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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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「寝首をかかれる心配はしないの」「そんなこと考えてれば判るよ」「判っても寝る?」「判っても、寝るだろうな」「試してみましょうか」ジェルジュは笑った。「君はやらないよ。少なくとも僕にはね」フローラはジェルジュの唇に軽く唇を触れて、ひどい自惚れね、と言った。
― 289ページ -
そこにいるのは、間違いなく、自分の同類だった。愛撫し、交わって飢えを満たし、それでも飽き足らず川に身を沈めるように彼女の奥へと沈む間も、ジェルジュは穏やかな充足を覚えていた。ジェルジュの感覚に包まれたフローラは、まるで水の底で目を開いて彼を待ち受けているようだった。息が続かなくなる直前に感じるような痙攣を押さえながら、差し伸べられた彼女の手に縋りつくようにして自分を引きずり込んだ。確かに何かに触れた気がした。その瞬間、引き伸ばしてきた解放に追い付かれ、噎せ返るようにして浮び上がった。
― 286ページ -
ジェルジュは軽く身を屈めて囁いた。「後で行っていいかな」「隠れ家がほしいの」「違うよ。口説いてるんだ」御冗談を、とフローラは答えた。「真面目になって。そのために来たんだから」「約束してくれるならね」「判ったわ。後で相談しましょう」
― 275ページ
みんなの感想・レビュー・書評
佐藤亜紀さんの小説は2作目。痺れるような難解さはあったが、その分独特の世界観にはまり込んでしまう。超能力を持つ青年とそ彼を指導する顧問官で展開される、ファンタスティックかつスリリングに満ちた物語。
読みやすくはないです。でも気高い文体です。
高校時代に世界史を選んでいて西洋史が好きだった自分はWW1の頃の西洋の時代背景を覚えていて、だからわりとさくさく読み進めることができたのかもしれません。
まるで西洋人が書いたような錯覚に陥る本です。
第一次大戦渦のウィーン。人並みならぬ『感覚』を持ったジェルジュは、その戦いに身を投じていく――。 これは目を瞠った作品。 なんというか・・・腰を据えて読んだ。というより、腰を据えないと読めない本だ。 私は夜に一章ずつ、四夜連続で読んだ。 ある意味、読者には不親切な小説だと思う。文体もかなり硬く、相当本を読みなれている人でなければ、途中で投げ出してしまうだろう。 けれど、ストーリー... 続きを読む »
一切手を抜かず作り込まれた感がある
私は歴史にあまり明るくないが、苦にならなかった
特殊な能力を持つ主人公の感じる世界の描写に引き込まれる
続編の雲雀も是非読みたい
父親が死んだ後、“顧問官”に引き取られ教育されたジェルジュ。
天賦の“感覚”の使い方をも身に付けた彼は、顧問官の元、異能者で組織された諜報組織に身を置くことに。
第一次大戦間近、ジェルジュは各国の思惑入り乱れる壮絶な探り合い、闘いの中へー
感想が書きにくいな‐
評価が高かったから読んでみたけど、難しかった。
硬質な文章で行間を読まなきゃ、て感じで。
それが第一次大戦間近の雰囲気(下手なこと口に出せないちょっと警戒してるような)を醸し出してる気がする。
冒頭は入りにくいけど、ジェルジュがいろいろ覚えていくのと同じにグイグイ世界に引き込まれる…けど難しい。
読まれたり、印象づけられたりなんてしたら…って想像したら怖いね。
この作者の、もう一冊積んであるから、それで私に合う合わないかが解るかな。
なにせ不親切だ。一切の説明なしに物語は始まり、当たり前のことのようにその感覚は描かれる。時代背景も当たり前のことのようにそこにあり、補足的な描写はひとつもない。
だがしかし、それであるがゆえに読者はその世界に引き込まれて目が離せないのも事実である。そして、その世界は何気に魅力的に映る。「ミノタウロス」の時にも思ったのだが、著者はなぜこのような世界を創造できるのだろう。文体も魅力的だ。著者についてのいろいろな風評もあるが、文学的にやはりすごい才能であるとしか言いようがない。
どうにもカタカナ名前が覚えられず、登場人物たちが把握できないまま、そして時代背景も理解できてないままに読み進めたため、きっと感じた面白さは半分以下でしかないと思う。でも思う。登場人物たちにそれを反映させ、この本は時代を描いているのだ、と。
