新装版 世に棲む日日 (4) (文春文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (2003年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167663094

新装版 世に棲む日日 (4) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「どの人間の生にも春夏秋冬はある」 ついに読み終わってしまった。最後は若干駆け足気味に感じましたが、それでも最後まで高杉晋作でした。扇子一つ持って戦場へ出かけるとかもうどうしろと!!!それゆえに老年期、冬と称される彼の晩年にしみじみするばかりでした。どうでもいいですが、読んでいるうちに山口県、とくに萩と下関に行きたくなってきました。

  • (2015.05.13読了)(2013.06.15購入)
    【杉文とその周辺】
    主な登場人物は、高杉晋作、山県狂介(有朋)、伊藤俊輔(博文)、といったところです。
    佐幕派が実権を握った長州藩は、幕府に降伏して、山口城の破却を受け入れようとしています。
    高杉晋作は、奇兵隊を利用して少人数(120名ぐらい)でクーデターを敢行、まず海軍を手に入れ(1864年12月13日)、海と陸から萩の長州藩本体と戦い、勝った。
    イギリス行きを企てたが、長崎で、イギリスと組んで貿易する方針に転換して、下関に戻ったが、攘夷派に狙われそうになったので、大阪方面、四国方面へと逃げ回った末に下関に戻った。
    開闢総督に任じられ、幕府軍と戦い小倉城を攻め落とした。
    高杉晋作の命脈はここで尽きた。労咳だった。
    まったく不思議な人物です。芸者遊びが好きで、遊んでいるか、遊びの合間に、瞬時、仕事をする、という感じです。
    資金を提供したり、命令に従ったりする人たちがいるのが不思議です。

    【目次】
    長府屯営
    功山寺挙兵
    襲撃
    進発
    絵堂の奇襲
    反乱
    V路上の戦闘
    御堀耕助
    攻勢へ
    政戦
    兵威
    海峡の春
    転換
    逐電
    風伯
    浮世の値段
    呑象楼主人
    金毘羅船
    お雅と
    総督夫人
    断交
    航走
    一時三星旗
    老年
    文庫版あとがき
    解説 革命的ロマン主義の松陰と合理的精神の晋作と  松本健一

    ●西郷と晋作(35頁)
    終生晋作は西郷と会う機会を持たなかったし、そういう機会を持とうともしなかった。持たなかったのは、かれの長州第一主義によるものであったし、それに何よりもかれは西郷と薩摩藩が嫌いであった。
    ●革命思想派(48頁)
    革命思想派代表格は、高杉晋作、久坂玄瑞の両人と藩官僚の周布政之助、桂小五郎の四人であったが、久坂は蛤御門の変で戦死し、周布は自殺し、桂は蛤御門の変の後、行方不明になっている。残っているのは、高杉晋作だけであった。
    ●艱難をともにすべく、富貴をともにすべからず(148頁)
    事をなすべく目標を鋭く持ち、それに向かって生死を誓いつつ突き進んでいるときは、どの人間の姿も美しい。が、ひとたび成功し、集団として目標をうしなってしまえば、そのエネルギーは仲間同士の葛藤にむけられる。
    ●浮世の値段(204頁)
    生きていることの楽しみはたしかに多い。しかしその裏側の苦しみもそれとほぼ同量多いであろう。その楽と苦を差引き勘定すればいくら残るか、というのが、晋作のいう浮世の値段なのである。(まあ、三銭か)
    ●二十一回猛士(231頁)
    松陰はその生涯で二十一回の猛を発しようと自ら誓い、結局、三回発したのみで、幕府に殺されざるを得なかった。
    十八回の猛を仕残して松陰は死んだ。その十八回の猛を、門人たる晋作たちが引き継いで発すべきであったし、げんに久坂玄瑞ら多くの同門の士が十人のうち八、九人までが猛を発し、非業にたおれ、先師の後を追った。
    ●東一(247頁)
    お雅が東一を出産した。東一が生まれてから二十日後に藩内に大政変がおこり佐幕派が政権を握ったため、晋作は藩におれずに海峡を渡り、博多へ亡命した。その後、かれが展開したのは例のクーデター戦である。長府から下関へ、下関から山口へと連戦連勝して進んだが、しかし萩までは至らなかったため、東一を見ることがなかった。その後この男は洋行しようとして長崎へ行った。ところがまた舞い戻って、下関開港をはかったために反対世論が殺気立ち、難を避けるため、脱藩し、おうのとともに四国へ飛んだ、
    ●革命家松陰(310頁)
    幕末から明治初期にかけて出た多くの文章家のなかで、平明で達意という点では松陰は飛びぬけた存在のように思えるが、国家はそれを強いて読ませようとしなかったのは、松陰が、本来の意味での革命家だったからに相違ない。しかし名前だけが、程よく利用された。

    ☆関連図書(既読)
    「花燃ゆ(一)」大島里美・宮村優子作・五十嵐佳子著、NHK出版、2014.11.25
    「花燃ゆ(二)」大島里美・宮村優子・金子ありさ作・五十嵐佳子著、NHK出版、2015.03.30
    「久坂玄瑞の妻」田郷虎雄著、河出文庫、2014.11.20
    「世に棲む日日(1)」司馬遼太郎著、文春文庫、2003.03.10
    「世に棲む日日(2)」司馬遼太郎著、文春文庫、2003.03.10
    「世に棲む日日(3)」司馬遼太郎著、文春文庫、2003.04.10
    (2015年5月14日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し…。わずか八十人で兵を挙げた高杉晋作のクーデターは、きわどく成功する。幕府は、慶応二(1866)年、この長州藩を圧し潰そうと、天下の兵を糾合し、藩の四境から進攻するが、時運はすでに移り変っていた。維新の曙光を認めながら、しかし高杉はもはや死の床にあった。

