新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (2003年3月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167663063

新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 心ではなく、頭がおもしろがって読んだ。

  • 吉田松陰!
    花燃ゆで歴史を知ってから読むと、より心情とか背景が掴みやすく心に残る。
    なんとまっすぐな生き方なのか。あれほどの人はいないのだろう。だから現在まで語り継がれ歴史に名を残しているのか。

  • 「長州の人間のことを書きたいと思う」

    有名な書き出しからはじまる大河小説の第1巻。主人公は長州藩の若き思想家、吉田松陰。作者によると、彼が松下村塾を開いたことが長州藩にとっての大きなターニングポイントだったとのこと。確かに松下村塾卒業生の顔ぶれは豪華。高杉晋作に久坂玄瑞、伊藤博文、山県有朋などなど。彼らが長州藩を代表し、明治維新に多大な貢献をしたことは間違いない。が、本小説では教育者としての松陰の存在感は薄い。

    吉田松陰は師として人に教え、人を動かす才能よりも、人に影響され、自分が動かされる人間だった。そんな「師」らしからぬ松陰の態度が結果的に、松下村塾で自由な風土を産み、多くの志士たちを排出した。

    と、作者は語る。しかし、描かれている吉田松陰は頭脳明晰だが、お坊ちゃん的な世間知らずで、純粋すぎる過激思想が目立つ。友人と旅行したいだけで脱藩したり、ペリーの黒船に小舟で乗りこもうとしたり、自ら進んで牢獄に入ったりと。偶然、多くの弟子が歴史に名を残したから良かったものの、そうじゃなければ奇人変人で終わっていた。

    たいした人物には思えなかったんだけど、司馬遼太郎ファンだと、この小説で吉田松陰を尊敬できるのか?

  • 新年は司馬遼太郎で始めたいと思い読み始める。吉田松陰の話し。まず、純粋であること、超前向き思考であること、優しいこと、信じやすくお人好しであること、穏やかであること、第1巻でそこまでわかる。ただ、この人物に漂う匂いは奇人。世に名を成す人はイカれていなければならないと思っているが、松陰から香る狂気の匂いに引き付けられてあっという間に読んでしまった。なぜだかこの前の電気グルーヴのドキュメンタリーを思い出した。次の巻では、いよいよ高杉晋作が登場する。楽しみ。

  • 吉田松陰の行き方が無茶苦茶カッコよく、もっと全力で生きようと思いました。

  • 松陰、走る。とにかく走る。走って走って、そして奇跡とも思える出会いの数々。松陰というと伝記的には「学問」のイメージばかりが強いが、この頃はどちらかというと「冒険者」のイメージ。おそらくその目には日本の将来しか映っていなかったのだろう。まるで竜馬を彷彿させる。

  • この時代の日本人の考え方と現代の日本人の考え方の違いが感じられておもしろかった 松陰の生い立ちから、人はどのように思想を形成していくのか、わかったような気がする

  • 吉田松陰先生のまだ、駆け出しの頃の物語。

    最初とあって説明やらが多い。でも、ここを読まないと後が分からないから少し我慢。

    にしても松陰先生は、やることがクレイジー(笑)本文中にも"過激"と何度か書かれているがまさに、その通り。
    なのに真面目で人が良いから、面白い。

    本文中にも松陰先生の起こした行動が面白くて、思わずゲラゲラ笑ってしまう場面もあった。

    1巻はペリーが再び日本にやってきた所で終わっているが、はてさてこの先はどうなるやら。
    続きを読むとしようではないか。

  • (2015.01.11読了)(2013.06.15購入)
    【杉文とその周辺】
    この物語は、長州藩の物語です。第1巻は、吉田松陰を中心に述べられています。
    吉田松陰の母のことから始められています。本を読むのが好きだったようです。大河ドラマの「花燃ゆ」でも、杉家の人たちは、どなたも読み書きができるようです。
    松陰は、杉家から吉田家に養子に出されたのですが、養父が早いうちに亡くなってしまったので、松陰は、杉家で育てられています。
    学問は、叔父の玉木文之進にたたきこまれています。
    青年になると、九州遊学が許され、いろんな人にあって、学んでいます。宮部鼎蔵もその一人です。
    江戸遊学が許されたときは、南部藩の友人たちと東北旅行を企画し、手形をもらうのが、出発予定に間に合わず、友人との約束を優先して、脱藩して出かけてしまいます。
    ペリーが日本に来た時には、密航を企てるのですが、ペリーの出航に間に合わず、長崎のロシア船に目標を変更し、長崎に行きますが、こちらも間に合わず、次の機会を待ちます。
    ペリーが再度日本にやってきました。

    【目次】
    松本村
    玉木文之進
    長門の海
    平戸へ
    島の城下
    山鹿屋敷
    帰国
    桜田藩邸
    手形
    脱藩
    泣く話
    売られる
    家郷
    追放
    天涯の旅
    春半ばなり
    金剛山
    象山
    浦賀へ
    浦賀
    過激者
    長崎へ
    岸頭
    最初の弟子

