結局、聞き手は誰だったのだろう?読んでいるあなたですってこと??
    盛岡を訪れてみたい。

    永遠の0は、万人受けというか、若い人にも読んでもらいたい、と思いましたが、こちらは読み手を限定するかな?男、しかも既婚男性が読むべきというか、感じ入ると思う。作中の人物がほとんど男であるため、女の人には感情移入しがたいのでは、と思ったり。男でも独身では吉村貫一郎の想いがなかなか伝わらんような気がします。

    いや、ほんと読んで良かったと思う。混沌とした今の時代、他人から何と言われようとも、自分の中で一本筋を通して生きていきたい、生きていかねば、と思わせる本でした。男としての生き方の見本・お手本を見た気がします。マネはできそうにないですが・・・

  • 幕末の日本がどれほど危機的な状況だったのか、その時代を生きた武士たち、特に東北の下士たちがどれほど悲劇的な状況だったか、初めて理解できた。子を思う父、妻を思う夫、友を思う男であり続けた南部武士吉村貫一郎の姿に、人が人として一生を生き抜くことの意味を見出すことができる。

  •  魂をゆさぶられ☆五つ・・。
     いや、何からどう気持ちを整理したらいいのかわからなくて、レビューをまとめるのに、だいぶ時間がかかりました。
     上巻からつながってきた流れにあっぷあっぷしながら読み進めてたら
    どうにもすごいことになり、涙、ナミダ、なみだ・・。

     吉村の語りはもちろん、斉藤一が、大野次郎右衛門が、その息子千秋が・・それぞれの貫一郎への思いが心に響いてきて・・・。吉村嘉一郎の母上への手紙には涙が止まらず、末っ子貫一郎の語りにそしてそして、最後の候文。ホント、人がいるところでは読めません。

     それにしても。
     響いたところに付箋を貼ってたら、付箋だらけ!!

     全部ここに列挙してたら、どれだけ長いレビューになるのよ・・ってな具合で、でも、しいて言うなら、今の私の心に響いたのは佐助の言葉かな~。

     「武士道なんざくそくらえだ。男が男の道を貫いて生きれァ、ああいう見事な死に方ができるんだって。
     男なら男らしく生きなせえよ。潔く死ぬんじゃねえ、潔く生きるんだ。潔く生きるてえのは、てめえの分を全うするってこってす。てめえが今やらにゃならねえこと、てめえがやらにゃ誰もやらねえ、てめえにしかできねえことを、きっちりとやりとげなせえ。」

     自分にしかできないことを、義を貫いて潔く生きた人々がしっかりといたんだ。その貫き方がすごすぎる・・。
     なんか、私の毎日、言い訳ばっかりしているような気がして、なんともやりきれなくなりました。


     歴史の勉強をしている頃、幕末→明治維新って、ほんとにつまらなくて
    まるっきり知識が欠落してるんだけど、もっともっと知らねば・・日本人として知っておかねばならないですね。
     たとえば、会津藩の容保にしても、ご家訓に従ってのご決断。そのご家訓って、初代保科正之の遺訓ですよ。正之は二代将軍秀忠のお子。200年ものあいだ守られるって、どんな思いなんでしょう。

     そんなこんな日本人のDNAはどこへ行ったのか。それこそ、御一新とともに魂を奪われてしまったのか・・。
     いやいや・・きっと血となり肉となり、細胞のかたすみにでも受け継がれているのではないかしら・・そうあってほしいと、切に思いました。


     ・・・うーーん。本筋の大切なところの思いは、やっぱりなかなかうまく言葉にできません。が、これで精一杯ということで終わり!!

