望楼館追想 (文春文庫 ケ 5-1)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (548ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661823

作品紹介・あらすじ

古い邸宅を改造した不思議な集合住宅"望楼館"。他人の愛したものを盗み、収集する"ぼく"をはじめ、住人に奇妙な人物ばかり。人語を解さぬ"犬女"、汗と涙を流しつづける元教師…。彼らの過去には何が?人の魂の苦悩と再生を優しいまなざしで見つめ、圧倒的な物語の力で描き出す驚異の新人のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 凄く面白かった。映像化されないかなぁ…

  • アイアマンガーを思わせる

  • 図書館で。
    陰気で後ろ向きな登場人物ばかりで気が重くなりました。
    特に主人公の父親はなんでそんなんで結婚したんだろうという感じだけど昔は土地持ちの金持ちだったからなのか。

    途中で気がめいったので断念です。

  • 久しぶりに読み返したいなあ

  •  登場人物が誰も彼も奇妙で、物語も静かに進んで、とてもシュールな作品です。日常を忘れさせてくれます。なぜか心地良い。
     誰もいない美術館で南米の前衛絵画を眺めている感じです。
     
     ただ長すぎて、最後の方になると飽きてきます。
     挿絵も気に入らない。
     
     でも続きがでたらきっと読んでしまうだろうと思える中毒性のある小説でした。
     
     読書などただの暇つぶしだと割り切っている人にはお薦めします。



  • 奇妙で、奇怪で、残酷なのに、妙に優しく切ない物語でした。

  • 厚い文庫本。決して読み易い本ではない。しかし途中でやめようとは思えない。著者が描いた不思議な人物イラストが気分を盛り上げる。
    ヨーロッパのある町に取り残されたマンションが舞台。孤島のような建物の中にそれぞれの孤独を日常に生きる人たち。白手袋が離せない37歳の男。蝋人形館の中で蝋人形のフリをする勤めをしていたが、今はその特技である静止で公園の台座の上に立つのが仕事だ。
    彼は他人の愛の形見のような物品を集め(盗んで)望楼館に続く地下道にナンバリングした秘密のコレクションを持っている。訳ありの寝たきりの母親と椅子に腰掛けたままの父。テレビを見つづける女、犬の首輪をして犬のように吠える犬女、汗と涙を流し続け百の臭いを振りまく家庭教師、失明寸前の修復師の女など、登場人物は本当に偏屈な人ばかり。

    人は過去を引きずる。過去に彩られた現在。時間の存在が重くのしかかる。
    不思議な物語なのに、リアリティがあってどんどん引き込まれていく。ずっしりと人間の存在の重さを感じる。

  • あんまり好みではないかな。翻訳が悪かったのかもしれませんが。

  • トマス・ピンチョン「ヴァインランド」、キャサリン・ダン「異形の愛」なんて本が好きな人は何も言わずに楽しめるだろう。しかし、帯に書かれているような読書体験を変える、という種類の物ではないと思う。
    翻訳も相当に工夫をしているんだろうな、と感じる。望楼館に立ちこめる臭いが読んでいる間じゅう気になってしょうがない。つまり感じる本なのだ。
    様々な気になる事象がごろごろしている。なんとなく「ツイン・ピークス」を思い出してしまう。埃まみれの部屋の臭いを感じては子どもの頃の個人的な思い出がわき上がってくる。自分の過去の経験(読書、映画なども含めた体験)を何故か思い出させる本だ。
    統一された文章ではなく、章立てもその場に応じて変化していく。その上で文体だけは統一されている。こうした工夫は今では別に新奇ではないが、効果的に使われている。最後のリストは圧巻だ。この手は新しいな、と思った。

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