右手に包丁、左手に醤油 (文春文庫PLUS 20-4)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167660222

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  • 北京北海公園洋房11号の「厲家菜」西太后の後宮料理を出す店/フランスの料理人達はなぜか皆「ブランパンの時計:”ジュラ紀”の由来となったジュラ山脈の標高2700mのル・ブラッシュ村で生産」をしている.スイスに時計が発達した理由:昔は冬雪に閉ざされる前に薪を切って家の周りに積んでいた.薪を使い切ったのに雪解けにならなかったら死んでしまいます.だから「時」という概念が発達した.しかも冬の間に自宅でできる手工芸で春になったら売りに行く時にたくさん持って行けるもので高額なもの.また、雪明りで太陽の反射光が

  • 読書録「右手に包丁、左手に醤油」4

    著者 小山裕久
    出版 文藝春秋

    P109より引用
    “「簡単なことで、毛細管現象と温度差を利用してるんです
    よ。”

     目次から抜粋引用
    “時空を翔ける料理人
     料理人の孤独
     料理人の「手」”

     料理人である著者による、料理にまつわる事をあらゆる方面か
    ら記したエッセイ集。
     料理人仲間との話から醤油の力についてまで、著者の料理人と
    しての豊富な経験を元に書かれています。

     上記の引用は、天ぷら屋さんの一言。
    揚げた天ぷらを乗せる紙に、油が滲んでこないくらいに油が切れ
    ているそうです。技術と経験に加えて、人に聞かれてはっきりと
    説明が出来るというところが、本気でシッカリと料理を勉強され
    ている方なのだなということがわかり、素晴らしい方であると思
    います。
     自分で料理をする機会の多い方ならば、きっと役に立つであろ
    うヒントが書かれているので、レシピそのものはありませんがお
    薦めです。

    ーーーーー

  • この著者の本で、初めて面白くないと感じた本。

    ここまで読んだ本(『日本料理でたいせつなこと』、『鯛の本―鳴門、美味し国から』、『小山裕久の日本料理で晩ごはん』、『日本料理神髄』)と比較すると、焦点のぼけたエッセイ風の文章が多いことが原因だと思う。

    外国でのさまざまな交流などの様子も描かれていてそれはとても興味深い。ただ、ひと目見たことから断定口調で記すところも多く、そういう箇所に浅はかさを感じてしまったりする。そういうことが積み重なって、全体の印象も悪くなってしまう。

    当然、勉強させてもらうところも多かったけれど、一般論的エッセイを載せることで、どうも内容を薄く感じてしまった。

  • ■プロの技術というのはすごいものです。鯛を切っても「みかんの袋と袋の間を探って切るようなところがあって、繊維をつぶしていないため、今までお互いにくっついて抑えつけられていた力がふっとゆるんで、一瞬フクーッと膨れる」そうです。しかしその技術を持ちながらも、料理、理(ことわり)を理(はか)るということは単なる方法論ではないと言う著者の言葉に惹かれます。■実際の料理の現場を知りつつ厨房からの発言だけではない、そんな懐の深さを感じます。■油脂を減らしておいしく食べるヒントはフランス料理にも中国料理にもない。日本料理は、野菜の甘みを水だけで引っ張り出しながら醤油で味付けすることによって、油脂の力を借りずに、野菜それ自身のおいしさを口の中に大きく広げることができる。これからの世紀、日本料理でしか、人間はおいしいものを食べて元気に快適な人生を送ることはできないんじゃないかとすら思う著者に心酔。

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著者プロフィール

日本料理「青柳」主人

「2020年 『料理人の茶懐石 水屋でみる夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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