  • 久々に読書で涙した感動の一冊だった。

    大政奉還、江戸幕府崩壊、明治維新、物語はその流れの中に生きた主人公吉村貫一郎とその家族の顛末を描いている。場面は幕府崩壊寸前の鳥羽伏見の戦いあたりから、主人公の息子が戦死する五稜郭の戦いあたりまで。

    時代の流れに沿って書き下す展開ではなくて、吉村没後にその人物の真実像を知りたいと願う記者の執念の取材を実録したような展開。

    吉村貫一郎という人物を知る関係者、新撰組の平隊員、吉村が脱藩する前に剣を教えていた時代の教え子、新鮮組の大物、新撰組時代の戦友、子供時代の親友、あまり一緒に暮らすことのできなかった実の子供たちに回想させることで、生々しく吉村の生涯を浮かび上がらせている。

    本を読むことの魅力の一つに、ある人物の生涯の追体験ができるというのがあると思う。自分がその主人公の目を通して、その時代を生き、ある時は悲しい気持ちをこらえ、ある時は怒り戦い、ある時は心の底からの喜びをかみしめる。浅田次郎の作品は、自然と読者をそこへトランスさせてくれるように思う。

    二駄二人扶持の足軽の身分。貧しい家計。最愛の妻子。
    かたや新撰組で最も強い男と言わしめた剣の達人、北辰一刀流免許皆伝。学問も究めた文武両道の武士。

    家族を食わせるために脱藩。家族の食い扶持のために新撰組で人を斬る。「おもさげながんす(真に申し訳ないという意の岩手弁)」が口癖の純朴な東北人。

    信念の為に戦うときの打って変ったような鋭い眼光。故郷の家族に仕送るときの優しく緩んだ笑顔。

    壬生武士の誇りのために生涯戦った男。故郷の家族のために戦い抜いた男。武士階級が存在する最後の時代にあって、最後まで武士としての魂を貫いた男。そのような男の話であったと思います。

    故郷に残した妻子のために戦い切って満身創痍で戻ってきた吉村、家族のもとに返してくれと懇願する吉村に切腹を命じる上官。その上官の手紙でこの小説は完結する。

    ネタバレ情報をいっぱい放出しているようですが、こんなところのコメントでは本書の魅力は表し切れませんです。それくらい良い本でしたし、浅田次郎の超力作であったという感想です。

  • よかった。感動。
    理解しきれてないところが結構あるので、時間をおいてもう一度読みたい。

    上巻の3分の1くらい読んだあたりから、涙腺ゆるみっぱなしです。
    特に、斉藤一の章、池田七三郎の章、嘉一朗の独白。
    いや、他も全部いいんだけど。

    最後の次郎右衛門の手紙は漢語で書かれていて、たぶん理解できないから飛ばそうかと思ったけど、字を追っているだけでだいたいのことは伝わってきた。グッときたなー。

    歴史の知識のない自分が歯痒い・・・

    ある男が吉村貫一郎ゆかりの人々を訪ねて話を聞く構成になっているが、この聞き手は一体誰なのか、最後まで明かされていない。
    Wikipediaによれば、『吉村の所伝の多くについては子母澤寛の『新選組始末記』による創作とされ、後に浅田次郎は子母澤の創作を下敷きに、吉村を主人公とした歴史小説『壬生義士伝』を執筆した。』となっている。

    ネットで色々な人の感想を読んでいると、
    この子母澤寛こそが、作中の聞き手なのではないか、という意見があった。(北海道出身だし)
    なるほど・・・ 本当はどうかわからないけど、そうだといいなと思う。

  • 素晴らしい作品でした。
    私には知識があまりにもないため、
    想像しにくい部分ではスマホ片手に調べながら読んだり。

    ただ剣道はしていたので、そういう部分についてだけはわかった。

    侍魂とかに弱すぎるので、随所で涙を流してしまったんだけど
    最後の次郎衛の手紙。。。

    号泣してしまった。

    漢文だから大筋しか言ってることはわからないけれど、
    それでも心から感動。
    あの手紙でこの作品を締めくくるっていうところがニクイ。ニク過ぎる。

  • 人生で読んだ本の中で一番好きな本かもしれない。感動のあまり編集部にお礼の手紙まで書いたのを良く覚えていますw 1つ1つのエピソードと主人公も含めた登場人物1人1人の言葉が本当に胸を打つ。主人公の吉村 貫一郎は自分の人生の究極のロールモデルとしてこれからもずっと心に残り続けると思います。「きれいごと」や「人間臭さ」なんて言葉で片付けて、妥協を重ねる現代人には本当に響く本じゃないかなと。映画版での久石譲さんの曲と中井貴一さんの演技も本当に素晴らしいの一言。自分が時代小説にハマるきっかけとなった作品でした。