    ●書き出し(9頁)
    長州の人間のことを書きたいと思う。
    ●松陰(11頁)
    松陰吉田寅次郎は藩の行政者でもなく、藩主の相談役でもなく、ないどころか、松下村塾の当時のかれは二十七、八の書生にすぎず、しかも藩の罪人であり、その体は実家において禁錮されており、外出の自由すらなかった。この顔の長い、薄あばたのある若者のどういうところがそれほどの影響を藩と藩世間に与えるにいたったか、それをおもうと、こういう若者が地上に存在したということ自体が、ほとんど奇蹟に類する不思議さというよりほかない。
    ●松下村塾(22頁)
    玉木先生は藩士である。しかし無役で(のち役についた)、いつも家にいる。時間がふんだんにあるため、
    「松下村塾」
    という家塾をひらいた。松下とは村名の松本からとっているから、要するに松本村学校というふうな命名であり、それ以外の哲学的な意味などはない。村学校だから百姓の子も魚屋の子も通学しえた。
    ●公のため(25頁)
    玉木文之進によれば、侍の定義は公のためにつくすものであるという以外にない、ということが持説であり、極端に私情を排した。学問を学ぶことは公のためにつくす自分をつくるためであり、そのため読書中に頬のかゆさを掻くということすら私情である、というのである。
    ●なまの現実(73頁)
    「古学ばかりの世界に密着しすぎると、現今ただいまの課題がわからなくなる。また、格調の正しい学問ばかりやっていると、実際の世界のうごきにうとくなる」
    ●長州藩(96頁)
    勉強ずきなこの藩は、当然ながら中央指向型であり、なにがなんでも江戸をめざしたがり、江戸の学問・武術の水準に追っつきたがる。長州藩は、本州の西のはしにある。はしにあるという距離感からのあせりがそうさせるようであり、この時代、江戸に近い関東の諸藩など、眠っているのも同然であった。
    ●萩から江戸まで(98頁)
    江戸の遠さはどうであろう。萩を出てから三十五日という日数を重ね、六郷川を渡ったのは四月九日である。
    (多摩川は、六郷川といっていたのかな? 六郷橋とは言っているけど。)
    ●朋友(130頁)
    われ酒色を喜まず、ただ朋友をもって生となす。
    人間の本義とはなにか、一諾をまもるということだ。
    大いなる義の前には、一身の安全などはけしつぶのようなものだ。
    ●東北旅行(151頁)
    松陰の東北旅行は、正月二十日に水戸を発したあと、会津、新潟、渡海して佐渡、さらに新潟にもどり、秋田、弘前、青森にいたり、そのあたりで冬はすでにすぎ、盛岡、仙台、米沢から関東に入り、日光、足利、館林をへて利根川の堤へ出、堤上をあるくうちたまたまその船頭が江戸へゆくというので乗せてもらった。
    ●月代(162頁)
    罪を得れば月代を剃らぬというのがかれの当時の習慣である。

    ☆関連図書(既読)
    「吉田松陰」奈良本辰也著、岩波新書、1951.01.20
    「吉田松陰」古川薫著、光文社文庫、1989.06.20
    「吉田松陰の東北紀行」滝沢洋之著、歴史春秋出版、1992.12.25
    (2015年3月24日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。この時期骨肉の抗争をへて、倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ吉田松陰と後継者たる高杉晋作があった。変革期の青春の群像を描く歴史小説全四冊。

  • 「筋金入りの長州男児」革命を起こす

    物語の後半は幕末の立役者、高杉晋作の大舞台!

    こちらの晋作さんが、もうかっこいいのなんのって
    芸者遊びがやめらんねぇなんて一面を持ちつつ、三味線や扇子片手に、幕府相手にのるかそるかの大喧嘩!

    派手な外面とは反対に繊細な心も持ち合わせ、絶妙な詩をつくったり、人知れず悩んだり・・・
    絶対絶命に陥ったときでも、絶対困ったとは言わず、活路を切り開いていく姿には本当に勇気をもらえる


    「おもしろき こともなき世を おもしろく」

    かの有名な時世の句が、読後だとより一層心にひびいてくる

    全四冊 
    前半は、彼の師 吉田松陰の物語
    後半は、晋作さんと一緒に、読むひとも激動の長州にまきこまれていく

    このふたりを通じ、「いかに一生を飾りいかに死ぬべきか」という武士の生き様をしみじみと感じます

    あぁ、この大河ドラマやってくれないかな

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嘉永六(1853)年、ペリーの率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕か、をめぐって、国内には、激しい政治闘争の嵐が吹き荒れる。この時期骨肉の抗争をへて、倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ吉田松陰と後継者たる高杉晋作があった。変革期の青春の群像を描く歴史小説全四冊。

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