『Shall weダンス?』アメリカを行く (文春文庫 す 14-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167656065

感想・レビュー・書評

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  • 2003.1.16〜23 読了

  • 「Shall We ダンス?」の作った周防正行監督が、アメリカへのプロモーションや映画界の内情、契約の仕方などを語った本。
    観客やプレスからの質問内容と監督のツッコミが面白かったです。

  • 今までで一番、良い意味で期待を裏切られた本かも知れない。ムチャクチャ面白かった。周防監督のユーモアがあり、シニカルな視点でShall we ダンスのアメリカでのプロモーション活動を、とても詳細に語ってくれています。

    映画の作成秘話や、アメリカで興行的成功を得るまでのサクセスストーリーとしてももちろん面白いのだけれでも、アメリカの契約社会、エンターテイメント界の話なども面白おかしく勉強になりました。

  • 周防監督がShall we danceをアメリカ公開するに当たって、アメリカ10数都市をプロモーションめぐりした時のお話である。契約事からご当地のビジネス慣習など、いち素人(アメリカンビジネスに慣れていないという意味で)として書き下している。

    非常に判断が難しい一冊である。というのは最初から最後まで愚痴なのだ。
    映画がカットされなければいけないこと、そしてその説明が不十分であることはまだうなずける。でも映画会社側の担当者が空港まで送ってくれないとか、レストランがまずいだとか、インタビュー質問が的を射てない/くだらないだとか、ちょっとそれは監督、甘えすぎじゃないかしら。異文化とのふれあいで自省/再考査もしてくださいなという心のツッコミが読みながら思わず入る。

    一方で、中途半端に日本文化を分かっているからこそ決め付ける、そしてそんなインタビュアーが一番やっかいだという芯の突いたコメントには思わずうーんとうなされる。そうなのだ、何も分からない相手よりも、自分が文化的多様性を尊重していると思い込んでいる相手ほど、本来の異文化を受容できてなかったり、素直じゃなかったする。
    自省自省。

  •  「Shall We Dance?」の周防監督がプロモーションで全米18都市を周ったときのことを書いてる本
     ハリウッドのショウビズ界の裏側がわかってなかなかおもしろい

  • 周防監督って単に面白いだけのおじさまじゃなかったんですね。
    さくさく読みやすい割には、日本とアメリカの映画業界について厳しいことも書いてあります。
    作品未見でも面白く読めますが、やっぱりネタばれしちゃってもったいないので、
    できれば映画のほうをご覧になってからお読みになることをオススメいたします。

  • あの名作「Shall We ダンス?」がアメリカで上演されることに・・・!
    上演決定から、プロモーションでのアメリカどさ回り(と言っては失礼だが)でのドタバタ、奇問珍問の飛び出す各社のインタビューなど、周防監督から見たアメリカ(&日本)映画界とは。

    この本を読むまで、私の中での周防監督は「草刈民代の旦那さま」でしかなかった。ちなみに草刈民代も私にとっては「周防監督の奥さま」でしかなく、つまりは私の中でこの二人は、いつもトーク番組にセットで出ていて二人で楽しい夫婦漫才をやってくれる、そんな「理想の夫婦」でしかなかった。
    ついでに言うと、そういう番組に出ている時の周防監督は「映画製作なんて別にボクの中で優先度は高くないしぃ〜」とも取れる発言をする人だった。

    なので、回りくどくなったけれど、この本を読んで私が一番驚いたのは、彼がいかに映画制作に対して厳しく完ぺき主義な態度を取っているか、そして日本の映画ビジネスをここまでシリアスに考えているかということだった。
    彼の作品や彼の映画に冠する考えを理解しないアメリカ人や日本人に対して彼が発する熱い怒りは、普段の温和な彼からは想像もつかない。

    恥ずかしながら、このエッセーを読んで「あ、映画のあのシーンって、そういう意味があったんだ」と気付くことも多かった。私はとてもじゃないが周防監督にインタビューなんて(怖くて)出来ない。
    ただ、一つだけ難点を言うと、ひたすら各地での試写会&インタビューの模様が語られていて、それはそれで一つ一つの土地で特色があるんだけど、やっぱり何十箇所分も読んでるとだんだん飽きてくる。

  • 周防監督が出会った人々の写真がふんだんに載せられていて、「あーこんな人なんだぁ」と文章だけよりも実感が沸いてドキュメンタリーを演出していて、面白かった。5週間に渡る北米18都市のキャンペーンでの模様やインタビューで構成されていて、読み始めは新鮮さもあって面白いのだが、後半以降は同じことの繰り返しで(キャンペーンだから仕方ないのだが)、だんだんダレル。でも、映画「Shall we ダンス?」をもう一度観たいなと思わせてくれた。
    「タイム」誌のキャロル・アレン氏の「日本の社会は生まれた時からどう生きるかレールが敷かれているというイメージがあるのだけど、映画はそれを外れようとしているのでうか」という質問に、周防監督が「そうともえいますが、実はあらかじめ敷かれているレールなどないのだ、というのが僕の考えです。皆はあたかも人生はこんなものだ、と誰かの手ですでに敷かれているレールがあると思い込んでいるだけで、自分の意思でレールを敷こうとしていないのです」(p.460)と応えていて、もっともだなと思う。アメリカに住んでいると、それぞれが、こうしたいんだ、ああしたいんだ、という切望に正直に報いたいと思っていて、そうやって歩んでいる自分にプライドを持つ、という風潮が当たり前だから。

  • 今、リメイク上映してますが、そのリメイク権の話とか、周防さんの国外営業珍道中。

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著者プロフィール

映画監督

「2013年 『法と心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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