  • 泣ける。これは、ひたすら涙の出る感動作なのだ。
    父と子のお互いを思いやる気持ち、そして死が、俺の涙腺を緩めてしまった。
    死に場所を探すのが武士とも言われるが、吉村貫一郎は、生にこだわり、しかしながら死なざるを得なかった。
    吉村貫一郎と息子の生き様を見習いたい。
    もう一度読み返したい。ほんとにいい作品なんだ。

  • 下巻、涙をこらえずには読めないです。

    これは新選組の義士の話でなかったのか、貫一郎の義は家族への義、それを貫く話、お前はどうなのだ?と言われているようで自問自答。
    貫一郎が貫いた義が下巻で連綿と綴られます、最後の50ページ程は涙と鼻水でボロボロになってしまいました。

    昨日まで白だったものが黒に変わる幕末から維新にかけての時代、生きるだけでも苦しい中で変わらぬものを心に持ち続けた人がいたのだろう。
    義とは変わらぬもの、それを心根に持ち、貫けるかどうか。

    それにしても自分の国の歴史を知らなさ過ぎると感じた。
    「竜馬がゆく」は読んだが「燃えよ剣」は読んでいない、誰が良くて誰が悪いではなくて知っておきたい、みんな一筋を貫くものをもっていたのだ。

  • 会社の先輩に読め!と渡された作品

    上巻の最初は背景がよく分からず入り込めなかったんですが
    話が分かってくるとスラスラ読めて
    下巻はひたすら泣いてました(笑)

    先に「龍馬がゆく」を読んだので新撰組=悪いと言うイメージを持っていたんですが
    どちらが良い、悪いではなくそれぞれが正しかったんだろうなと思いました

  • 田舎侍の自分を偽らざる正直な武士道に感動。武士道とは己の道を貫くことにあらず。主君や国でもなく、大切な人を守る為に進む道。

  • 私の1番好きな本。

  •  「福山ロス」「タモリさんロス」「五代ロス(D・フジオカ)」色んなロスが流行った昨今ですが、今日からしばらく私は“吉村ロス”状態に入ります。
     一文字目から最終文まで本当に心を振るわされる傑作でした。
     我が人生一の英雄(ヒーローまたは男前)がこの物語の中に生きたのです。

  • 嗚咽ほどの号泣。号泣。
    読んだ後、しばらく何も手につかなかった。
    浅田節炸裂。

  • 下巻です!
    下巻は上巻以上に泣けて泣けて。
    電車の中では読めませんでした。

    家族を守るために義を選んで死んだ父、父を一人で死なせないと函館で討ち死にした長男と多くのものに支えられていることを知り、生き抜くことを選んだ次男。
    傍で育てられなかったけれど、父の思いはちゃんと息子達に受け継がれていったことに感動しました。

    盛岡に行きたくなりました。
    北上川のほとりに立って岩手山を臨みたい。もちろん岩を割って咲く桜の時期に・・・

  • 上巻から一変。
    涙涙の下巻でした。
    素晴らしい作品。
    これほどまでに貫いた生き方が出来る人がいるとは。
    その生き方が子へと受け継がれているのは、あっぱれでありながら、切なさを伴う。
    自分の命をかけるもの。
    考えようと思う。