*ただし、巻末の解説には失笑を禁じえない。。。
「バルタザールの遍歴」は面白く読んだ記憶があるが、それから全然縁のなかった作家さん。最近「検察側の論告」をぱらぱら読む機会があり、えらい面白かったけど品切れだったので、これを買ってみました。
淡々とみじかい文を連ねているのが好きなんだけど、それだけじゃなくてすごい色気がある。説明しすぎないのがとてもいい。それでいて、通俗的といってもいいおもしろ要素がてんこもり。孤児、美少年、超能力、アバンチュール、忠誠、裏切り、スパイ合戦、歴史のうねり… これらが俗っぽく見えないのが、すげー…。
自然に萩尾望都さんの絵のイメージで読んでた。
時は19世紀後半から20世紀初頭。 誰もが学んだあの1914年から始まった世界大戦をサンドしたお話しである~。 っと言えば「歴史小説か?」っと敬遠する御仁もござろうが… ちょいと毛色が違っておる。 本書では「感覚」と呼ばれておる超能力を持った少年が主人公のお話しなのだ 「感覚」とは、人が何を考えているか透視でき、体や脳を攻撃することも出来る また、人の記憶を操作することもで... 続きを読む »
また時間が経ったら読み返したい。二度目のチャレンジでした(笑)
全部読めただけ、変わっていたなと実感しました。自分でもびっくりしました。
かっこいい文章、心からうっとり楽しめるようになれるまで、あとどのくらい時間がかかり、どのくらいの本を読むのかなあ。
初めて見る単語があって、意味を調べるんですけど、そういう言葉がまだ自分のなかに染み付いていない(笑)どうしたらもっと言葉を知って吸収できるんだろうか…orz
楽しかったです!ジェルジュがかっこよくてもう…。素敵でした。
文章量は少ないのに、なんという情報量かと驚く。勿論、空想の余地はたっぷりある。数少ない手がかりを頼りに、さまざまな思いをめぐらせてうっとりする小説。
「感覚」と呼ばれるテレパシー能力者たちの愛と友情の物語! そんなキャッチーな魅力が衒学ぎみの文体や時代背景のなかで輝くファンタジー小説。超能力者の「感覚」と通常の感覚とが交錯する描写が見事で、どのように人が他人と影響を与えあっているのか俯瞰されて描かれる。
主人公は美少年。若い肉体と繊細な感受性とで、おさがりの年上女たちとたびたびセックスを繰り広げるのだから退屈しない。他にも社交界、政治思想、武術、音楽、戦場、組織、親子関係… などなどあらゆるシュチエーションで書き切る著者の観察力と、圧倒的な実力がよーくわかった。
ある本好きな人のブロクで絶賛されていて、どうしても読みたくなった一冊。 そして大当たりだと思った。素敵な作家さんに出会えた感激・至福。 内容は、歴史×SF。かの世界大戦時、裏では『感覚』という特別な能力を持った人々が暗躍していた、というお話です。 確かにひどく読みづらい。文章は硬くて突き放すような。 でも、喰らいついていきたくなるくらい、面白い! なにより『感覚』の描写が素晴... 続きを読む »
佐藤亜紀さんの世界を読みこなせるに必要な教養が、自分には足りませんでしたorz 。しかし、文体の魅力に引きずられるようにして最後まで読みきれた。続編も是非。これは、文字表現でなければ描けない世界だと思った。
BANANA FISHか何かを読むが如く、話の世界とキャラクターにのめり込んでしまった。なんなのこの世界。
文章で伝えるのはものすごいことだよ。
彼女の小説を読むたびに「私にもっと知識があったなら」と思わざるを得ない。
「私にもっと知識があったなら、この世界に溺れる事が出来ただろうに」。
緻密な歴史観、時代背景、ひとつひとつの言葉遣い・・・。
必要最低限のことを述べるに留まることで、彼女は読者を信頼し敬意を払っていてくれているのだ。
なにこれすっごい面白い…!
緻密なのに何かを隠すかのような文章がわかりにくいことは確かで、冒頭の馬車の中のシーン、最初なにされてるのかぜんぜんわかんなかった。男二人でエロいことしてんのかと思った(笑)
でもこの『感覚』を使う描写がエロティックなことも確か。男性相手でも女性相手でも。
『雲雀』が続編だって知らなかった。読む。

なんて緊張を強いられる小説だろう。
正直なところ、読むのはとてつもなく疲れる。脳の運動神経をフル稼働させることを要求されているようだった。
ジェルジュ・エスケルスは「一世代に精々一人か二人...