  •  明治維新に至る前に、長州藩でも革命が起きていた。吉田松陰が思想面から、高杉晋作が実働面でそれを担っている。

     松蔭は29歳でこの世を去り、晋作は28歳。この僅かな歳月で、驚異としか言いようのない働きを描いた物語。

     松蔭の思想とか行動が、常軌を逸しており、内面的描写がしにくいようで、しばしば「狂」という文字が充てられる。

     一方、晋作は実業家というに近く、描写が鮮やかで感情移入しやすいように思う。著者の他の作品でも、晋作のような英雄を描写することが多いため、松蔭の異質さが際立っているように感じた。

     二人の描写の差が面白く、著者の嗜好が現れているようでもある。

  • この時代の背景がうまく書かれているからか、いままで読んだ作品の登場人物たちとのつながりがはっきりと理解できました。
    私がもし、学校の先生だったとしたら、絶対に参考資料に生徒に薦めます。
    読みごたえがありました。

  • 吉田松陰と高杉晋作という、幕末の最重要人物でもある師弟の物語。
    正直ペリー来航まではかったるい本だったが、そこからは引き込まれるように読み切ってしまった。最近は坂の上の雲がクローズアップされてたけど、こちらの方が今の時代には合っているかもしれない。

    自分はこの先どんな生き方ができるだらうか、そんなことを考えてしまう。男なら読むべし。

    物語後半は緊張感のある場面が多いが、そんな中、戦艦の空砲を聞いて新作の母が鶏の世話に向かう場面はとてもあたたく、印象に残っている。

  • この本を読むのは5回目ぐらい。
    高杉晋作は長州藩を、日本を新たな方向に導き28年の短い生涯を終えた。この物語を読めば、彼の異常なまでの行動力、志の高さがうかがえる。まるで自分が短命であることを生まれる前から知っていたかのように、生涯を駆け抜けた
    「おもしろき こともなき世を おもしろく」
    高杉の辞世の句だが、高杉の人生をすごくよく表現していると思う。

    人生の友とするに足りる作品の最終巻。
    これからも何度も読むことになると思う。

  • 維新前夜の鼓動を描いた全四巻の四巻目。

    おもしろき こともなき世を おもしろく

    山口が誇る偉人。狂人。高杉晋作が死ぬ間際に残したこの言葉は自分の座右の銘です。この言葉は、何時如何なるときでも楽しむか、楽しまないかは自分次第、という世間一般に言われている意味だけではないと思う。

    ここで書くのは割愛させて頂くけれど、各々が自分なりの解釈で心に秘めておけば良いのではないかなと感じた。

    ところで、このシリーズを読み終わった後に、吉田松陰か高杉晋作だったら自分はどちらだろうということを考えた。極論だけど、自分は間違いなく高杉晋作。

    自分は吉田松陰程の徳も才もない。だから教育者になれるはずがないし、自分の様な糞みたいな人間が教鞭を取るべきではない。

    しかし、行動から影響を与えることはできる。

    高杉晋作がそうであった様に、狂人は狂人なりの行動を取れば、周囲の人間に影響を与えることができる。

    そして、その流れ・ブームはどんどん大きくなる可能性がある。

    今の日本を洗濯するのは、自分たちの世代がやるしかない。

    その一因になれるよう、狂人になって高杉晋作に近づいていきたい。

    動けば雷電の如く発すれば風雨の如し、衆目駭然、敢て正視する者なし。これ我が東行高杉君に非ずや。

  • 攘夷(勤王)派と佐幕(通商開国)派の二大政党?が覇権を争う激動の幕末の長州藩。
    型にはまらない独自の思想を持った高杉晋作の怒濤の人生。
    薩摩長同盟には関わっていないらしく、さらりと。桂小五郎や西郷隆盛はほぼ登場せず、晋作は「日本」ではなく「長州」を世界に押し出すために動く(戦う)。
    おもしろき ことなき世を おもしろく

  • 文章中の記述で「革命は3代で成立する」という言葉が印象に残った。これは戦国時代の信長(既成勢力をぶち壊す)、秀吉(新しい基盤を確立する)、家康(確立した基盤をより安定したものにする)で言えると思う。主にこの本は長州藩の革命について記されているが、そのことが長州藩の改革にも当てはまるなと思った。あと高杉晋作は巷で神格化されているほどあまり活躍をしていないという印象が残った。(残したものが少ないという意味です。革命を実行に移した功績は称えるべきですが。)感想はこんなところです。

  • 第二次長州征伐の終盤、高杉晋作が歿する迄。
    生きて維新を迎えていたら日本はどうなっていたか?と想像するが、藩内クーデター成功後と同様にきっと大官は固辞したんだろうなあ。
    鬼神のような行動力はひたすらかっこいいです。


    その後ながく長州人のあいだに伝えられた名言、「人間というのは、艱難は共にできる。しかし富貴は共にできない。」

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