  •  旧南部藩(盛岡藩)を出奔した足軽侍吉村貫一郎が新撰組の一員となり「人斬り貫一」と呼ばれ、里の妻子への仕送りのために守銭奴と蔑まれながらも、なぜそのような生活をする事になったのか、いろんな人たちが貫一郎を語る。吉村貫一郎は実在の人物で、新撰組で大活躍したのもおそらく事実だろう。ただどこからがフィクションなのかわからないところが、そもそも小説を読んでいるとわかっているのに、なんとももどかしいものがあった。

     南部藩の出ということで思い入れが強くなり、強い親近感を覚えた。読みながら何度涙を流したことか。特に下巻は幾度となく涙で文字が曇り、読み進めることができなくなった。だから読了までかなり時間を要してしまった。面白かったという一言に尽きる。著者の浅田次郎はこんな小説を書く作家だと認識した。

     南部藩と聞いて反応した。私の住む八戸はかつて八戸藩二万石であったが、もともと南部藩二十万石が八戸藩と盛岡藩十八万石に分割された。だからもとは一つの南部藩と思っていた。とはいえ八戸と盛岡では言葉も違うし、慣習なども異なるものがあるようだ。読んでいて「おやっ」と思うことも少なからずあった。

     中井貴一主演で同名の「壬生義士伝」で映画化されている。どこかで見たような気もするが良く覚えていないので、一度しっかり鑑賞したいと思っている。

  • 最後までそうあって欲しくなかった
    本を読んで涙がとまらないという経験は初めて。
    父として、このようにありたいと思う

  • 詠み終わるのが残念になった作品で、いつか再読したい

    岩手山を見てみたくなった

  • こういう青臭い話が好きだから、やっぱり私は浅田次郎が好き。

  • 上巻をあれだけのっぴきならない話で終えてこちらを興奮させておいて、下巻早々で泣かせるんだから……この小説、怖いです……。
    電車で涙を堪えられないほどの小説は初めてな気がします。
    主人公は確かに吉村一人かもしれませんが、彼の周りの人々が本当に魅力的で……「壬生義士伝」を「吉村貫一郎」や「新撰組」についての小説だと説明するのはもったいない気がします。本当に……
    最後にはこれまでの話が綺麗にひとつにまとまって、読む方は読む方で泣けるだけ泣きじゃくって、読み終わった時にはもう清々しいくらいでした。
    しばらく時間を置いてからまた読み返したい一冊。

  • ファンタジーかな?如何せん吉村さんが完全超人すぎて。。。

    こんなこと言ったらファンの皆様に怒られそうですが、早く腹を切れと思ってしまいました。親子そろって自決までの邂逅が長い長い。

    おもさげなござんす(o_ _)o

  • この筆は天性に備わる才知なんだろう。士の道を逸しようとも人の道を違えぬことの難渋を説く手腕や恐るべし。よくもまあせつない書きっぷりだ。時は移ろっても同じ小者として生きながら鍛練も信念も遥かに劣る我が身を恥じる。「おもさげなござんす」

  • 初めての幕末小説。新選組を全然知らなくても十分楽しめて、幕末ものをもっと読んでみたいと思えた。
    吉村を熱心に調べていた記者は、吉村と何らかの関わりがあることを信じて、誰なのか予想しながら読んでいたので、特にそれがなかったのは少し残念。
    感動するように作ってある感満載。でもそれを感じつつも、しっかり考慮された登場人物のキャラクターそれぞれが、吉村とどんな関係があって、どんな影響を受けたのかの設定がとてもうまく書かれていて、何回もうるっときてしまった。

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壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)の作品紹介

五稜郭に霧がたちこめる晩、若侍は参陣した。あってはならない"まさか"が起こった-義士・吉村の一生と、命に替えても守りたかった子供たちの物語が、関係者の"語り"で紡ぎだされる。吉村の真摯な一生に関わった人々の人生が見事に結実する壮大なクライマックス。第13回柴田錬三郎賞受賞の傑作長篇小説。

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